2011年11月1日火曜日

ダブル・バインドの言語パターン(その2)



出来るか出来ないかが問題ではなくて、それがいつ出来るのかが問題なのさ、(行間:だってあなたの能力からすれば、それが出来るかどうかなんてまったく問題にならないでしょう!)

独り言


今日は、昨日に引き続き「ダブル・バインドの言語パターン(その2)」と題して具体的には The Time Double bind のパターンについて少し書いておきましょう。

違いから本質を読み取る

心理療法家のミルトン・エリクソンを研究する上で欠かせないもの一つが文献なのですが、出版(といっても実際にはPDFで販売されているのですが)されている著作の中で最も充実しているのが、「Milton H. Erickson, M.D.: Complete Works 1.0[1]です。

本書はミルトン・エリクソン全集といっても過言でないのですが、英文で p1780 と非常に充実しており、私も個人的にこの文献というかPDFを保有しています。

それで、昨日のダブル・バインドの言語パターンに話を移すと二番目のパターンとして「The Time Double Bind」が存在しています。

これは、現在、感じている知覚、行なっている行動が、変化することを前提として、これを示唆する言語パターンなのですが、「Complete Works 1.0」の「The Time Double Bind」の項目を参照すると


Do you want to get over that habit this week or next? That may seem too soon. Perhaps youd like a longer period of time like three or four weeks.


その行動を今週克服したいですか? それとも来週? これだと少期間が短いかもしれませんね。 おそらく、あなたは3週間もしくは4週間欲しいのでしょう。

というような未来のいくつかの時点を選択肢としてそれを Either or で選択する形式になっていることがわかります。

もちろん、ここでエリクソンは、認知科学でいう注意(Attention)をずらすことで、

「あなたに、それが出来るのか出来ないのかを聞いているのではないのです。 だって、出来るのは分かっているのだから。問題は、それがどれくらいの期間で出来るのか?ということなのです。」

というようなクライアントを信頼している強力なメタ・メッセージを行間に埋め込んで送り続けていることがわかります。

別の切り口から The Time Double Bind を見てみる

それで、今度は別の著作である「Ericksonian Approaches」の「The Time Double Bind」を参照するともう少し現象学的な観点からこれについて書かれています。[2]

本書では、クライアントの具体的な知覚、例えば、温感、冷感、感覚喪失、無痛感、知覚麻痺、ピリピリする感じ、かゆみ、血圧の変化、赤面、といったことの変化を意識させる示唆が必要なことを説いています。

それで具体的な質問は、


And when do you think that blushing will start ?

In a few minutes will that hand get warmer or cooler ?


で、時間軸を意識させて、赤面がいつ始まるのか? 少しの時間の間に手が暖かくなる? あるいは冷たくなる?のどちらの感覚に変化するのか? というようにクライアント自身が自分の知覚に注意を向けるような示唆を行うという具合です。

 それで、エリクソンが6歳の少年が爪を噛む癖をやめるように示唆した The Time Double Bind」の言語パターンが以下なのですが。


I know your father and mother have been asking youJimmyto quite biting your nails. They dont seem to know that that youre just a six-year-old boy. And the dont seem to know that you will naturally quite biting your nails just before youre seven years old . And they really dont know that ! So when they tell you to stop biting your nails , just ignore them !



以前、ご紹介したネガティブ・コマンドと同じ否定語による示唆つまり、
・あなたは今ほんの6歳
・で、7歳になったら爪を噛む癖はなおるよ
とあいまって、

 
最後の文は7歳になったら爪を噛む癖はなおるのだから、両親から爪を噛む癖を注意されても、無視していいよ(なぜなら7歳になったらそれがなおると、あなたを心から信用しているから・・・)というように相手を承認する強力なメタ・メッセージが行間に含まれていることが理解できるわけです。

文献
[2] http://www.amazon.co.jp/dp/1904424910

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