2011年11月2日水曜日

ダブル・バインドの言語パターン(その3)



「さっきご飯を食べたばっかりでお腹がいっぱいじゃないの?」
「デザートのケーキは別腹。」

日常どこにでもある会話


今日は、昨日に引き続き「ダブル・バインドの言語パターン(その3)」と題して具体的には The Conscious Unconscious Double Bind のパターンについて少し書いておきましょう。

意識と無意識を仮定する

これを知らないエリクソニアンはモグリというぐらい有名な言語パターンですが、この言語パターンの背景にある話は以下で書いています。


一例を示しておくと

And it really doesnt matter what your conscious mind does because your unconscious automatically will do just what is needs to in order to achieve that anesthesia .

のように活用することになります。

 それで、 The Conscious Unconscious Double Bindのパターンに目を移すと、まず、意識ではコントロール不可能な無意識が仮定されていることになります。[1]

 例えば、高所恐怖症の人が高いところで怖がるのも、美味しそうなものを見て、ついつい手が出てしまうのも、意識ではなく習慣化されたパターンを無意識が意識に登らないところで勝手にやってしまっていると仮定しましょう、と考えているわけです。

 それで、以下のエリクソンの戦略のところでも書いたわけですが、問題に対する反応の主体を意識と無意識にスプリット(以下のリンクでは Partitioning)する戦略をとって、


禅問答チックに意図的に対立や矛盾を明示し、その対立を弁証法ではないですが、Either or (二択 ) Both and (両方) そしてNeither Nor (どちらでもない第三の選択)のメタ視点に立って、


少し達観した視点からそれを眺めてみたらどんな感じがしますかねぇ?と間接的に示唆するのがこの言語パターンの目的というわけです。


上のリンクでも書いたわけですが、自分の抱えている課題、問題に対して、まるで漫画の中や映画の主人公の知覚や気持ももちながら、漫画のコマの外や映画を観客として鑑賞している視点を持てればとりあえずは目的達成というわけです。

それで、この視点を望む時に持てるようになるとイチローになれるかもしれませんねぇ、ということになってきます。


曖昧さの視点から

著作によっては、The Conscious Unconscious Double Bind の言語パターンについて、実際にそれを発話しながらクライアントに話す場合に曖昧さ(Ambiguity)が用いられているとするものもあります。[2]


 Milton used the phrase Your unconscious now (Youre unconscious now) many, many times. Its great ambiguity but as soon as you slam that temporal predicate after the word unconscious, it also becomes a command.   Your unconscious now ... wants new idea.・・・ 以下略 p.46  

 ミルトン(エリクソン)は “あなたの無意識は、今ここに(あなたは今無意識で・・・)”を何度も何度も使いました。  これは素晴らしい曖昧さ(アンビギュイティ)です、しかし、一時的な叙述語を”無意識”という言葉に連結して声に出すことで、これは命令ともなるのです。 

  
曖昧さは、クライアントが自分の経験や想起の中から資源・資質を見つける際のTransderviational searchを行う上で非常に重要な概念ですが、(余談ですが、禅問答のように矛盾を含んだ質問を使うことで、一瞬で資源・資質を見つけられる場合がある)


上の例文からすると、今日のテーマの The Conscious Unconscious Double Bind でまずスプリットを行い、そして Unconscious の部分を発音するとき( Your unconscious / You are unconscious )の区別が分からなくなるようにあえて曖昧にすることで 自然にTransderviational search の状態に入り、メタ視点をとって資源・資質を探しやすくする命令とも言える間接的な示唆を行なっているというわけです。

 逆の言い方をするとこのあたりのロジックを理解することなしに「潜在意識がぁ」と連呼するだけの自己啓発セミナーはまったく効果が無いということになります。

文献
[2] http://www.amazon.co.jp/dp/0757307779/

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