2013年12月3日火曜日

サイバネティクスをメガネにして色々な現象を観察してみる



 単にコンピュータ・システムを導入する場合と、コンピュータ・システムの導入をきっかけに業務改革までやってしまおうと考える場合では、後者のほうが、圧倒的に難易度が高いのはご存知の通りです。それで、後者は無理やりやると組織の抵抗とか色々あって失敗する確率が非常に高いというのも・・・・・

で、非生物のコンピュータ・システムと生物である人の集合体である組織がどのように相互作用しているのか?このあたりのことをどんな枠組みで捉えればよいのか?

とりあえず第二次サイバネティクスでも使っておけばよくね?という話ですねぇ。

サイバネティクスの枠組みで見ると、再現可能なパターンが見えてくる場合もあるでしょうし、きっと今までの景色が違うものに見えてきますよ。自分に対する認識の観察も含めて(笑)。

ひとり言


複雑なシステムを理解するためのサイバネティクスという枠組み

 IT業界のエンジニアやアーキテクトは自分のことを半分自負しながら、あるいは半分冗談で自分たちのことを「システム屋」と呼んだりするわけですが、少々哲学的な気分になって「システムとは一体何なのだろうか?」と問い始めると、アマゾンの密林のような、ちょっとやそっとでは出口のみつからない非常に深淵な世界へ足を踏み込むことになってしまいます。

 それで、ITの世界でもそうですが、コンピュータでつくった非生物のシステムだけを対象としていればそれほど難しい世界に足を踏み込むことはないと思うわけですが、これが人の運営する企業組織のようなものと相互作用するような場合を考えると、コンピュータ・システムと企業組織というシステムがどのように影響を及ぼし合うのか?という非常に深い話になってきます。まぁ、ITシステムの導入に合わせて従業員の業務改革とか意識改革みたいなものをやろうと企む場合ですねぇ。

 それで、ここで考えるのは、上で述べたような複雑なシステムをいったいどのような枠組みでもって観察すればよいのか?という疑問が湧いてくることになるわけです。

 その答えのひとつは、サイバネティクスのメガネに色々な現象を見てみることだ、と個人的には考えています。


Cybernetics is the science that studies the abstract principles of organization in complex systems.

サイバネティクスとは、複雑なシステムにおける組織の難解な原則を研究した科学である。


 で、組織などを取り扱う場合は、観察者自身を観察するという内部観測のような視点が必要になって、これが、ハインツ・フォン・フォルスターらが定義している第二次サイバネティクスということになってくるわけです。


 それで、本題に戻って「サイバネティクスとは何か?」という感じになってくるわけですが、これには「Cybernetics and Second-Order Cybernetics」[1]がよくまとまっているので、これを読むのが手っ取り早いように思います。それで、このエッセーのタイトルどおりにサイバネティクスの歴史、サイバネティクスと第二次サイバネティクスの違いなどが非常に分り易く書かれています。

 それで目次だけとりあげておくと以下のようになっています。(翻訳は適当)

. サイバネティクスの発展の歴史
1.    源流
2.    第二次サイバネティクス
3.    今日のサイバネティクス

.関係性の概念
1.    区別と関係性
2.    定数と変数
3.    エントロピーと情報
4.    動的作用のモデリング

. 円環的プロセス
1.    自己適用
2.    自己組織化
3.    閉鎖系
4.    フィードバック・サイクル

. ゴールの方向付けとコントロール
1.    ゴールの方向付け
2.    コントロールのメカニズム
3.    最小多様度の法則
4.    コントール・システムの要素
5.    階層のコントール

. 認識
1.    必須の知識
2.    関係性のモデリング
3.    学習とモデルの構築
4.    構成主義的認識論

参考文献


 それで、こういった枠組みを使って普段何気なく繰り広げられている組織の営みのようなものを見るとどうなるのだろうか?と観察してみると普段とは違う世界が展開してくるように思うわけです。

 それで、個人的には IT系だとプロジェクト・マネジメントの体系である PMBOK でも、開発や保守のプロセスのライブラリーである ITILでも、ビジネス・モデルの定義である BABOK でも、その背景をサイバネティクスで考えているところがあるわけですが、最近は外部の環境の変化を組織にどう取り込むか?とかプロセスは、ポジティブ・・フィードバックあるいはネガティブ・・フィードバックのどちらで回すのか?とか随分サイバネティストな感じになってきているように思っているわけです、本当は心理療法でもコーチングでもひとつの枠組みで説明できるので面倒くさくない、というのが第一の理由なのですが(笑)。

(つづく)

文献
[1] http://pespmc1.vub.ac.be/Papers/Cybernetics-EPST.pdf

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