2013年12月11日水曜日

コミュニケーションの試案的公理(その2)



 人の心の働きを説明できる理論みたいなものをつくるのは難しいのだけれど、パロアルトのMRI(Mental Research Institute)の人たちがつくった理論とか公理とかは、物理学とか数学のような理科系の法則みたいな感じでつくられているから、個人的には好みだったりするわけです。

まぁ、ニュートンの第一法則とか、熱力学第二法則とかそんな感じでコミュニケーションを考えられるから楽と言えば楽ですけれどねぇ(笑)。

もっとも人って負のエントロピーを食べて好き勝手に考えて好き勝手に振る舞うイキモノなのでかならずしもこういった法則にはまるとは限らないところもあるわけですけれどねぇ・・・・・・

ひとり言


コミュニケーションの試案的公理

 今日は手短に。

MRIで短期療法の研究をしていたポール・ウォツラウィック博士らによるコミュニケーションの試案的公理+その拡張。[1]

(翻訳は適当)

·           One Cannot Not Communicate:
·           コミュニケーションしないでいることはできない。例:パーティに出て誰とも話をせず、「壁の花」になっていてもそれは他の参加者に何かのメッセージを伝えていることになる。
·           Every communication has a content and relationship aspect such that the latter classifies the former and is therefore a meta communication:
·           すべてのコミュニケーションはその内容(コンテンツ)と関係の様相からなる、後者は後にメタ・コミュニケーションとして分類された。メタ・メッセージは「メッセージについてのメッセージ」であり、言葉の行間、ジェスチャなどを指す。
·           The nature of a relationship is dependent on the punctuation of the partners communication procedures:
·           関係の本質は、相手のコミュニケーションの手続きにおける句読法に依存している。あなたのコミュニケーションの内容をどこで区切るのかは相手による。
·           Human communication involves both digital and analog modalities:
·           人間のコミュニケーションはデジタルとアナログ両方のモダリティを含んでいる。デジタルは主に言語、アナログは非言語のメッセージを指す。
·           Inter-human communication procedures are either symmetric or complementary:
·           対人間のコミュニケーションの手続きは対称もしくは補完の何れかである。対称は同質に焦点があたり、補完は違いに焦点があたる。対称のコミュニケーションがエスカレートすると関係が壊れる。


拡張のほう


  • One cannot not communicate, and the related idea that one cannot not influence;
  • コミュニケーションしないでいることはできない、関連の概念に、影響を与えないでいることはできない。
  • Understanding behavior as if we are constantly exchanging messages defining the nature of relationships of which we are a part;
  • 我々は何らかの一部であるといった関係性の本質を定義するメッセージを定常的にやりとりするかのように振舞いを理解する。
  • Shifting focus of attention from intent to the effects of behavior as communication;
  • コミュニケーションの間、注意の焦点を「意図」から「振舞いの効果」へシフトする。
  • Observer-imposed punctuation;
  • 観察者が挿入した句読点;
  • Emphasizing the vital role of the therapist's preconceptions in bringing forth socially constructed reality;
  • 社会的に構築された現実をもたらすためにセラピストの先入観の生き生きした役割が強調される。
  • Investing the ramifications of self-fulfilling prophecy; and
  • 自己成就予言の成り行きを調べ、そして
  • Articulating and fully embracing the "as If" nature of behavior.
  • 「まるで~が起こっているように」振る舞う性質を強調して完全に受け入れる。


 で、個人的には、上手く言っているプロジェクト・チームと上手く言っていないプロジェクトのコミュニケーションのスタイルがどのように違うのか?そこにあるのは「シンメトリー」な関係なのか「コンプリメンタリー」な関係なのか?とかって感じで使うと非常に面白いものが見えてくるように思ってくるわけです。

 もちろん、ここで「シンメトリー」な関係がエスカレートすると、組織がギクシャクして最期は分裂してしまう可能性があるわけですから、適当に「コンプリメンタリー」な関係を強化しつつ、場合によってはイベントなどでベイトソンの「Naven」よろしく役割を入れ替えた「コンプリメンタリー」な関係を強化するお祭りめいたものが必要でもあるということになるのでしょう・・・・・

 もっと言うと、ソニーとかヒューレット・パッカードはエンジニア2人でたち上げ会社なのに、よくエンジニア2人の「シンメトリー」な関係がエスカレートしないで会社が分裂せずに大きく成長したなぁ・・・・とか思っているわけです。他に、グーグルはブリンとペイジの2人のエンジニアがたち上げそして現在は、会長にエリック・シュミットが居るトロイカ体制になっているのはブリンとペイジの「シンメトリー」な関係がエスカレートしないように「コンプリメンタリー」な関係を強化する上で何か意味があるのだろうなぁ・・・・・とか。

 それで、チーム・ビルディングにしてもマネジメントにしてもこういったコミュニケーション学派と言われるような短期療法や家族療法の知識は持っておいても損はないとも、プロジェクトやベンチャーの立ち会うそれに運営において知らないと結構危ない、とも思えてくるわけです。


(つづく)

文献

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