2011年11月18日金曜日

TOC思考プロセス5:3つの雲で壁を超える(その1)



環境や文脈を変えても、その問題が起こるとすると、その人やグループの自己認識、信念・価値観、思い込みなどを反映した物事の認識、そしてその認識を反映した反応、行動に原因があると考えるのが普通だと思う。 ということは、その認識を変えないとその問題はどこへ行ってもついて回るということになる。

独り言


今日は、「3つの雲で壁を超える」と題して昨日のトピックの続きを少し書いておきましょう。

課題、問題点の整理には十分気をつける

一つ前の記事で、営業部とマーケティング部が様々な課題について話し合いの場を持つというようなことについて書きました。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/11/blog-post_17.html

一般的に問題や課題というのは、現在、もしくは未来に向けて何かを行う場合、個人やグループの考えや行動に1)二項対立もしくは2)二者択一の形式で現れることがほとんどです。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/10/blog-post_08.html

ここでも、営業部とマーケティング部のそれぞれの思考、行動に焦点を当て、心理療法で用いられるリフレーミングを使って、この焦点があたる部分を広げた結果、普段はあまり意識していないより深層に近い部分での問題、課題が二項対立や二者択一の形式で明らかになったということになります。

それで普通のやり方であるならば、こういった二項対立や二者択一で表される個別の課題をリストして、それに緊急度と重要度をつけて個別の課題として担当者をアサインして解決に当たらせるようなことを行うわけですが、実はこれには大きな落とし穴が存在しています。

No.
課題
緊急度
重要度
製品のプライシング


ブランドイメージの維持


新規顧客の開拓


顧客要件の把握


新しいビジネスモデルの研究


広告、キャンペーン


営業戦略、顧客の絞り込み


他社製品とのタイアップ


新製品投入時期の検討


10
顧客への資産流動化サービスなど



ブレストの結果から、上のようなもっともらしぃリストができたりするわけですが、このリストから担当を決め個別に対処するような行動に移ってしまうと。

l       そもそも問題の根本原因がどこにあるのか明らかにされていないため、個別の課題にもぐらたたきのように対処することになる。
l       最小の入力で最大の効果を得る、つまり仕事のレバレッジ・ポイントがどこにあるのかを探すという発想がないため、時間やリソースをいたずらに消費してしまうことになる。
l       したがって、個々人の仕事はとても忙しくなり、仕事をしているような気にはなれるが根本的な問題の解決には程遠い。
l       結果、忙しいだけで問題、課題は維持され骨折り損のくたびれ儲けとなることが多い。

となってしまいます。もちろん手持ち無沙汰な人が多く居るような組織では、その人達を遊ばせないということだけが目的の意味のない仕事をつくりだすという意味では良いのかもしれませんが、必要最小限の仕事で最大限の効果を上げるためにはまず上のように問題を抽象化しないで発散の方向に向かうという思考は改める必要があるのでしょう。


余談ですが、GTD(Getting Things Done)を活用する時も一度課題や問題を抽象化する発想が無いと、特定時間にやることを詰め込むだけ詰め込んで自分を忙しくするだけのツールとして機能することになります。

3つの雲で壁を超える

それで、一つ一つの問題、課題の背景にある共通のパターンを見つけないと問題の本質には迫れないということが分かってくると、なんらの方法を使って一度は個別の問題を綜合し抽象化して問題の本質を考える必要がある、ということが身体感覚を伴う経験として分かってくるというわけです。

それで、ここで活用出来る方法論の一つが TOCで言うと雲(Evaporating Cloud)だと考えています。それで、この方法論のうちの標準手法3クラウド法があったわけですが、ここでは3クラウド法を活用することにします。

もちろん、ここで TRIZ[1]KJ[2]を活用することも考えられますが、

ここで、3クラウド法を使う理由は、1)言葉の力を使って禅の覚りのプロセスを回しているようなところがあって個人的に気に入っていること。 2) 3つの雲を使って、問題の対立構造を残したまま、それを抽象化して綜合し、本質的な問題に迫ること出来ると考えられること。そして、3) TOCの方法論自体が基本的にはパブリック・ドメインであるため一々ライセンスを気にしなくても良いのでこれを使うことにします。

3クラウド法はUSCのマーシャル校でプロジェクト・マネジメントを教えていたデトマーさんの著作「The logical thinking process: a systems approach to complex problem solving」の解説が一番詳しいように思います。[3]


要点は、上で紹介したリストのようなものでも良いのですが、現在、抱えている課題、問題、あるいは将来に起こりえる都合の悪い課題、問題はほとんどの場合、個人でのグループの場合でも1)二項対立、もしくは2)二者択一になっているという具合です。


 それで、上の10項目のリストから任意に3項目を選び(基本的にこの対立は認識、もしくは認識の枠組みに起因することがほとんどなので優先順位、緊急度などは気にしなくてもよい)

1.      それぞれの雲を書いて対立構造を明らかにする(視点は明確に)
2.      3つの雲に共通する課題を綜合する
3.      そうするとおおよそその問題、課題は認識、もしくは認識の枠組みに起因するということがわかってくる(例、全体-部分、過去-現在-未来、の対立など)
4.      綜合された雲をじっくり眺め、この対立を引き起こしている、方針制約、パラダイム制約(社内のルール、業界のしきたり、など)について考える
5.      最終的にはこの対立を解消するための方法、例えば、ルールの変更について考える。

となります。 それで具体的な検討については次回以降で見ていくことにしたいと思います。

つづく

おまけ、Youtube に3クラウド法とマルチクラウドについて説明されていますが、特定の認知バイアスが特定の問題で起きていない限り、3つ程度のクラウドを使えば十分だと個人的には考えていますが、マルチクラウドのように時系列的な対立を追うという考え方も頭に入れておいたほうが良いですねぇ。余談ですが、マルチクラウドは ディルツ氏のディズニー・ストラテジーのやり方をもう少しロジカルにした感じでその内容はそっくりですねぇ。[4]



文献
記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿