2017年11月19日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 323日目


                                                                                                              
    「成功法則」は、

  ベストプラクティスのメタ・プロセスにすべし。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 323日目について書いておきたい。 
 
論文

  昨日のつづき、

 Cooperative Research in SchizophreniziaR. Hoskins, PH.D. M.D., Francis H. Sleeper, M.D., David Shakow, A.M., E.M. Jellinek, M.E: Joseph M. Looney, M.D., and Milton H. Erickson, M.D.Published in the Archives of Neurology and Psychiatry, August, 1933, Vol. 30, pp. 388-401

 1933年の古い論文。内容は統合失調症ついて。この時点で多くの研究が存在するが、イマイチその定義が明らかでないという課題についての論考。

 
随考
 
    ネットに『残酷すぎるが言おう。9割の人は「成功の法則」をまちがえている』という記事がある。これが案外、面白い。この本はパラパラ読んだ記憶がある。

 主張を要約すると以下だ、

1. よくある「成功法則」は科学的に検証すると間違っているものが多い。
2. 検証すると逆のやり方がむしろ効果的ということがある。
3. 「成功法則」を鵜呑みにせず、検証されたものを使い、成功確率をあげるようにするべきである。

 ちなみに、「成功法則」のような、ある種社会科学的なところは、状況や文脈とあいまって、例外的にたまたま上手くいった、ということがある。また、これを状況や文脈を同じにして再現することが難しい。つまり、実体験としての個々の「成功」はプロジェクトの定義と同じで一つひとつがユニークだということになる。

 この場合、上手くいった本人が、この一握りの例外がすべてであるかのような信念とも言える法則をつくり「私はこうやって成功した」と主張しはじめると、かなりややこしいことになる(笑)。個人的には巷にある「成功法則」はそんなのばかりのような気がする。

 確かに、事実としては個別の案件は上手くいった。しかし、このやり方を他に適用しても必ずしも上手くいくわけではない。未来の成功は、あくまでもその確率をいかにして上げるか?でしか語れないという構造もあるだろう。

 これについて人類学者グレゴリー・ベイトソンの多重記述(Multiple Description)がある。簡単に言えば、1)自分でやってみる。2)他人にやってみる。3)他人がやった事例を集め俯瞰的にみる。ということだ。

 つまり、1)は自分の成功体験。2)は他人にやって成功した体験。3)他人が他人でやった成功体験。これらをメタ記述しなさいということになる。
 
 その意味、「成功法則」の検証はある程度母数が必要で、これらのデータをメタの視点から俯瞰的に相対化し、この偏りを補正する手段を持つことの重要性に気づいてくるのも面白いところなのだろう。

 このあたり結局の「成功法則」は、ITを参考にするとPMBOKなりITILなりのベストプラクティス的なメタ・プロセスが成果物ということになるのだろうが・・・・だいたいベイトソンと同じ視点でつくられている感じはする。
 

11月19日の進捗、2,558ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 96.3%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

2017年11月18日土曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 322日目


                                                                                                              
    論文も残り100ページくらい。

       まぁ、数値が重要ではないのだろうが(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 322日目について書いておきたい。 
 
論文

 Cooperative Research in SchizophreniziaR. Hoskins, PH.D. M.D., Francis H. Sleeper, M.D., David Shakow, A.M., E.M. Jellinek, M.E: Joseph M. Looney, M.D., and Milton H. Erickson, M.D.Published in the Archives of Neurology and Psychiatry, August, 1933, Vol. 30, pp. 388-401

 1933年の古い論文。内容は統合失調症について。この時点で多くの研究が存在するが、イマイチその定義が明らかでないという課題についての論考。

 
随考
 
    次に読みたい著作の候補をあげておきたい。



 スティーブ・ランクトン、キャロル・ランクトン夫妻の著作「The Answer Within: A Clinical Framework Of Ericksonian Hypnotherapy」。

 スティーブ・ランクトンと言えば、The Amecian Socaiety of Clinical Hypnosis の学術誌 The American Journal of Clinical Hypnosisの編集長として長年、編集に関わってきた人物だ。

 ミルトン・エリクソンは録音や映像といった形式で自身の技法について体系化は行わず、暗黙知しか残さなかった。逆にいうと形式知やフレームワークはその弟子筋たちによって構築されているところがある。その意味で形式知やフレームワークは弟子の数だけある、といった状態になっているのだが、ランクトン夫妻の考えるエリクソンのフレームワークというのがこれにあたる。

 個人的にランクトンの功績は「多重埋め込みメタファー(Multiple Embeded Metaphors」や「アンビギュアス・ファンクション・アサインメント」を形式知化したことなのだろうが、このあたりのことを復習を兼ねてやってみるか、という感じはしている。
 

11月18日の進捗、2,550ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 96.0%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

2017年11月17日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 321日目


                                                                                                              
    現在の問題を解決しても、将来のありたい姿になれるわけではない(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 321日目について書いておきたい。 
 
論文

昨日のつづき、

 The Concomitance of Organic and Psychologic Changes during Marked Improvement in Schizophrenia: A Case AnalysisMilton H. EricksonPublished in American Journal of Psychiatry, Vol. XIII, No. 6, May 1934 .

  1934年の論文。統合失調症の患者が社会復帰を果たす過程において、身体と精神がどのように相互作用し回復が行われたのかを考察した論文。
 
随考
 
    エリクソンを学習した効用?
 
     学習とは何か?

 案外深いものがある。学び、特に「無意識の学び」はある日突然に、点と点がつながって線になり、線と線がつながって面になり、面と面で立体になる。主観だが、ベイトソンやエリクソンの学びの成果は突然やってくる。

 未来のアーキテクチャを思い描く

 某所でエンタープライズ・アーキテクチャ (EA)のトレーニングに参加してきた。講師は前々職の大先輩。こちらは本業のほうだ(笑)。


   EAは、2000年頃から日本でも大企業や公共団体等を中心に一時はバブル経済を彷彿させるように盛り上がった分野だ。個人的にもいくつかのプロジェクトに従事した。

 しかし、多くのプロジェクトは、将来の不確実性までも取り込んだ未来のありたいアーキテクチャを創ることには失敗し、単に膨大な管理ドキュメントを生み出すだけで破綻したとも聞いている。

 ただ、人も仕組みも進化する。バブル経済がはじけて酷い目にあう人がいても、「株式の仕組み」がなくならないのと同じで、EA自体がなくなるわけではない。

 今回のトレーニングは現在の課題から出発し、未来まで見据えた、将来の企業ありたい姿を実現するべく、それを支えるアーキテクチャを構築する「アーキテクティング」を取り扱ったかなり本質的なものだ。ITに関係ないところでも使える。不確実性を受容して未来を思い描く必要のある経営者にも必須の分野だろう。

デザインとアーキテクチャは違う

 さて、「アーキテクティング」は都市計画のようなものだが「デザイン」とは粒度と性質が異なる、デザインとは個別の家を建てるようなものだ、緻密に設計し施工する必要がある。反対にアーキテクティングとは都市計画のようなものだ、緻密に設計図を書いたからといってその街が寸分違わずに出来上がるわけではない。もっと創発的なものだ。

 これが一般的なロジカル・シンキングの問題解決がデザインならば、アーキテクチャによる問題解決や未来創造はもっとメタのレベルの曖昧さを曖昧として扱う範囲で行われることなる。そのためアーキテクトに求められる資質の一つが、「曖昧なことを曖昧として受け止めても気持ち悪いと感じない」だそうだ。余談だが、個人的には「デザイン」と聞くと局所的かつ人為的で小賢しい感じがする。

 パターン・ランゲージとアーキテクチャ

 さらに、参考図書を読むと面白いことが分かる。それは、EAにクリストファー・アレクサンダーの「パターン・ランゲージ」が取り込まれていることだ。


     論文は、このあたりにある。15年前にはこのあたりは理解不能だったところだが、今はこのあたりの面白さが理解できる。要は、人類学者のグレゴリー・ベイトソンの「結ばれあうパターン (A Pattern that connects)」ではないが、もともと建築家のアレクサンダーも都市には人や動物や環境を有機的に結びつけるメタファーなりイディオムが必要だと考えていたということなのだろう。その意味、パターン・ランゲージは「アーキテクティング」に使うにはちょうどよい粒度だ、ということだろう。

 余談だが、そのうちミルトン・エリクソンの「パターン・ランゲージ」をつくったろうと思っている(笑)。

   未来のアーキテクチャを思い描く

   非常に面白いのは、現在も問題の原因を単純にひっくり返しても未来のありたい姿になるわけではない。ここが一つのポイントだ。その意味、リフレーミングを必要とする。

 さて、ありたい姿を実現するアーキテクチャはメタ・モデルだ。もっというと本当はより粒度の粗いメタ・メタ・モデルでもある。だから、このモデルにはメタ・ゴールが含まれる。つまり、ゴール自体を決めていくというゴールだ。ゴール自体を設定、あるいは再設定しながら、しかも各資源の一挙手一投足をこのゴールに集約することを続けながら、さらに将来のアーキテクチャがだんだんと実現していく必要がある。

 まぁ、オチはこれってミルトン・エリクソンの問題解決、未来創造の方法とほとんど同じ、ということだ(笑)。だからエリクソンの本質は、原因分析でもなく、ちまたで言われているような解決思考ではなく、もっとメタな「アーキテクティング」が必要だ、ということになるのだろう(笑)。「ミルトン・エリクソン心理療法:〈レジリエンス〉を育てる」にメタ・テレオロジーと書いたあったのはこのことだ。

    余談だが、最近、マッキンゼー・アンド・カンパニーでもボストン・コンサルティングでもアーキテクトを募集しているのは、単にMBA的発想だけではダメで、アーキテクチャ思考のこういう発想が求められているということなのだろうなぁ(笑)。

11月17日の進捗、2,542ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 95.7%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

2017年11月16日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 320日目


                                                                                                              
    無意識の直観は案外あてになる(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 320日目について書いておきたい。 
 
論文

The Concomitance of Organic and Psychologic Changes during Marked Improvement in Schizophrenia: A Case AnalysisMilton H. EricksonPublished in American Journal of Psychiatry, Vol. XIII, No. 6, May 1934 .

  1934年の論文。統合失調症の患者が社会復帰を果たす過程において、身体と精神がどのように相互作用し回復が行われたのかを考察した論文。
 
随考
 
    無意識の直観で選ぶと案外当たりが多い

    先日、近所の図書館に言ったら『ザ・ワーク』というタイトルの著作が目に入った。なんとなく気になったので無意識の直観にしたがって読んでみた。結論から言うと、当たり。

 内容を簡単に言うと、その状況で役に立たない自分を苦しめている「思い込み」「考え」「信念」を手放すためのエクソサイズが書かれている本だ。うまくいくと、その状況で無意識に起こっている反応、つまり「考え」「気持ち」「振る舞い」がよい方法へ変わる。要は、ブリーフセラピーや家族療法のリフレーミング技法そのものだ。

 基本的には以下の4つの質問でそれができるのでお手軽。ネットにワークシートもある。

1.それは(経験として)本当でしょうか?(Yesならば2、 Noならば 3へ)
2. その考えが本当であると絶対に言い切れますか?
3. その考えを信じる時、あなたはどのように反応しますか?何が起きますか?
4. その考えがなければ、あなたはどうなりますか?

・・・・・・・・

 感想は以下の2点だ。

 REBT的な思考の外在化

 1点目は、これってアルバート・エリスのREBTの簡易版だな、ということだ。要は、お手軽だが、内容はかなりしっかりしたものだということだ。ネットで同じことを指摘している人の記事が見つかる。この方法に一般意味論の枠組みを当てて考えればすぐに分かる。一般意味論の「地図は領土ではない」つまり「考えと、それが示す現実は違う」を意識してもらい、「地図」である考え方を「領土」から外在化して手放してもらうエクソサイズだというわけだ。思考の外在化についてはこのあたりで書いた。また、事実(認識)から確認を始めているのが一つのミソだろう。エリクソン派のトルゥーイズム(Truism)つまり実際に経験している自明の理につながる話だ。

 通常、「考え方」は身体化された(内在化された)「反応」とひっついているので、「考え方」を手放してもらうと「反応」も起こらなくなる。余談だが、REBTへの一般意味論の影響は、このあたりに書いてある。

 直接的かつ意識からのアプローチ

 2点目は、ミルトン・エリクソンと違って、直接的かつ意識からアプローチする方法だなということだ。逆に言うと、エリクソンは「考え方」を手放すことを間接的かつ無意識からアプローチしているということだ。その意味、この技法を補助線として当てるとエリクソンの技法が浮かび上がってきて面白い。

 間接的かつ無意識からのアプローチはどうなるか?

 個人的には、直接的かつ意識からいっても間接的かつ無意識からいってもどちらでもできるのでよいのだが、このエクソサイズをもとに、間接的かつ無意識からいくバージョンの『ザ・ワーク』を考えてみても面白いのかな?とは思っているところだ。まぁ、エリクソンを超簡易的にやると『クリーンランゲージ』のような方法論にはなるのだろうが・・・・ちなみに、本書を翻訳しようの言い出しっぺなのだが、あまり売れてなかったらゴメンナサイ(笑)。
 

11月16日の進捗、2,534ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 95.4%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――