2011年11月19日土曜日

TOC思考プロセス6:3つの雲で壁を超える(その2)



物事の根本的な課題は、対立や葛藤の中に隠されている、葛藤や対立を抽象化することでその背景に潜む、信念、価値観、制限、思い込みを明らかにすることができる。

独り言


今日は、「3つの雲で壁を超える(その2)」と題して昨日のトピックの続きを少し書いておきましょう。

課題をすべて取り扱う必要はない

昨日の続きになりますが、

http://ori-japan.blogspot.com/2011/11/blog-post_18.html

以下のような課題リストが作成されました。


また、このリストをバラバラにして担当をアサインして個別の課題として取り扱うと、背景にある根本的な認識の問題に到達できないまま仕事を増やしてしまうということも書きました。

No.
課題
緊急度
重要度
製品のプライシング


ブランドイメージの維持


新規顧客の開拓


顧客要件の把握


新しいビジネスモデルの研究


広告、キャンペーン


営業戦略、顧客の絞り込み


他社製品とのタイアップ


新製品投入時期の検討


10
顧客への資産流動化サービスなど



もちろん、上のリストは役に立つ手がかりにはなるのですが、ここからどうしたら良いのか?

TOCの3クラウド法を使う場合は、上のリストから、優先順位や重要度に関係なく任意の3つの課題を抜き出して、それぞれの雲を書いてみることになりますが、まずこれから始めてみましょう。

 ちなみに、ここで優先順位や重要度に囚われることなく、と書いたのには理由があります。

課題は状況と人の認識が相互作用して起こっていることが前提にあり、ここではその高次の認識、あるいは認識の歪としてどういうことがあるのか?探るのが目的です。

したがって、表面上の優先順位や重要度に関係なく大体どの3項目を抜き取ってみても、少し抽象度を上げて共通点を探ると、背景にある認識の歪は、だいたい同じような結果になるというのがこの方法論の不思議なところでもあるわけです。

それで上のリストから任意の3項目を取り出します。

No.
課題
緊急度
重要度
製品のプライシング


新規顧客の開拓


新しいビジネスモデルの研究



そして、それぞれの雲を書いて、その共通点を探ると、会社の収益を向上するという目標のもとに短期的な視点に基づく施策と中長期的な視点に基づく施策が 1) 二項対立、もしくは 2)二者択一で横たわっているというわけです。


 もちろん、会社に人・モノ・金・情報といったリソースが潤沢にあれば、中長期的な施策も短期的な施策も両方行うということになるのでしょうが、四半期もしくは半期毎に厳密に業績評価されるようなルールが設定されているとどうしても(意識的にの効果が明示しやすい)短期に効果が上がる施策にだけ焦点が当たってしまうようになるため注意が必要です。


それで、ベイトソンの Theory of Mind からすると、メタ・レベルのルールはトップダウン的にその下位の思考や行動に大きな影響を及ぼす、ことになり、逆方向のボトムアップの影響はそれほどでもないということがあったわけですから、メタ・レベルのルールを変えないと何も変わらないということになってきます。


したがって、こういったより抽象度の高いメタ・レベルのパターン、あるいは課題の奥底に潜むルールを理解せずに単に目の前にある現象にだけ反応して問題解決を行なってしまうと「モグラ叩き」になって根本的な課題はひとつも解決せずに苦しむことになります。


一つになった雲からアイディアを考える

それで、3クラウド法を使って3つの雲をひとつの雲に綜合して、メタ・レベルにあるパターンが見てきました。

それでここでは雲が一つになっていますので以前書いた以下のリンクの方法を使って解決のアイディアを考えることになります。


もっとも、解決のアイディアを考える場合には、言葉や記号で表現できる定量的な情報に加えて、言葉では表現が難しい経験や質感をともなった定量的な情報も総動員しながら、必要に応じて「現場」の状況を確認して進めていくと良いのだろうなと考えています。


それで以下のリンクでも書いたのですが、課題や問題のそもそも論を考えると、7±2として意識的に焦点を当てることができる部分と、言葉として説明するのは難しいけれど、無意識で何となく感じていることや、やろうと思えばできる暗黙知の部分の対立のようにも思えてきます。つまり、ベイトソンではないですが、意識と無意識に橋をかけるような解決方法を考えないと問題を根本的なところから解決するのは難しい・・・となってくるわけです。


それで、意識と無意識の対立のシグナルが、対立や葛藤として現れてくるということになるわけです。 それで、何れにしても、対立や葛藤というとどうしても避けて通りがちになってしまいますが、対立や葛藤をシステム思考で考えられるようになるとこれほど強力なリソースは存在しないということに気がついてくるわけです。

余談ですが、ユダヤ教の原則に、「全会一致は不採用」ということがあり、古代ユダヤのラビの知恵に由来しているようですが、これは、「論ずるまでもなく結論を出せるのは全能の神だけであり、人のなし得るところではない」を前提にしているところを考えると、表面上の対立、矛盾はお互いがお互いを深く理解する第一歩ということになるのでしょう。

もっとも、3クラウド法は弁証法や禅問答に近いように思ってくるわけですが・・・。

文献
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