2013年9月30日月曜日

サイバネティクスから見た新しい精神の科学



 ブリーフセラピーにしてもコーチングにしても・・・結局、その裏にある理論的な背景はこれなので、理解しておかないと、そもそも話にならないのですよねぇ・・・(笑)。

 独り言


サイバネティクスからみた新しい精神の科学

 今日は手短に。

 Google 先生に聞いたら教えてくれたのが、アムステルダム自由大学の先生が公開している講義ノート。タイトルは「Cognitive System a cybernetic perspective on the new science of mind [1]。 タイトルからすれば、サイバネティクスからみた新しい精神の科学なのですが、簡単に言えば、認知科学の発展の流れやその理論が難しくもなく、易しくもなく妙に体系的にまとめられている格好になっている講義ノートというわけです。

それで、一気に読んでみたわけですが、これは素晴らしい・・・・と思ったわけです。

(つづく)

文献
[1] http://pespmc1.vub.ac.be/Papers/CognitiveSystems.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月29日日曜日

システム思考と戦略思考の違い



 純粋なシステム思考って、無欲の仙人みたいなまなざしで、起こっていることをただひたすら見るということになると思います。

で、システム思考と一緒くたにされがちな、戦略思考ですが、こちらは、ちょっと大きめな欲のある視点から、「どうなりたい?」で「そのためにシステムのどこをいじる?」って話になるので厳密に言うとシステム思考とはちょっと違うのですよねぇ。

 そう考えるとシステムのレバレッジ・ポイントって、「どうなりたい?」というビジョンやゴールの存在が前提になってはじめて「どこをいじろうか?」っていうことになるのですよねぇ。したがって、レバレッジ・ポイントっていうのは純粋なシステム思考ではなくてあくまでも戦略的思考という話になってくるのですよねぇ。

 もちろん、ちゃんとした戦略思考を行うためには、「少年よ大志を抱け」じゃないけれど、ちゃんとした欲をもたないといけないのでしょうけれどねぇ・・・・戦略思考って大きなビジョンに基づいてシステムをどうしようか?って話で目先の欲得でシステムをいじるって話でもないですからねぇ(笑)。

 独り言


システム思考と戦略思考との違い

 Youtubeの映像で「システム思考」と「戦略思考」の違いについて語られていた映像があったので、これについて少し書いておきます。

 
 
 人類学者のグレゴリー・ベイトソンは娘のノラ・ベイトソンの撮った映画「Ecology of Mind 」の中で以下のように語っています。
 

The major problems in the world are the result of the difference between how nature works and the way people think.

世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である。


 それで、同じ映画にも登場する、ベイトソンのディープ・エコロジーを継承するフリッチョフ・カプラの「システム思考とは何か」については以下に書いたところです。


 本来のシステム思考には恣意的な目標はない

 ここで気づくのは、カプラの「システム思考」は仙人みたいなまなざしから恣意的な意図を反映させない形式で、自分の目の前に流れている現実をひたすら観察しているような格好になっていることです。つまり、ビジョンだのゴールだのという言葉からは無縁ということになってきます。

 それで、ビジネス上で使うシステム思考というのは、実は、上のような純粋なシステム思考と、戦略思考がごっちゃにされているようにも思ってきます。[1]

目的を達成するためにシステムに介入するのは戦略思考

 戦略思考というのはやはりビジョンや方向性を明らかにして、現状と理想を埋めていくという発想になるわけです。それで扱う対象が人や組織ということになるため、その対象をどのように変化させるのか?ということでシステム思考を使いましょう・・・ということになってくるわけです。つまり、目的なり意図のためにどこをいじろうか?となるわけです。

 
(つづく)

文献
[1] http://hainescentre.com/systems-thinking/pdfs/abst.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月28日土曜日

システム思考:変化に対する4つのチャレンジ



 単純に、「ガンバレ」って励ましてくれるのも悪くはないのだけれど、問題を要素と要素の関係性から起こっているシステムとして捉え、そのシステムの「おへそ」をみつけて、そこを実際の行動でもって押さないと、実際の変化は起こりませんからねぇ・・・・・(笑)。

 独り言


4つの視点からシステム思考ができているか確認するのも良いのだろうなぁ・・と

 「Leveraging Change: The Power of Systems Thinking In Action[1]というシステム思考のエッセーを読んでいたわけですがこれが中々面白いと思います。

 それで、個人的には「日本はシステム思考についてかなり遅れている」という気はまったくなくて、実はむしろ逆で、トヨタなどの製造業で自働化と言われているように、個人的にはかなりシステム思考の先進国ではないか・・・と思っています。

 もちろん、組織にも色々あるわけであり、システム思考が出来ていない組織と、できている組織の違いは何か?それをどのように変化させたら良いのか?を、1)モチベーション、2)コラボレーション、3)焦点、4)学習の視点から説明したのが上のドキュメントに書かれていたことだというわけです。

変化へ挑戦する項目
典型的なやり方
システム思考のやり方
モチベーション:なぜ変化するべきか?
「ガンバレ」と励ます、あるいは「~しないと~になるぞ」と脅す
現実に対する責任を示す
コラボレーション:なぜ協力するべきなのか?
「~しなければいけない」と命令する
現在のやり方が個人や組織のパフォーマンスをどのように低下させているのか?を具体的に示す
フォーカス:何をするべきか?
多くの課題に、個別、かつ同時に取り組む。目先の現象に対処する
ほんの一つ二つを変えるとそれが全体に波及するレバレッジ・ポイントを探して、それを変化させる
学習:なぜ悩むのか?
他人は間違っているので、学習しなければいけないと考える
やる事を認識し、それをやった結果から(事実ベースで)学ぶ

 典型的なやり方が円環的に強化される方向にいくと今話題の「ブラック企業」まっしぐら・・・という感じがしないでもないですが、その場合も「ブラック企業」への流れを反対に回す形式として「システム思考」という方向性はありなのだろうなぁと思ったわけです・・・・・(笑)。

 余談だけれどシステム思考の場合、目的合理性というのも大事な感じはするけれど、目的がひとつしかない(複数設定せずに)と複雑系の視点からすると面白くないのでその点は課題なのですけれどねぇ。




(つづく)

文献
[1]http://www.uky.edu/kaphtc/sites/www.uky.edu.kaphtc/files/ST_Leveraging_Power.pdf

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2013年9月27日金曜日

公共分野における「リーン」と「システム思考」



 心理療法家のミルトン・エリクソンのユーティライゼーションではないですが、 「変化」を良い意味でシステムの中にどのように取り込むのか?はある意味非常に深い課題のように思えてくるわけです。

 独り言


「コマンド&コントロール」とステム思考の違い

 「 Lean and Systems Thinking in the Public Sector in Wales[1]というリーン(マニュファクチャリング)とシステム思考を使って英国ウェールズの公共分野の業務改革をやってみました・・・で、結構業務が効率化出来ました・・・・云々というドキュメントを読んでいたわけですが、これが中々面白いなぁと思ってみていたわけです。

 リーンは、元々トヨタが暗黙知としてやっている製造方式(もちろん開発もあるけれどここでは製造を中心に考えている)に対してミシガン大学の先生が学問的見地から形式知化したもの、と個人的には理解しているわけですが、非常に簡単に言うと市場からの製品の注文がくるとプル駆動で製造システムが起動され、究極には1個単位の需要にも対応できている(一個流し)というムリ・ムラ・ムダを省いたシステムだというわけです。

 それで、この中で特に面白いなと思ったのは「コマンド&コントロール」と「システム思考」の違いが語られているところです。コマンド&コントロールは中央集権的な命令と管理によるマネジメント方法ということになるわけですが、これがシステム思考とどのように違うか?非常に深いことが書かれています。(翻訳は適当)

コマンド&コントロール
比較項目
システム思考
トップダウン(上意下達)
全体像
アウトサイド・イン(外の変化を中に)
機能に特化
デザインのベース
需要、価値、フロー
タスクと独立
意志決定
タスクと統合
予算、ターゲット、標準、行動、生産性
評価基準
目的に抗する形式で設計、バリエーションが示される
外発的
モチベーション
内発的
予算と人
マネジメントの倫理
システムの振る舞い
契約的
顧客との関係
「どうしました?」、御用達
契約的
サプライヤーとの関係
パートナーシップ、協業
プロジェクト、主導権
変化へのアプローチ
適用、綜合的

もちろん、これは一般論なので・・・・「下請けがイジメられている」・・・・みたいなことはまた、別途考えることにしたいと思います。

 でも、世の中の変化が激しいと経営やプロジェクトの場面でなぜ「コマンド&コントロール」のマネジメントが機能しないのか?の理由が分かってくるようにも思ってくるわけです。

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_15.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/02/blog-post_16.html

(つづく)

文献
[1]http://www.wao.gov.uk/assets/englishdocuments/Systems_Thinking_Report_eng.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月26日木曜日

システム思考をするとはどういうことなのか?



 「ロジカル・シンキング」や「クリティカル・シンキング」はTPOを間違うと結構、野暮ったい感じになってしまうことがあるわけですが、「システム思考」というのは上手く使うと定量的なところと定性的なところ、つまり科学とアートが融合した粋な感じの思考になるのですよねぇ。

 もっとも、「システム思考」という言葉自体が野暮ったいので、もう少し別の言葉に変えたほうが良いのかもしれませんけれど・・・・・(笑)

 独り言


システム思考をするとはどういうことなのか?

  人類学者グレゴリー・ベイトソンのディープなエコロジー思想を発展させているフリッチョフ・カプラ博士の「タオ自然学」、「The Web of Life」(メタファーとして地球はオートポイエシスだぁ・・・みたいな本)は愛読書なのですが、米国ワシントン州の環境局のサーバにのっかっている「 Systems Game Workshop[1]というタイトルのドキュメントの中でカプラ博士が説明している「Criteria of Systems Thinking」(システム思考のクライテリア)という説明が非常に分かりやすかったので説明しておきましょう。

 簡単に言うと「システム思考をするとはどういうことなのか?」「いったい何に焦点を当てればシステム思考なのか?」に対する答えになるわけです。もちろん、カプラの場合は、自然の一部の観察者としてのまなざしがそこにあり、タダ観察をしているだけのシステム思考、つまり恣意的な目的というものをフレームとして持っていないので、「良い」「悪い」の判断もなく単に目の前をフラクタルなパターンが流れていっているというような感じになっています。

 部分から全体へ

 エコロジーの原則(人類学者グレゴリー・ベイトソンの言うエコロジーの定義と同等と考えられる)を理解するには、システミックに思考する必要がある。生態系は全体の綜合であり、全体の属性は部分に分解することは出来ない。つまり、「システミック」な属性とは全体の属性であり、その部分に分解可能な属性ではない。従ってシステム思考を行うということは、部分から全体にシフトして思考することを暗黙的に含んでいる。

 モノから関係性へ

 エコロジーは、そのコミュニティのすべてのメンバーを結ぶ関係性を取り扱う。エコロジーの研究は非常に本質的であり、関係性の研究であり、システム理論の真理である。システムの視点において、モノそれ自体は、大きなネットワークに埋め込まれた、関係性のネットワークである。全体を理解するために、部分間にある関係性を理解しなければならない。したがって、部分から全体への思考の転換は、モノから関係性の転換でもある。


 モノに対する知識からコンテクストに対する知識へ

 部分から全体への焦点の転換は、分析思考からコンテクスト思考への転換を含んでいる。つまりモノに対する知識からコンテクストに対する知識への転換である。部分の属性は本来の属性ではなく、大きな全体というコンテクストの中でだけ理解できるものである。システム思考は「コンテクスト」思考であり、コンテクストの視点から説明することはその環境の視点から説明することを意味しており、したがって、すべてのシステム思考は環境に対する思考となる。

 コンテンツからパターンへ

 関係性の研究では、生命システムにおいて同じ種類の関係性が繰り返し現れることは明らかである。関係性の構成が繰り返し現れる。これがパターンである。したがって、システム思考は、パターンの視点から考えることを意味している。生命システムがどのようなコンテンツからできているかではなくどのようなパターンなのかについて問うことに焦点が当てられる。
 
 量から質へ

 パターン、あるいはカタチに関する研究は、質についての研究であり、マッピングと可視化が求められる。パターンやカタチは、計測したり重み付けしたり出来ない。これは可視化しなければならない。パターンの視点で考えることは量から質への転換を含んでいる。パターンについての研究の重要な観点は、パターンの研究がいつも最前線にあったわけで、アーティストが科学の発展に著しく貢献してきた理由である

 ヒエラルキーからネットワークへ

最も一般的、かつ重要な生命システムのパターンはネットワークである。ネットワークの観点から考えることは生命システム理論の別の特徴でもある。社会的組織では、このことはヒエラルキーからネットワークへの転換として表現される。


 構造からプロセスへ

 生命の現れはカタチ以上のもの、つまり、生命全体を構成する静的要素以上のものである。生命体を通して、物質の連続的な流れが存在し、その間、生命体のカタチが維持されている。生命には発達があり、進化がある。生命の構造が分かると、これが代謝と発達のプロセスに複雑に結びついていることが分かる。システム思考はカタチの構造が強調されているところからプロセスへ焦点を切り替えることが含まれる。




(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/03/blog-post_31.html

(つづく)

文献
[1] http://www.ecy.wa.gov/puget_sound/docs/sts2012c_lynam_presentation.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月25日水曜日

システム思考家への道、13の心得



この本、ポップな感じのシステム思考本で非常に面白いなぁ・・・と思うのですが、誰か日本語訳して出版くれないかなぁ・・・・・・

 独り言


システム思考家への道

 「The Systems Thinking Playbook[1]というタイトルのシステム思考に関する著作があるのですが、この中に語られている「システム思考家への道」なる家訓のようなところが非常に興味深いと思ったので、少し紹介しておきましょう。

もちろん、のっけから、「全体の絵を見る」みたいなことが書かれているわけですが、ここで少し冷静になって、なにがしかのシステムということを考えると、最初にシステムを定義するために半分無意識になにがしかの範囲(Scope)や領域(Domain)を決めて線引をしていることに気づきます。

逆に言うと、それ以外の部分はまさに「アウト・オブ・眼中」ってことにしていて、実はいつも細かい世界の中での全体しか見ていないのではないか?と考えてしまうのが面白いところでもあるのでしょう。

もちろん、全体といってしまうと、その思考や意識の対象範囲を宇宙の果てまで巡らせるということになるかもしれないので、実際は現実的なところが範囲や領域を決めているわけではありますが、思考実験としては、自分の思考や意識をどこまで広げることができるのか?とやってみるのもまた一興というわけです。

で、この心得みたいなものは以下のような感じになっています。

1.      全体の絵を見る
2.      複雑なシステムのレバレッジ・ポイントを見つけるために視点を変化させる
3.      相互作用、相互依存を探す
4.      メンタル・モデルがどのように未来を創造しているか考慮する
5.      長期的な視点から考え、どうなるのか記述してみる
6.      (周辺視野を使って)より広い視点から因果を見てみる
7.      (良くも悪くも)予期せぬ結果がどこで創発しているのか探す
8.      責任ではなく構造に焦点を当ててみる
9.      パラドクスや矛盾をすぐに解決しないで、その緊張を維持してみる
10.    因果ループや計算モデルを使ってシステムを可視化してみる
11.    在庫や蓄積を作り出している遅延や慣性を探してみる
12.    相互作用の強いシステムでの「勝ち/負け」の考え方が状況を悪くすることに気づく
13.    自分がシステムの外にあるのではなく、自分をシステムの一部と考える

 それで、色々考えていくと話は尽きないわけですがとりあえず、こんな感じのことを仕事や日常生活に取り入れてみるのも悪く無いなぁと考えている今日この頃だったわけです。
 
(つづく)

文献
[1]http://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=&id=rNSNtQ8cPYUC&oi=fnd&pg=PA1&dq

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月24日火曜日

短期家族療法におけるシステム論的4つの介入



短期家族療法って簡単に言うと、ソリューション・フォーカスト・アプローチを家族療法に応用したものなのですが、構造主義的な家族療法のようにセラピストが家族全員の関係性を明確にしてセラピストがその関係性に介入するのではなくて、各クライアントが自分でリソースを見つけられるコツだけ教えて返してあげるような格好になっているのが面倒臭くて良いのですよねぇ。

でも、これって結局、心理療法のミルトン・エリクソンが使っていた偶然に起きた出来事を認識や行動を変化させるために取り込み、それを広げる・・・・というユーティライゼーションをシステム論やサイバネティクス的にポジティブ・フィードバックというカタチで形式知化したような格好になって・・・システム論的には(オートポイエシスとしての)クライアント・システムと(オートポイエシスとしての)セラピストが構造的カップリングをして「セラピー・システム」みたいなものをつくりだして、ここで出来た善循環的な見方をクライアントの抱えている状況に持ち帰ってもらうようになっているのが格好が良いところなのですよねぇ・・・・・・

さらに、クライアントがシステム論的に小難しい概念を考えなくても自然に使えるように工夫されているところが良いですねぇ・・・・・・・なので、日常生活や仕事の場面のマネジメントにも簡単に応用できるので、おいらみたいなインチキ・コンサルタントには嬉しいですねぇ・・・・・・(笑)

 独り言


短期家族療法のシステム論的4つの介入

 時期的には1984年とちょっと古いのですが「FOUR USEFUL INTERVENTIONS IN BRIEF FAMILY THERAPY[1]というタイトル、ソリューション・フォーカスト・アプローチの創始者であるスティーブ・ド・シェザーらが書いた論文を読んでいたわけですが、個人的には非常に興味深く読んでいたわけです。

 この論文は、ソリューション・フォーカスト・アプローチを家族療法への応用が書かれているわけですが、ここで面白いと思ったのは次のことになります。

 通常、家族療法と言うと、家族を構成するメンバー間の動力学を調べてその関係性に介入するという方法が思い浮かびます。もちろん、これはイメージ的には、家族をひとつのシステムと考え、サザエさんでカツオが不良になりつつある時、カツオをIP(Identified Patient)とし、実はカツオが不良になろうとしているのも、家族全体が崩壊するのを防ぐためにたまたま症状がカツオに出ているというような考え方をするわけです。それで、色々調べた結果、実際の介入は、カツオ本人ではなく、波平さんとフネさんの関係に介入する・・・みたいな格好になったりするわけですが、この場合、円環的質問を使ったり、マジック・ミラー越しによく観察したりして家族の動力学を丹念に調べるような格好になってくるために結構面倒臭くなってくるようにも思ってきます。

 それで、シェザーらの場合は、もう少し簡単に介入するためにそれぞれのクライアントの認識に良い方向に変化する示唆を行うというような格好になっているわけです。

 で、最初に3つの前提をおくことになります。(翻訳は適当)


1. Change is not only possible, but it is inevitable.

2. Only minimal changes are needed to initiate solving the problems clients bring
to therapy, and that once change is initiated (the therapists task), further changes will be generated by the client-system (the ripple effect [Spiegel & Linn, 19691).

3. A change in one element of a system, or in one of the relationships between
elements, will affect the other elements and relationships, which are the system.

1.     変化は可能であるばかりか、避けることはできない。
2.     クライアントがセラピーに持ち込んだ問題の解決を開始するために、最小限の変化が必要とされる、そして一旦変化が起こり始めると(これがセラピストの仕事)、それ以降の変化はクライアント・システムそれ自身によって生成される。
3.     システムのひとつの要素の変化、もしくは要素間のひとつの関係性における変化は、他の要素や関係性に影響を及ぼすことになる、つまりこれがシステムである。


 それで具体的な介入は以下の4つということになってきます。

1.     (例外を探す)今から次回のセッションまでに起きた、自分に都合の良い変化を観察して報告してもらう。
2.     何か違うことを行う Do something different ようにしてもらう(もちろん、違うことを行ったことで起こった自分に都合のよい変化に気づく必要はある・・・・)
3.     (コーピング)一次的な衝動を乗り切った時に何をしたのか?してきたのか?に焦点をあててもらう。
4.     リフレーミング(現在、クライアントが課題にスタックするように取っている行動が最も難しい反応であり、クライアントはもっと易しい反応をすることで変化できる・・・とリフレーミングしてみる)。

といった感じになってきます。もっとも、このあたりは1)ミラクル、2)エクセプション 3)コーピング 4)スケーリングといった4つの質問につながってくるようにも思うわけですが、そこに至るまでにシェザーらがシステム論的に何を考えていたのか?を知る上では非常に興味深い論文のように思えてくるわけですねぇ。

(参考)
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/09/blog-post_11.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2013/07/ip.html

(つづく)

文献
[1]http://www.arnecollen.com/wp-content/uploads/2012/07/Seven-Activities_AC_GM_99.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com






2013年9月23日月曜日

システム思考を深めるための7つの演習



ここまで、TOCS&Tについてちょっと小難しいことを書いてきたので少々休憩(笑)。

でも、S&Tツリーを一言で言うと、部分―全体の対立、自社―市場のような立場の対立にどうやって折り合いをつけて、ゴールを目指すのか?という青写真なので、結局は、物事をどれだけシステミックに考えられるか?感じられるのか?って話になってくるのですよねぇ・・・・・・まぁ、このあたりをシステムとして見ると、経営もITも、短期療法のような心理療法も、日常や仕事における問題解決も、コミュニケーション・・・・・などなど、結局は同じ枠組みの中に入ってしまうのですけれどねぇ・・・・・(笑)

 独り言


システム思考を理解するための7つの演習

 「SEVEN ACTIVITIES TO ENGAGE SYSTEMS THINKING[1]というシステム思考+7つのエクソサイズについてのエッセーを読んでいたわけですがこれが中々良くできているように思ってきます。

 さて、一般的ですが、人が局所的な現象だけに注目して何か対処療法的なやり方で何かを行うと、別のところに新たな問題が起きてロクな結果にならないのはなんとなく経験から分かるところです。

 でも、あまり副作用的な対処ばかり考えても決断できなかったり、行動できなかったりというとことになってくるように思ってきます。

 そう考えると、ある程度その現象(実は見えている現象が問題の核心でないことは多い)がどのような枠組みで起こっているのか?直接見えているところだけではなく、もう少し大きな枠組を考えて、その問題や課題に対処する必要があることが分かってきます。

 それで、上のような感じで問題解決を目指す、「システム思考」というとどうしても大上段に構えていて一見近づき難そうなイメージがあるわけですが、このエッセーの良いところは、小学生や中学生でも、7つの演習や実験を行い、その後、ディスカッションをして意見交換をすることでシステム思考の有効性についての実感が深められるように工夫されているところが良いところのように思ってきます。

 で、具体的には、

1.      物事を要素とシステムに分解する演習(材料と料理、選手とチームなど)
2.      異なる色水を混ぜてみる演習
3.      単音と和音の演習
4.      文と物語の演習
5.      ルールとゲームの演習
6.      翻訳しりとり(みたいなもの)の演習
7.      行動と代案の選択の演習

となっています。この演習のおおよその狙いは、要素とそこから創発するシステムの違い、つまり「部分の総和が必ずしも全体と同じとはならない、あるいは総和以上の何か異なる性質のものが生まれる」と言ったことを体感的に学ぶような格好になっているわけですが、実際に1つ2つやってみると案外深いのですよねぇ・・・・
 
(つづく)

文献
[1]http://www.arnecollen.com/wp-content/uploads/2012/07/Seven-Activities_AC_GM_99.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com