2012年10月31日水曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その10)リレーションシップ・クエスチョン


                                     

こんなことを言うと怒られるかもしれないけれど、ソリューション・フォーカスト・アプローチは、普通の人への「普及のし易さ」「理解のし易さ」に主眼をおいてつくられているように思うなぁ。

この手法の元になっているのはミルトン・エリクソン、で、エリクソンの技法を学ぶには暗黙知を暗黙知として密教的なところを学ぶ必要があるし、普通の人には難しく、機能主義や要素還元主義、直線的な因果関係では理解できないため、ともするとスピリチュアルなどの不思議系に陥ってしまうように思います。

また、エリクソンの暗黙知を形式知化したMRI (Mental Research Institute)のほうは、結構、学術的で論文をワシワシ読まないといけないので、一般人や企業対象の研修でちょこっと教えるというようなわけにもいかないように思います。

で、エビデンスがあって手法自体は難しくないのは何?・・・と考えるとソリューション・フォーカスト・アプローチあたりが適当かなぁ・・・と思うわけです。もちろんこの手法の先生でもやろうと思ったら、理論や技法の根幹を知るために、エリクソンもMRIも勉強しないといけないのだろうけれどねぇ、と思っているわけですが・・・(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その10)リレーションシップ・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その10:リレーションシップ・クエスチョン

 心理療法家のミルトン・エリクソンの全集的な著作である「Complete Works」に書いてあった記憶があります。

エリクソンは、クライントの首から上は覚めていて、首から下をトランス状態に誘導することができたことです。おそらく、このような状態になると普段クライアントが恐怖心を持つ場面を想像しても体はトランス状態で恐怖を感じるという反応が出来なくなっているように思います。つまり、宙ぶらりんの視点だけそこにあることで、普段、その状況で恐怖を感じているという反応は自分が作り出しているわけであり、それ以外の反応も選ぶことができるということに気がつくことを期待されている状態だというわけです。

 もちろん、普通の人がエリクソンのような神業的な技法を簡単にマスターして使えるわけもないですし、出来たとしても企業研修などで使うと非常に怪しいということになるので、エリクソンが行ったことを質問か何かに還元して、もっと簡単に行うことはできないか?というとても虫の良い考えがここでのテーマとなります。

 個人的には、エリクソンが使った上のような技法は以下で書いた風姿花伝に書かれている「離見の見」、


つまり、主体が舞台上で自分が能を舞っているという心身状態の感覚を持ちながら、同時に、舞台の後ろから舞台に居る自分を冷静に見つめているまなざしを持つというようなメタ認知を行なっている状態が共存している状態を引き起こしているのではないかと考えています。

もちろん、舞台の後ろに居るのはどのような視点なのか?ファンなのか?厳しい評論家なのか?あるいは単純に動作などを冷静にチェックしているだけの人なのか?についての議論はあると思いますが、ここでは単純に事実だけを見つめてフィードバックをくれる冷静なまなざし、としておきましょう。

 そこで、今日のテーマである「リレーションシップ・クエスチョン」[1]ということになります。ソリューション・フォーカスト・アプローチを創始したスティーブ・ド・シェザーは、MRIのリチャード・フィッシュと交流していたと思いますが、この「リレーションシップ・クエスチョン」の理論的背景にあるのは、同じMRIの研究員であったポール・ウォツラウィックの書いている囚人の話のように思えてきます。

 
 もちろん、「リレーションシップ・クエスチョン」自体は難しいものではなく、単純に「友人、上司、妻、夫、など」の視点になってあなたを見たら(事実として)どう見える?と尋ねる質問です。

 例えば、

    あなたが非常に落ち着いた気持になった時、あなたの一番仲の良い友だちはあなたのその様子をどのように表現すると思いますか?
    あなたがそれに成功した時、友だちはあなたのどんなところが違っていると指摘すると思いますか?

もちろん、以下のリンクで書いたようにミラクル・クエスチョンなどの質問と併せて使うことが出来ます。


 (つづく)

 文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

2012年10月30日火曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その9)なぜ?は聞かないのはなぜ?


                                     

 ベイトソンのマインドの理論からすると問題が外在化されていてかつ、プレローマ、つまり無機質の機械の問題解決のような場合は「なぜ?」を繰り返して原因分析の問題解決が出来るけれど、人の心のようにクレアトゥーラ、つまり生き物に内在化されている問題は「なぜ?」を繰り返してもあまり良いことはないかもねぇ(笑)。だから、人間関係とか、人の心の問題をTOYOTA式の「なぜ」を5回聞くとか頓珍漢なこといって分析し始めると前より悪くのは必至だけれどねぇ。まぁ、笑い事じゃないけれど・・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その9)なぜ?は聞かないのはなぜ?」について書いておきましょう。

 技法その9:原則ソリューション・フォーカスト・アプローチではなぜ?は聞かない

 このあたりのこのあたりのことは以下で書いていますが、


 ソリューション・フォーカスト・アプローチの質問では原則「なぜ?」の質問は使いません。

 簡単に言うと、問題の起こっている状況、あるいは資源にあふれている情報をプロセスや知覚の感覚に戻すことを支援するために「なぜ?」を使わないということになると思います。[1]

 従って、例えば

    なぜ、戻ってきたのですか?ではなくて、どのようにして戻ってきたのですか?
    なぜ、上司と上手くいってないの?ではなくて、上司とどのように上手く言ってないの?
    なぜ、それを学んだのですか?ではなくて、どのようにそれを学んだのですか?
    など・・・
のように活用することになります。
 
 (つづく)

 文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

2012年10月29日月曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その8)間接的コンプリメント


                                     

 コンプリメントの概念を説明し始めるとグレゴリー・ベイトソンの処女作「Naven」の話を小一日話す必要があるように思われるわけですが・・・・

間接的コンプリメントを簡単に言うと、単にクライアントを褒めるとか賞賛するとかではなく、具体的なプロセスを示唆しながら、「凄いね」というようなメタ・メッセージを送ることで、セラピストやコーチは、クライアントが自然と自分で自律的にリソースを引き出せるようなヒントを与えることですかねぇ。共依存にならずに・・・(笑)その意味控えめで目立たないのですが結構強力な方法ですねぇ。

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その8)間接的コンプリメント」について書いておきましょう。

 技法その8:間接的コンプリメント

 今日は、ソリューション・フォーカスト・アプローチの間接的コンプリメントについて少々。コンプリメントは日本語では単に「ねぎらい」といった言葉で翻訳されていますが結構深い概念です。基本的には、セラピストとクライアントの間で文字通り補完的関係を築くために行う何かということになるでしょう。

 それでスタンフォードのサーバに以下のようなPDFがおいてあったのでここから少々引用しておきたいと思います。[1]


 In addition, indirect complimenting rather than direct complimenting should be used whenever possible and can be directed toward parent or child. A direct compliment is when the practitioner praises the client: You did a good job or I liked the way you said that. An indirect compliment implies something positive about the client, but pushes the client to figure out the resources used to achieve success (de Jong & Berg, 1998): How were you able to do that? How did you know that was the right thing to do/say? Compliments are more powerful when clients generate them for themselves. When clients realize their own resources, change begins to occur.

加えて、可能性や出来るということを親や子供に伝える場合は、「直接的コンプリメント」より「間接的コンプリメント」を使うべきです。直接的コンプリメントは、(SFBT)の実践者はクライアントに「よくやりましたねぇ。」や「そのように言ってくれたことは良いですねぇ。」のように告げることです。間接的コンプリメントはクライアントにとって何か肯定的なことを含んでいて、成功に達成するために必要なリソースを認識することを推し進めます。「どのようにして、そうすることができたのですか?」「そうすること/そういうことがどのようにして正しいと分かったのですか?」クライアントが自分自身でコンプリメントが出来るようになると、コンプリメントは非常にパワフルです。クライアントが自分自身のリソースを認識した時、変化が起こり始めます。



 個人的に重要なポイントだと思うのは、「凄いねぇ」「ご苦労様でした」というように単に褒めたり労ったりするのではなく、メタ・メッセージとしてこういった気持を間接的に伝えながら、かつ、クライアントがリソースを引き出す様子をプロセスや知覚(五感の感覚)に戻して質問してあげているところですかねぇ? 

 直接的コンプリメントだと自尊心だけを高めるような感じになるけれど、これは、言ってみればプライドが高まるだけで、実際に何かが出来るという確信、つまり自己効力感が高まるわけではないので結構注意が必要です。よく自己啓発などで(心理学的には意味不明な)自己重要感を上げましょうなどと言っていますが、実際に行動を起こすことに対してはあまり役に立つことはないでしょう。

 それで、ここでは、間接的コンプリメントを使って結果予期効力予期を含む自己効力感を高めましょうということになるわけですが、プロジェクトで言うと心の中にWBSを書くような感じで、タスクをイメージしてもらって、そのタスクの結果が期待出来て、かつ自分にはその結果を得るための有効な行動が出来るという確信を高める方向にコンプリメントしましょうということになってきます。この場合は既に自分の出来るタスクをどのように実行すればその結果が得られるということについて確信が高まっていて行動を起こせる状態になっているわけです。

 余談ですが、このあたりはやはり血筋的にミルトン・エリクソンのDNAを引き継いでいるという感じがするのですが、スポーツのヒーロー・インタビューなどでも、具体的にどんなプロセスで得点に成功したのか?そこにどんな判断があったのか?などを聞いたりする時に使えるように思ってきます。(笑)

 (つづく)

 文献

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2012年10月28日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その7)コーピング・クエスチョン


                                     

過去の対処方法を尋ねるというのは「いままで何とかなったんだ!」といった自信を引き出す意味では有効かもしれないけれど、今起こっている課題にその対処方法をそっくりそのまま使えるか?と聞かれるとちょっと難しいところがあるなぁ。(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その7)コーピング・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その7:コーピング・クエスチョン

 余談から、心理療法家であるミルトン・エリクソンの晩年に学んだ弟子でエリクソニアンを代表する一人でありスティーブン・ギリガン著「The Courage to Love」を読んでいたら個人的に興味あるところに出くわしました。その本には以下のような記述があります。


 For example , traditional therapy often focuses on the suffering and pain in a person  and misses the strength , resources and happiness in a clients world. Solution-focused and other contemporary approaches are at the risk of ignoring and rejection the suffering of the person and the world .

  例えば、伝統的なセラピーはしばしば、人の苦悩や痛みに焦点を当て、そして、クライアントの世界における強み、資源や幸福を探しそこねてしまう。ソリューション・フォーカスや現代的なアプローチは人や世界の苦悩を無視したり、拒絶してしまったりするリスクがある。


ミルトン・エリクソンの心理療法は「艱難汝を玉にす」で困難をリソースや強みに転換するところを狙っているところもあり、単純にポジティブ・シンキングを行えば良いといったことではないところには注意が必要だと思います。もちろん、ミルトン・エリクソン→MRI(パロアルト派)→ソリューション・フォーカスト・アプローチ(ミルウォーキー派)と発展してきたソリューション・フォーカスト・アプローチもともすれば単になんでもポジティブに考えれば良いとなってしまう傾向があるところには注意が必要なのでしょう。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html

それで、今日はソリューション・フォーカスト・アプローチのコーピング・クエスチョンについて書いておきましょう。


Coping questions If a client reports that the problem is not better, the therapist may sometimes ask coping questions, such as, for example, "How have you managed to prevent it from getting worse?" or "This sounds hard-how are you managing to cope with this to the degree that 'you are?"

コーピング・クエスチョン:もし、クライアントが問題はよくなっていないと報告したら、セラピストは例えば以下のようなコーピング・クエスチョンを尋ねるかもしれない。「それが悪化することを防ぐために、これまで、どのように対処してきましたか?」もしくは「それは大変ですね、あなたが望んでいる程度まで、それにどのように対処しますか?」


この質問は基本的には問題の要素に当たっている焦点を、ストレスのある辛い状況で、これからどのように解決していくのか?具体的な解決策に切り替えるために使われる質問です。具体的な解決策を見つけるためにエクセプション・クエスチョン(例外探し)と併せて活用されます。[2]

 個人的に考えていることは、過去上手対処できた場合を尋ねるコーピング・クエスチョンの場合、「過去上手く行った対処を現在抱えている問題にたいして適用しても、必ず上手くいくとか限らない」ということです。もちろん、過去上手く行った状況、過去上手くいった具体的なやり方に焦点を向けることで、「自信」や「なんとかなりそうだ」という身体感覚をリソースとして引き出すことはできるでしょう。

 しかし、現在抱えている問題、あるいは将来に解決したい問題についての具体的な方法について、過去の対処方法を持ち込む場合は、コンテクストを丸めた形式で抽象度を上げて一般解として現在、あるいは未来に持ち込む。また、エクセプション・クエスチョンを活用して上手くいかない中にも少しでも上手く行った部分を例外として取り出してくる、というような方法で具体的な対処方法を考える必要があると考えています。

 もちろん、ここでダブル・バインドにハマった場合はお得意の対立解消のプロセスを回すという形式でこの対立を起こしている枠組みを超える対処方法を見つけるということになると思います。


 (つづく)

 文献
[2]http://www.pacwcbt.pitt.edu/Curriculum/301EnggngClntsFrmAStrngthBsdSltnFcsdPrspctv/Hndts/HO9SltnFcsdIntrvwngSklls.pdf


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2012年10月27日土曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その6)エクセプション・クエスチョン


                                     

 人は、いくつかの出来事を帰納するような形式で一般化されたルールめいたものをつくっていて、それが普遍的なものと思うと、ルールと実体の齟齬が生まれた場合、何かの問題にはまりこんでしまう場面が出てくるように思います。

それで、そのルールにハマり込んでしまった場合は、「例外のないルールはない」と考えてその例外に焦点を当てていくことでこのルールにとらわれていることから自由になることが出来るようになるのではないかと思います。

 そして、この例外を「こうありたい姿」やゴールにどのように結びつけていくことが非常に重要ではないかと思っているわけです。

独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その6)エクセプション・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その6:エクセプション・クエスチョン

 エクセプション・クエスチョンは、簡単に言うとクライアントが問題だと思っていることがあるとします。もちろん、ここではソリューション・フォーカスト・アプローチについて書いていますので、外的世界の出来事と人の認識が相互作用しており、ベイトソンが言っている円環的因果論で考える必要のある問題を対象としています。

 このような問題は単純に機械が壊れた時のように、その原因分析をして原因を特定するという考え方では上手くいかないことが多いため、問題に焦点を当てることからパラダイムを変えて、ゴールを描く、比較的行った時のこと、そのパターン、物事の進捗、などに焦点を当てて具体的な解決方法に焦点を向けるということになってきます。

 それで、ド・シェザーらの著書「More Than Miracles: The State of the Art of Solution-Focused Brief Therapy[1]を参照するとエクセプションについて以下のような記述があります。


Constructing solutions and exceptions. The SFBT therapist spends most of the session listening attentively for signs of previous solutions, exceptions, and goals. When these come out, the therapist punctuates them with enthusiasm and support. The therapist then works to keep the solution-talk in the forefront. This, of course, requires a whole range of different skills than those used in traditional problem focused therapies. Whereas the problem-focused therapist is concerned with missing signs of what has caused or is maintaining a problem, the SFBT therapist is concerned with missing signs of progress and solution.

解決策の構築と例外:SFBTのセラピストはセッションのほとんどを以前の解決策、例外、ゴールについての兆候を注意深く聞くことに費やします。解決策、例外、ゴールが出てきた時、セラピストは情熱を持ってそれを強調し、支援します。その時、セラピストは先頭に立ちソリューション・トークを続けます。もちろん、ここでは伝統的な問題に焦点を当てるセラピストとは違ったスキルが求められます。伝統的なセラピストは、何が原因か?問題をどう向き合うのか?について、クライアントが気づいていな兆候を取り扱うのに対して、SFBTセラピストは進捗していることや解決策についてクライアントが気づいていない兆候について取り扱います。


 それで、エクセプション・クエスチョンには以下のような質問があります。[2]

·        その問題が起こらない、もしくはそれほど深刻でない時はありますか?それはいつ?どのようにして起こりますか?
·        ここ2―3週間で問題が起こらなかった、あるいはそれほど深刻ではない時がありましたか?
·        このような例外を起こすためには何をどのようにすればよいですか?
·        その時は何が違っていましたか?
·        もし、友人や家族がそこにいて、あなたにその問題が起こっていない、あるいはそれほど深刻でない時があるとした、彼らはそれにどのようにして気づきますか?何に気づきますか?

何れにしても、例外を探すエクセプション・クエスチョンは決してポジティブ思考というのではななく、パンドラの箱の底から「希望」としての例外を探す質問のようにも思えてきます。


 (つづく)

 文献
[2]http://www.pacwcbt.pitt.edu/Curriculum/301EnggngClntsFrmAStrngthBsdSltnFcsdPrspctv/Hndts/HO9SltnFcsdIntrvwngSklls.pdf


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2012年10月26日金曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その5)スケーリング・クエスチョン


                                     

 プロジェクト・マネジメントで定量的な作業量から考えて10日かかる仕事が90%終わりましたと報告を受けた場合、じゃぁ、あと1日で完成ですよねぇと考えると、終わらないことは結構よくあることですよねぇ。

このような場合は、定性的で感覚的だけれど「後、何日かかる?」って聞いたほうが正確なことが多いのですよねぇ。1-10段階ではないですけれど、ゴールから逆算してますねぇ(笑)もっとも、認知科学的には自己成就予言っていうヤツなのかもしれませんが・・・・

独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その5)スケーリング・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その5:スケーリング・クエスチョン

 スケーリング・クエスチョンを説明すると、要は、ゴールや理想の姿を思い描き、現在とのその差分を0-10もしくは1-10段階であらわすとどれくらいか?また、ゴールまで1段階近づくにはどうすれば良いか?といった質問です。

 個人的な理解は、なんとなくの定性的な情報を定量的な情報に変換する、アナログ-デジタル変換だと思っており心身状態を把握し良い状態に導くためにも活用できると考えています。もちろん段階であらわす前提には何かの基準と比較する必要があるわけですから、自然と視点の抽象度は上がってメタ認知のモードに入っていくことになります。

 それで、ド・シェザーらの著書「More Than Miracles: The State of the Art of Solution-Focused Brief Therapy[1]を参照するとスケーリング・クエスチョンについて以下のような記述があります。


Scaling questions. Whether the client gives specific goals directly or via the miracle question, an important next intervention in SFBT is to scale each goal. The therapist asks the miracle question's scale: From 0-10 or from 1-10, where things were when the initial appointment was arranged, where things are now, and where they will be on the day after the miracle, i.e., when therapy is "successful."

スケーリング・クエスチョン:直接、もしくはミラクル・クエスチョンにかかわらずクライアントに特定のいくつかのゴールが与えられたら、SFBTでの次の介入はそれぞれのゴールについてスケールを導入することです。セラピストはミラクル・クエスチョンのスケールについて質問します。0から10もしくは1から10のスケールを使い、最初にその約束がアレンジされた時、その事はどうだったのか?今はどうなのか?もしも奇跡が起きた時はどうなっているのか?を表します。
・・・・


 当然、ソリューション・フォーカスト・アプローチですので、意識を問題の原因や原因分析に向けるのではなく、ゴールにむけ、はじめに「何がどうなっていれば良いのか?」「ゴールは何か?」また、具体的な方法として「どのようにすればゴールに近づくことが出来るのか?」を尋ねていくことになります。

 それで、スケーリング・クエスチョンには以下のような質問があります。[2]
 
·        1-10段階の6だと何がそう告げていますか?
·        もう1段階数値を上げるには何をすれば良いと思いますか?
·        6になるためには後どれくらいかかりそうですか?
·        6を維持するためには何をする必要がありますか?
·        1段階下がっていない状態と何が違いますか?


 (つづく)

 文献


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2012年10月25日木曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その4)ミラクル・クエスチョン


                                     

 将来の望む姿を描く時に、妄想モードに入らないためには、やはり五感で実感できるレベルでイメージするということと、客観的な観察者の視点を設けてメタ認知するということかなぁ(笑)。

独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その4)ミラクル・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その4:ミラクル・クエスチョン

 ミラクル・クエスチョンはまったく難しいのもではありませんし、少しコツを覚えれば誰でも使うことが出来ると個人的には考えています。

ここで、ミラクル・クエスチョンを使う状況を考えてみましょう。まずは、クライアントが何か問題や課題を抱えていてどのように解決したら良いのか困っている状況を想定してみましょう。この場合、以下のリンクで書いた、AS-IFフレームを設定して、


「もし、眠っている間に奇跡が起きて、問題が解決していたら、朝起きた時に最初に何が違っていることに気がつきますか? 他には?・・・」のような質問をすることからはじめます。ある意味、この質問はコンサルタントが使う FIT-GAPの変形のような質問になっていますが、実際には以下のようなことが起こっていると考えられます。




·        暗黙のうちに認識の中の[現状]-[望む姿]の間に線引きをしてもらう(広義の意味でのミルトン・エリクソンのスプリッティング技法)
·        そして、暗黙のうちに[望む姿]をイメージしてもらうのがねらい
·        問題が解決された[望む姿][現状]の間の、知覚(五感)出来る情報にどのような違いがあるのか?のギャップに気づきこれを埋めることが解決策につながる
·        スティーブ・ド・シェザーは[望む姿]を描くことに決まった答えは無い、また[望む姿]を描くことで、問題にハマっている状況から気分が改善されると指摘しています。[1]
·        個人的には、未来の[望む姿]が実現した時の知覚にフォーカスして現象学的還元みたいなことを行うことで、現在の思考の枠組みの制限をすり抜けて、C.Sパースの言うアブダクションのロジックで問題解決に対するアイディアやリソース(資源・資質)を引き出すことを狙っているように思います

もちろん、未来にその[望む姿]が実現しているのか?についてはあくまでも可能性や確率でしかあらわすことは出来ないのでしょうし、[望む姿]を得るための必要条件を実際の行動を通して整えていくということになるのだと思いますが、五感のレベルの情報に抽象度を落とすこと、また、場合により「奇跡が起こったことを、他の人が見た時、何が違っていることが分かりますか?」[2]のリレーションシップ・クエスチョンの質問をすることで、メタ認識を行えるメタ視点に立ち、妄想ではない地に足のついた現実的な[望む姿]を描くことを担保している形式になっていると考えられます。

追記:実際には、自分の視点から見てどのように奇跡を認識したのか?自分の目から見て他人がどのように変わったのか?他人の目から見て自分がどのように変わったのか?、また、一旦奇跡を経験したら現状の問題が抱えた状態がどのように変わったのか?を尋ねて、そしてゴール設定へ入っていきます。まぁ、このあたりは近江商人の「自分よし、相手よし、世間よし」じゃないけれど、複数の視座からチェックしてもらっていることですかねぇ。(笑)

 それで、[望む姿]を描くためには、イメージ力があれば、資格も地頭の良さも、まとまった資金も必要ないわけで、これは使わない手はないなと考えて日々実践しているこの頃だったわけです。

(参考)ゴール設定のガイドライン

個人的には、ミラクル・クエスチョンで描いた姿がゴール、ゴール設定のガイドラインで設定したことはプロジェクト・マネジメントで言うマイルストーンだと考えています。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/12/blog-post_15.html

 (つづく)

 文献

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2012年10月24日水曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その3)プラットフォーム・クエスチョン


                                     

 ソリューション・フォーカスト・アプローチにかぎらず、短期療法の技法は基本ゴールを見据えて、それで何をするのか?で組み立てられているので、一般的なプロジェクト・マネジメントをファシリテーションする場合も使い勝手が良いのは公然の秘密のように思ってきます。(笑) 

独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その3)プラットフォーム・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その3:プラットフォーム・クエスチョン

 個人的にはソリューション・フォーカスト・アプローチの技法は PMBOKなどのプロジェクト・マネジメント手法のファシリテーションとして活用するととても相性がよく使い勝手が良い技法だと思っています。

 それで今日は、ソリューション・フォーカスト・アプローチの中から「プラットフォーム・クエスチョン」[1]について書いておきましょう。

 例えば、プロジェクト・マネジメントでもある程度の粒度でゴールを思い描く場合、特に経営者レベルになると、自社や自分の望んでいるウォンツから始めるのではないかと思います。つまり、「何をやりたいのですか? ( want to )」あるいは「望んでいることが実現するとそれは何ですか?」の質問に答えがこのウォンツということになります。

 もちろん、中間管理職や平社員になると経営レベルから具体化された目標が降ってきてニーズつまり「~ しなければならない ( have to )」のように上位のレベルにあるゴールを達成する必要条件から始まることも多いと思いますが、個人的には、やはり上位のマネジメント・レベルではウォンツから始める必要があるように思ってきます。

 それで、ここでは少し趣向を変えて自分のパーソナルなゴール設定から考えみましょう。一般的には、上で書いたように。



·        やりたいことを思い描く ( want to
·        ゴール具体的に思い描いて、それを設定する
·        やりたいことを実現するための必要条件を洗い出す (have to )
·        場合によっては、やったほうが良いこと(nice to have )とどうしてもやらなければならない必要条件 (have to )の区别を付ける。これは余力がある場合に行う
·        必要条件をつくりだせるように作業項目を洗い出す






というようなステップで進めていくことになると思います。もちろん、これを一人、もしくは少人数のプロジェクトとして進める場合は、ここで WBS(Work Break Down Stricture)を書いたり、PART図を書いてガントチャートに落としたり、あるいはTOCの場合であれば、前提条件ツーリーを作るというようなフェーズになってくると思います。

それで、実際にはゴールを達成するために必要な、必要条件を整えるために日々のアクションを起こすことになってきます。

もちろん、ここで今日のテーマの「プラットフォーム・クエスチョン」ということになってくるわけですが、具体的な行動計画に落とす前の必要条件を整理する時に、「この中で既に達成されていること何ですか?」と聞くことにより、ゴールを達成するための必要条件をより絞り込むとともに、既に達成されている必要条件を明確にすることが可能になってくると思います。

もちろん、すべての必要条件を整えるように日々何かを行うことは非常に気が重いように思ってくるわけですが、プラットフォーム・クエスチョンで確認を行うことで、本当は全部やる必要がある必要条件について、既に達成していることも含まれていることを確認することで、物理的な作業負荷が軽くなるだけではなく随分気が楽になってくるようにも思ってきます。

 (つづく)

 文献

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