2013年2月26日火曜日

エリクソニアンを目指す12の練習(まとめ)

                                 

   少しまじめに書いていたら宮本武蔵の「五輪書」みたいになっちゃったなぁ~(笑)。

 それで、エリクソニアンとは、一般的には心理療法家のミルトン・エリクソン博士のスタイルを受け継ぐ流派なのですが、これをもっと具体的に考えると、エリクソニアンとは二項対立を超えてエリクソニアンに成り行くためのプロセスそれ自体である・・・みたいな何か禅問答というか構成主義みたいな感じにもなってきますねぇ。

  もちろん、エリクソニアンとは臨床家のモデルの一つというだけではなく「変化や不確定性と上手くやって行きたい」色々な人が日常生活の中で普通に実践できるモデルになると思いますけれどねぇ・・・・もちろん、ベイトソンを一度くぐらせると身体で実践するシステム思考ということになるわけで、これが仕事や日常生活で役立つのを示すのがおいらのミッションかなぁ?とも思っているわけです。

 それで、ミルトン・エリクソンというと真っ先に催眠というのが思い浮かぶわけですが、トランス誘導だけ出来たところで認識や行動の変化にはほとんど影響ないわけですから、これが出来るためだけに物凄く時間やお金を使うくらいだったら、エリクソニアンのマインドを持って催眠を使わないソリューション・フォーカスト・アプローチやMRIを使ったほうが認識や行動の変化を支援するのにはよほど近道のように思ってきますねぇ。(笑)もっとも、あまり本当のことを言うと怒り出すへっぽこ催眠術師が一杯いるのかもしれませんけれど(爆)。
 
 独り言


エリクソニアンとはエリクソニアンに成り行くプロセス

ジェフリー・ザイク博士のエッセーを引用して「エリクソニアンを目指すための練習」と題してあれこれ書いてきたわけですが、今日はこのまとめを書いておきましょう。

で、「エリクソニアンに成り行くプロセスとして」以下の12のリストを復習しておくと、(認識論的な二項対立の可能性を追加)



  1.  唯一無二を知り、それを伝えよ:(特化⇔汎化)ひとつの軸や常識にとらわれずに、そのクライアントしか持っていないユニークな価値を見つけて、できるだけ間接的に伝えなさい。-1 1-2
  2.  変化を知り、それを伝えよ:(変化⇔固定)クライアントが変化しているという事実を見つけて、できるだけ間接的に「良い意味で、変化できる」というメタ・メッセージを添えてそれを伝えなさい。2-1
  3.  変化になれ:(外的変化⇔内的変化)偶発的な出来事をクライアントとの関係性の中に取り込み、自分が変化になりなさい。3-1   3-2
  4. 首尾一貫性を保て:(一致⇔不一致)クライアントと向き合う時、言動と気持ちの一致を心がけなさい。もちろんパラドクス介入も真顔で首尾一貫した形式で行いなさい。4-1
  5. 最適な心身状態引き出せ:(適⇔不適)クライアントがそのことを行うための最も適切な心身状態になるのを支援しなさい。5-1
  6. 柔と剛を語れ:(変化⇔固定)変化の文脈で使える、人の「堅固さ」と「柔軟さ」を表したメタファーそれぞれ集めておきなさい。6-1
  7. 反応を知れ:(冗長⇔単一)そのクライアントにユニークな、(冗長性を持って繰り返される)反応のパターンを書いておきなさい。7-1
  8.  弱くなれ:(弱い⇔強い)時には、自分の強みを封印して弱くなってみなさい。そして、視点や周りとの関係性がどのように変化するのか観察してみなさい。8-1
  9. 抵抗を予想せよ:(反作用⇔作用)クライアントがどのようなやり方で抵抗してくるか予想しなさい。9-1
  10. 困惑させよ:(困惑⇔確信)クライアントがどのように困らせるのか観察しなさい、そしてクライアントをどのように困らせるのか?出来るだけ具体的に考えてそれをやってみなさい。(もちろん倫理規定は守るにせよ・・・) 10-1
  11.  なりたい自己を知れ:(内在化⇔外在化)自分がどのような方向で進化したいのか?リストをつくりなさい。セッションの前にそれを復唱してアファメーションしなさい。 11-1
  12.  メタファーを使え:(比喩⇔実体)クライアントの課題をメタファー、例えば、色や道具、植物や水をたたえる入れ物に喩えてみなさい。メタファーやその文脈を変化させてみなさい。それがあなたのセッションにどのような影響を与えるのか考えてみなさい。12-1


 
 となってきます。

 それで、エリクソニアンの先生方が示しているのは、エリクソニアンとは静的なあり方(Being)ではなくて、いつも変化の文脈に位置づけられる、成り方(Becoming)のプロセスそのものであるわけですが、日々の行為を通じて、どこまでも終わりのない関係性の中で創発する「エリクソニアン」という自己の感覚に近づくようなことだとも思ってきます。

 エリクソニアンのジェフリー・ザイク博士のエッセー[]を引用して12の修行みたいな課題を書いてきたわけですが、エリクソニアンを目指すというのは、企業や団体の経営者であれ、CIOであれ、プロジェクト・マネージャーであれ、コンサルタントであれ、営業であれ、エンジニアであれ、マーケターであれ、先生であれ、子育て中のお母さんであれ・・・・・、自分が目指したければ誰だって日常のちょっとした行為の中で実践できる「変化を取り込み、自分が変化になる、変化であり続ける」人になるためのプロセスでもあると思うわけです。もちろん、普通はそこに葛藤あり二項対立ありなわけで、こういったことまで含めてどう対処しよう?というプロセスなわけです。

 個人的にエグゼクティブ・コーチングとか、プロジェクト・マネージャのコーチングとかプロジェクト・マネージメントのコンサルティングをやる時のTO-BEの人材モデルが大体こんな方向になって「不確定性にどのように対処するのか?」「まずは、おなかを鍛えましょう」とか「不確定性と確定性を二項対立で考えるのを止めましょう」みたいな方向になってきます。

 もちろん、自分が目指したければ・・・・というのが重要なところでしょうが・・・・(笑)

上の課題をやっていくと、普段使っている認識の方向性と反対になっていると二項対立になるような構図になっています。

・例えば、いつも何か一般化された法則めいたものを現実に当てはめて考えるような人だと、その場面でユニークなものを見つけることに違和感を感じるかもしれませんし、
・世の中は変わらないほうが良いと考えているは、何か変化を見つけて困惑してしまうような場合もあるでしょう。

 このような人にとっては、こういった新しい思考様式や行動様式から眺めてみると何か違和感があるということになってくるのだと思います。

 もちろん、ここでは単純にどちらが良いという話をするつもりはなくて、仮に、エリクソニアン的な課題をやっていてそれが現在の認識や行動と二項対立となっているようであれば、その枠組を出て大きく変化する機会だ・・・ということでもあるわけです。もちろん、この二項対立を以下のリンクでも書いたように、ether or (どちらかひとつ)→ both and (どちらとも)→ neither nor (どちらでもない別の何か)のように次元を上げ、既存の枠組を超えて探していく必要があるという具合です。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/10/blog-post_940.html

もちろん、この支援をべシックなスプリッティング&リンキング(Splitting & Linking)でやっても良いでしょうし、この二項対立を3つメタに綜合する形式でファシリテーションするとTOCの3クラウド法を使った問題解決と同じということになってくるわけです(3クラウドはMRIの偽解決のパターン崩し+レバレッジポイントの特定のイメージ)。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/11/blog-post_18.html

 さて、余談ですが、個人的には日本に限らず、コーチングというがITの見える化ではないのですが、なんでも形式知にして対話して、直接的に承認して、直接的に決断して、何か行動すること・・・みたいな風潮になっているのはご存知の通りですが、個人的には、もう少し間接的な感じで上品に進めようと考えると、暗黙知的なところをどのように扱うのか?という話になってやはりエリクソニアン・アプローチのような方向になってくるのだろうなぁと考えているわけでもあるわけです。結局、コーチングっていうのも「不確定な変化にどのように対応するのか?」「自分の想いを関係性の中でどのように実現していくのか?」というような話になるのでしょうから、「答えはすべてあなたの中にある」と言われていても何か白々しい感じがするという具合です。

  それでそんなことを考えると、MITで教えていた組織マネジメントの鬼才エドガー・シャイン先生がエリクソニアンの人達と組んで何か怪しげなことをやっているのも理解できるのですよねぇ(笑)。なんでも「見える化」、つまり形式知の世界だけで解決するのだったら誰も苦労はしませんからねぇ。


  で、最後のオチは、自分自身はこういったことをおおよそベイトソニアンな視点からちょいとメタに見て、エリクソニアンの技法は一応実践していますという、少し複雑な感じになっているところなのでしょうけれどねぇ。(爆) エリクソニアンの技法は別に問題なく出来るけれどいつもベイトソニアン視点から自分のことをメタ斜めに見ているからなぁ・・・・

(つづく)

文献
[1]http://scholar.lib.vt.edu/theses/available/etd-07282003-160500/unrestricted/thesis7.28.03.pdf

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