2012年7月21日土曜日

ミルトン・エリクソン関連書籍、はじめの1冊

                                     

シドニー・ローゼンの「私の声はあなたとともに」も悪くないし、ジェイ・ヘイリーの「アンコモンセラピー」も悪くないのだけれど、やっぱりあのレベルだと「エリクソンがどうやって電球を変えたのか?ってメタファーで説明してある本」であって、「自分の手で、具体的にどうやって電球を替えたらいいのか?」っていうところについては書かれていないのですよねぇ。

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソン関連書籍、はじめの1冊」について書いておきましょう。

 ミルトン・エリクソンの全体像を体系的に学ぶには

 以下のリンクでも書いたのですが、ミルトン・エリクソンのことを学ぶのに、最初の取っ掛かりとしてどんな本を読んだら良いのか? というのは非常に悩ましいところです。


もちろん、ジェフリー・ザイクの翻訳で良い本が何冊か出ていますし、ビル・オハンロンの本も結構良い本が多いわけですが、英語が普通に読めるのだったらと条件がつきますが個人的に強くお薦めしたいのが「Ericksonian Approaches」です。


本書の初版は15社の出版社から断られた末に著者たちが自費出版で世に出された著作がもとになっています。それで初版の評判が良く英国のクラウン・ハウス・パブリッシングから第二版として出版されたのが本書です。それで、レベルは本書によるとエリクソニアンを目指す初級、中級者が対象と書かれていますが、おそらく学位でいくとMS (Master of Science )程度の知識を保有しているという前提で書かれています。

個人的にお薦めの理由を書いておくと

(1)   体系的で網羅的(まとめサイト的な役割)

著者の一人がエリクソン財団のトレーニング・ガイドラインを書いているRubin Battino氏であるためにガイドラインに沿った形式で知る必要のあることが体系的かつ網羅的、またエリクソンから派生したトランスを使わなくても認識、行動の変化を起こせる方法について書かれていること。


(2)   論理的で再現性をもったことのみ記述

一般的に催眠をテーマに扱った著作はどうしても非論理的で不思議な世界に流れていく傾向があるわけですが、本書ではある程度検証されていて再現性をもった技法についてのみ書かれています。つまり、ある程度論理的思考の出来る人が本書を読んでエリクソンの技法を練習することで有段者レベルになることを目指した著作とも言えるでしょう。もっとも逆の言い方をすると初段とか二段にはなれてもエリクソンのような名人とか達人になるには何らかのギャップを埋めないといけないのでしょうけれども。

(3)歴史から応用例までが豊富

臨床催眠の歴史から応用例までが豊富に紹介されています。

もちろん、著者たちも、本書を読んだからといってエリクソンの著作を読まなくて良いと言っているわけでもなければ、論文や他の著作を読まなくても良いとはまったく言っていないわけですが、ミルトン・エリクソンの技法がどのような体系になっているのか?を知りたいと考えた時には外せない一冊なのだろうなと考えているわけです。

全体でp.600くらいあるわけですが、章立ての概要は以下(訳は適当)のようになっています。

第1章      催眠の歴史
第2章      催眠についての誤解、偏見を解く
第3章      古典催眠と現代催眠の違い
第4章      ラポールを構築する方法
第5章      ミルトン・エリクソンの言語パターン
第6章      催眠を使わない催眠療法
第7章      催眠誘導(基本)古典催眠との比較を含む
第8章      催眠誘導(応用)
第9章      催眠現象に対する利用アプローチ
第10章 イデオダイナミック反応の利用
第11章 メタファー(基本)
第12章 メタファー(応用)
第13章 メタファー療法とガイデッド・メタファー
第14章 催眠における治癒的メタファー
第15章 催眠の精神医療への適用例
第16章 催眠の医療分野への適用例
第17章 催眠の歯科医療への適用例
第18章 特定のデモグラフィックに対する催眠の適用
第19章 薬物依存の治療への適用例
第20章 大病の患者に対する適用例
第21章 倫理と関連法規

個人的には、ひとまず12章のメタファーあたりまで日本語があると良いかなぁと思っているわけです。個人的には英語で読んでいますが良い本なので・・・

(つづく)

 文献
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