2011年11月16日水曜日

TOC思考プロセス3:FRTについて



問題の起きたレベルと同じレベルではその問題を解決することは出来ない

アルベルト・アインシュタイン


今日は、「FRTについて」と題して少し書いておきましょう。

TOC思考プロセスのFRTについて

TOC思考プロセスについては一つ前の記事で書きましたがここではFRTについて少し書いておきましょう。

昨日、FRT、については以下のように説明しています。

ツールの名称
タイムライン
説明
FRT
(Future Reality Tree)
現在→未来
将来のシミュレーション(TO-BE/Not TO-BE)
「何に変えるか?」の質問に対する答えを探すためのツリー。
現在の状況から将来起こりそうなシナリオの検討を行う。その場合そのシナリオを引き起こすための十分原因になりうる要素を把握する。都合の悪いシナリオの場合には、そうならないように、その原因が成立しないような対策を考えながらより良いシナリオの構築を目指す。

それで、FRTは、CRTで明確にした現状、つまり「何を変えたら良いか?」を手がかりにして、現在から将来に向かって「何に変えたら良いのか?」の問をもとにして基本的には想定される因果関係の連鎖で書いて行くツールです。

それで、未来はそれが来るまでは、それぞれの人の頭の中にだけあるわけですが、「将来こうなっていたら良いなぁと思うところを思い描いて、そうなるための原因をどのように創り込んでいくのか?」、それと「こうなったら都合が悪いので、具体的なプロセスとしてどう対策を立てるのか?」の両方を考えていくツールというわけです。


 この時、「何に変えるのか?」は、アウトカム得たりやゴールに到達するために物理的世界、もしくは論理的世界にどのように働きかけるか?を、具体的なプロセスとして明示する必要があります。



 それで上の図になりますが、通常のFRTを描く前に時系列的に全体のシナリオをどうしたら良いのかを思い描いて全体のイメージを十分につくってから詳細化できるように、S.C.O.R.E.モデルを導入して全体のプロセスを起承転結のように[原因][現象][アウトカム][効果]4つプロセス、そしてある段階から別の段階に移行するためにはどのような[資源・資質]が必要なのかに分けて考えるようにしています。[1]

逆の言い方をすると、最初から詳細な要素に焦点を当てると「最終的な理想型はどうなっていれば良いのか?」といった全体のストーリーに焦点が当たらなくなるため、個人的にはまずはこういった全体のストーリーをあれこれ考えてみるのが良いと思っています。

 もっともこの図では、過去→現在に至るまでの現状の把握がCRTになっているわけですが、世の中面白いもので、このCRTを元に現在、問題・課題になっている原因を解決するだけ、つまり比喩的にマイナスになっているものがゼロになるだけで、将来へ向けて何らかの革新的なやり方への変更がないと、望んでいるアウトカムを得られないというところがこの図が表しているところであるわけです。

これは冒頭にあるアインシュタインの「問題の起きたレベルと同じレベルではその問題を解決することは出来ない」といっていること、またベイトソンが言う「アブダクティブな学習」というところと一致するところです。[2]

 もっとも、アウトカムやゴールに至るまでの壁が高ければ高いほど、現在もっている常識の延長では超えることができず、別の次元の解決策を考えなければいけないので、あるいみ壁を超えたところのインパクトは非常に大きいということも言えるでしょう。

 それで、望んでいるアウトカムを明確にして、[将来の理想][現状]のギャップが壁だったり、あるいは階段だったりするのでしょうが、CRTで明示した現状をある意味、滑走路や助走路にして、現在→将来へ向いて立ちはだから壁を具体的にどのような方法で超えようかと考えるのがFRTというわけです。もっともこれを飛び越える方法をどのように見つけるのか?については次回以降に説明します。

具体的な例で考える

それで、もう少し具体的な例について考えてみましょう。

多少状況設定が必要ですが、以下のようなことを想定しています。

ある会社でのこと、この会社はコンピュータを直販と間接販売の両方で販売している、それで直販の営業部とマーケティング部の打ち合わせが行われた。

    基本的に営業部とマーケティングは仲が悪い。
    営業部はある製品群について競合と比べて価格が高くて売れ行きが思わしくなく、販売に際して価格の高さが一番のボトルネックになっており、マーケティング部に対して価格を下げて欲しいと主張している。
    しかし、マーケティング部は収益が悪化するために価格は下げたくないとして営業部と対立している。
    今回の打ち合わせには開発部はオブザーバーとして参加しているが、しばらく新製品の市場投入は無いので現状の製品で頑張って欲しいと言っている。

もっとも、実世界ではこう単純ではないのですが、ひとまず上の状況を図にして考えてみましょう。


まず、いくつかのポイントがありますが。

    営業部が顧客と打ち合わせをして「御社は価格が高いねぇ」と言われているのは事実だがこれは目に見える[現象]
    但し、価格が高いことが原因→現在販売が思わしくない、ということについては他の視点からも少し検証してみる必要がある。
    マーケティング部は収益が落ちるので単純に価格を引き下げたくない。
    逆に言うと、価格が高いことが原因で販売が思わしくないとしても、価格を下げたからといって単純に販売が伸びるわけではないと考えている。

実際このあたりのことを定量的に事実として実証するためには戦コンさんをハイアリングする必要があるのでしょうが、このブログでは次回もう少し定性的なデータを用いることに焦点を当ててどのように考えたら良いのか?については次回以降で考えることにします。

つづく 

文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿