2011年11月22日火曜日

TOC思考プロセス9:違いを利用して具体的な行動を考える



A difference that makes a difference.
差異を生み出す差異

グレゴリー・ベイトソン


今日は、「違いを利用して具体的な行動を考える」と題して昨日のトピックの続きを少し書いておきましょう。

違いを利用して具体的な行動を考える

ここで具体的な行動を考えてみましょう。

具体的な行動はTT(Transition Tree)で表現しますが、まず、この手がかりとして使うツリーが2つあります。一つは FRT(Future Reality Tree)、そしてもう一つは昨日書いた PRT (Prerequisite Tree)です。

前に、現状から未来にあるゴールに向かってその道筋を思い描くFTR (Future Reality Tree)について以下に書いています。


TOC的にはFRTの考え方を十分原因の思考と読んでいますが、簡単に言うと現状から未来のゴールを向いて、こうありたい未来が訪れるように、あるいは望ましくない未来を避けられるように、現状から未来へ向けての原因をつくりこんで行く思考になっています。 

 それで、FRTの一部は以下の図のような格好になります。


次に、既にゴールについたものとして仮定し、未来にあるゴールから現在までの道筋を逆算して考えたPRTを活用します。追記:このツリーには具体的なプロセスは記述されていませんが、そのゴールが達成された未来から振り返り、途中の中間目標の場面がこうなっていればよいという、その目標が記述され、(その間に予想される障害が記述され)その目標が連結された格好になっています。

PRTは、昨日説明していますが、以下のような格好になります。



それで、TTを考える場合には、FRTPRTを比較することから考えることになります。
追記:以下は中間目標を達成するための一部分に注意を向けています。



これは、ベイトソンの「A difference that makes a difference.」ではありませんが、現在から未来向けての思考、そして、未来が今起こっているものと考えそこから逆算して考える思考とを比較してみることにします。(二重記述)

余談ですが、観るものと観られるものの相互作用のもと、観察された2つの要素の違いから得られる1つの違い、あるいはその違いが連鎖的に生み出されることがベイトソンの言う情報の定義ですから、あえて違いをつくり、それを比較してみることで新しい情報が生成されるということになります。


追記:山登りのメタファーで考えてみることにします。全体の目標が麓から頂上に上り、そして頂上から麓までに無事戻ってくることとします。 これを話しの前提として、この旅程の一部について考えてみることにします。 それで、上にあるようにPRTとFRTの比較、つまり差異について考えてみることにします。(もちろん、ペースやリソースの配分も考える必要があるため、旅程の全体-部分というのはあたまの隅で意識しておくようにします。)


1.PRTで、例えば、五合目を出発点として七合目の到達を中間目標のゴールとしているとします。この場合、未来→過去を眺める視点を取っています、また、五合目と七合目間にある障害として[落石に注意]のようことを考えたとします。そして、PRTではこの間をどのようなプロセスで埋めるかについては具体的には考えていませんでした。


2.今度は、FRTで五合目から七合目までの具体的なプロセスをどのようにするか?を考えることにします。当然、七合目の到達を中間目標のゴールとし、この目標にロックオンしながら「その目標に近づいていることは五感でどのように分かるのか?」を質問し、同時に、望ましくない結果を避けるために「落石に合わないためにはどうしたら良いのか?」を五感の知覚に戻しながら、つまり具体的なプロセスを思い描きながら、考えることになります。


もちろん、上のようなやり方で「何を行うのか?」と「それをどのように行うのか?」を繰り返しながら、より良いやり方を見つけていくわけですが、このプロセスにおいて、「どういうメンタル・モデルで考えているのか?」を意識しながらこれを行うとダブルループ・ラーニングの形式を取ることになります。[1]

FRTPRTを一部の目標に対して比較した図は以下のようになります。 実際のFRTPRTの要素の中に具体的な内容が書き込まれることになりますが、ここではまずその構造だけを示しておくことにしておきます。




それで、ここでも、意識で考える以外にちょっとリラックスして「眺めて、眺めて、感じ取る」というようなことが必要になると思われますが、2つの異なる種類の思考をぶつけて新しい情報、つまりアイディアを得ようというのがここでの魂胆です。

それで、ざっくり書いておくと、この違いをもとに、抽象度を下げて環境と行動を具体化した以下のようTTが完成することになります。

ここでのポイントは、中間目標として設定された目標を得るために必要最小限の行動を考えることになりますが、ここではその行動を起こすコンテクスト、環境を考えることになります。


 つまり、中間目標を達成するということはそれが得られる条件を整えて行くことに他なりませんが、現状のコンテクスト、環境がどのようになっていてそこに良いタイミングでどのように働きかければ良いのか?を考えた足あとがTTになるということなっています。

TTを書いたその後

それで、この後のプロセスを考えると、必要に応じて、TTを通常のガントチャートに落としたり、あるいはスケジュール表に具体的な行動として書き込んで実際の行動を起こしたりとなっていくわけですが、何れにしてもここで思考の抽象度を上げたり、下げたりしながら描いた4つのツリーと1つの雲が、この行動を起こす場合の指針となることは間違いないと思います。

また、この行動をグループで行う場合は、プロジェクト・マネジメントを行なっていく必要があるのでしょうし、個人で管理する場合は、GTD(Getting Things Done)などを活用していけば良いのではないかと思います。

個人的には、Evernote を中心にTOC のクリティカル・チェーンでGTDを組んでいますが、これはまた別の機会にご紹介することにしましょう。

つづく

文献

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