2014年5月31日土曜日

間違いだらけのゴール設定(その3)



 セラピーはマイナスをプラスに、コーチングはプラスをよりプラスにする技法、みたいな感じで語られます・・・・・・・・・

 が、少なくともブリーフセラピー・ベースの技法の場合はこれは該当しません。

 その理由は、設定されたゴールに対して、既存の枠組みから出て思考や行動がゴールに結びついて、実際に変化が起こってゴールが達成できれば、成功、そうでなければ失敗というように、実はセラピーとコーチングでやっていることは同じだからです。

 で、最も難しいのが既存の枠組みから具体的にどうやって出てもらうのか?ということになるわけです。
 

課題は既存の枠組みを超えたゴールをどう設定するのか?

 昨日は、ミルトン・エリクソン派の心理療法家であるジェフリー・ザイク博士のつくったエリクソニアン・ダイアモンドを使ったゴール設定の方法についてお話しました。


 もっとも、エリクソニアン・ダイアモンドのフレームワークはミルトン・エリクソンの近似とは言え、博士号をもったひとたちが考えに考えてエリクソンの技法を積分して求めたようなところがあって、結構本格的です。逆の言い方をすると自己啓発程度の技法ではないのでこのフレームワークのほうから使える人を選ぶようなところがあります。

 それで、これを受け、今日のテーマは、もう少し簡単に使えるゴール設定のフレームワークはないのか?です。

 もちろん、ここでは以下で書いたゴール設定上の矛盾を解決でき、かつ既存の枠組みに囚われない、かといって非現実的でもないゴールを設定し、On Going のプロセスとしてこの達成を目指す必要があります。


まずはゴール設定のガイドライン

 それで、今日の本題。以下のリンクでゴール設定(欲しい結果、経験=アウトカム)のガイドラインについて以下で書いてます。



  1. アウトカムは肯定的に表現する
  • 何々がしたいと表現し、何々を止めるとか、何々をしないと表現しない
  • 「何かを終わらせる」ではなく「何かを始める形式」で表現する。

  1. アウトカムは知覚ベース
  • 五感で見たり、聞いたり、感じたり・・できるエビデンスを伴う形式
  • 評価できる表現にする。可能であれば計測可能な数値目標にしてみる。
  • http://ori-japan.blogspot.jp/2014/05/e.html(一般意味論の E-Primeに関係)

  1. アウトカムのスコープ
  • そのゴールを望む、個人もしくはグループ自身によって開始、マネジメント出来る範囲で設定する。

  1. アウトカムを達成時と現在の利得とのトレードオフ
  1. アウトカムはエコロジカルに


 それで、ここで最も重要なことは、4.アウトカム達成時と現在の利得とのトレードオフ、というところです。

 
 これを考えておかないとゴール設定は必ず失敗することになります。

 つまり、現在、仮に問題にハマっていたとしても、その問題から得ている利得があるわけであり、将来にこの利得が失われるような目標設定はかならず失敗するということになります。簡単な例で言うと、禁煙するという場合、例えば、現在、禁煙することで仕事との合間の良い休息になっている、とか、リラックスする感覚を得ている、とか、禁煙仲間で情報交換することで何らかの利益を得ている・・・ということが考えられますので、単純にタバコをやめるというゴール設定をしても、現在得ている利得を失わないような施策も考えておかないといけないということになってくるわけです。


 もちろん、もっと包括的にTOCの変化のモデルで考えると、



  1. 変化しないことで現在得ている利益
  2. 変化しないことで現在、損をしていること、あるいはリスク
  3. 変化することで将来得られるだろう利益
  4. 変化することで将来被るかもしれな損、あるいはリスク
 1.減らす。2.を増やす。3.増やす。4.減らす、という方向になってきます。但し、もう少し心理的な話をすると、二次利得も考慮する必要があるでしょう。(例、一見問題が解決されていないが、その問題で得ている利益がある・・・というような場合)。

 また、これらが認識の中で膠着しており、変化を起こすための1歩が踏み出せない場合は、以下のリンクで書いたように二項対立を使ってリフレーミングするなどの方法が必要になってくるでしょう。


ゴール設定のプロセス

 それで、ゴール設定の具体的なプロセスになりますが、以下のリンクで書いているように立体的にシミュレーションしてみましょう、ということになります。逆の言い方をするとガイドラインの質問の答えを紙に書いてゴール設定するのではかなり弱いということになります。で、以下で書いた認知アーキテクチャーの SOAR を人に適用してこれをやってみましょうというのがここでの試みとなります。


もちろん、これは心理療法家のミルトン・エリクソンの心理療法のプロセスモデルなのですが、よくありがちなPDCAなどと異なるのは、

  1. 視点、視座の切り替えが入っている
  2. 時系列、タイムラインの切り替えが入っている
  3. 資源・資質、リソースの発見方法がプロセスに入っている
  4. 過去の枠組みに囚われずに枠組みを超えるような形式の行動を探す形式になっている。

 ということになるのだと思います。また、エリクソンの治療プロセスは、ビジネス系のコンサルタントが使うFITGAP、つまり、1)現状を認識し、2)理想を思い描き、3)それをつなぐ道筋を考える、というように非常に戦略的なのが個人的にはお気に入りでもあるわけです。これをTOCの枠組みで説明すると1)何を変えるのか?2)何に変えるのか?3)どのように変えるのか?の質問に還元されることになります。

 それで、多少小難しいことを書いてきましたが、禁煙とかダイエットとかのゴール設定から、ビジネス上の経営戦略まで、臨場感を持ってありたい姿をイメージさせ、かつ、メタ認知力を鍛えるように非常に実践的なフレームワークではないかと思っています。

(つづく) 
文献

N/A


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想、執筆、講演のご依頼はこちらまで tritune'`@''gmail.com

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2014年5月30日金曜日

間違いだらけのゴール設定(その2)



 ゴール設定というのは、理想が達成されたところを強くイメージしてもらってゴールのイメージを固めていくのと、現状と理想をどのように埋めていくのか?日常的にいつも意識下で考え続けて、偶発的な出来事でさえ自然と利用していくような On Going のプロセスになるまで習慣化する必要がある、ということですねぇ。
 

エリクソニアン・アプローチとTOC思考プロセス

 昨日は、ゴール設定には3つの矛盾がつきまとう、という話をしました。


 それで、良いゴール設定の方法を考えると、ゴール設定と達成のプロセスの中で、1)適度な抽象度でゴールを設定し達成プロセスの行動の中で詳細化していく、2)過去から現在までに学んだ枠組みにとらわれず、かといって突拍子がないものでもなく、3)達成プロセスの中で偶発的に起る出来事を利用する、というような方向で、この矛盾を解消しながら前に進める手法が良いゴール設定+達成の方法だと考えているわけです。ここでは、この条件を満たす、個人的にお勧めの方法を2つ紹介しておきましょう。もちろん、もっと探せば他の方法もあるかもしれませんけれども。

 以下がその手法です。

  • エリクソニアン・アプローチ:1つめは心理療法家のミルトン・エリクソンが使用したエリクソニアン・アプローチもしくは、それから派生したブリーフセラピーの手法。
  • TOC思考プロセス:2つめは、 TOC 思考プロセスと5つのツリー(樹形図)です。



 2つの手法の共通点は、現状から理想に至る道筋を導き出すというところ。つまり、両方とも戦略的だということです。また、ここではクライアントとコーチ(コンサルタント)のような状況で使われることを前提としています。

 それで、エリクソニアン・アプローチはどちらかというと無意識から資源・資質を引き出して行動として外的な世界に働きかけを支援するアプローチ。また、TOC思考プロセス意識で物理的な世界で起こっている問題について徹底的に考えてもらって、問題を構造化して、既存の枠組みにとらわれないゴール設定と問題解決のレバレッジ・ポイントと解決までの行動を明確化する、アプローチだと言えるでしょう。

 余談ですが、TOC思考プロセスは、エリクソン派生で現在の問題のパターン崩しに焦点を当てるMRIと理想の未来と解決方法に焦点を当てるSFBTをくっつけたような構造になっているのが面白いところです。その意味では無意識から行くか、意識から行くかの違いだけで同じような構造になっているのだと思います。

エリクソニアン・アプローチ+派生のブリーフセラピー

 では、最初にエリクソニアン・アプローチもしくはそれから派生したブリーフセラピーの手法の説明から。

 以下のリンクで、


 エリクソン派の心理療法家であるジェフリー・ザイク、スティーブン・ギリガン両博士編纂の著作Brief therapy: myths , methods, and metaphors [1]Well-Formed Goal のガイドラインが以下のように示されていました。



1. They are small rather than large.
2. They are salient to the client.
3. They are described in specific , concrete behavioral terms.
4. They are realistically achievable.
5. They are perceived as difficult , involving hard work.
6. They are described as “ the start of something.” NOT the “end of something.”


1. ゴールは大きいより小さく。
2. ゴールは、クライアントからみて際立っていることを。
3. ゴールは、詳細に具体的な行動として表す。
4. ゴールは、現実的に達成可能なものを。
5. ゴールは、困難で努力を伴うと分かっていることを。
6. ゴールは、「何かを終わらせる」ではなく「何かを始める」形式で表す。



 もちろん、これはクライアントとコーチの間の対話の中で、明示的、あるいは間接暗示を使って暗黙的に明らかにされていくことになります。


 で、このゴール設定を含む、エリクソン派のプロセスはザイク博士のエリクソニアン・ダイアモンドというフレームワークを使って回すことになります。


 それで、ここらへんはミルトン・エリクソンがやってた心理療法のプロセスの近似なのでかなり本格的で、実際にきちんとやるのはかなり鍛錬しないと難しいということがあります。

 なので、よほどのエリクソンマニアの心理学大学院の院生でもない限り教えてあげても理解できないと思いますので、明日は、誰にでも使えるこのもっと簡易版を紹介することにしたいと思います。

(つづく) 
文献

[1]http://www.amazon.co.jp/Brief-Therapy-Myths-Methods-Metaphors/dp/087630577X

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2014年5月29日木曜日

間違いだらけのゴール設定(その1)



 過去の枠組みの延長で設定したゴールは単なる日程表にしかならないですねぇ。

 このあたりがゴール設定の難しいところでしょうかねぇ。(笑)

 

間違いだらけのゴール設定

 時折、自分の書いたブログを読み返してみることがありますが、復習することでより深い学びが得られることも多いように思ってきます。

 それで、今日は基本中の基本であるゴール設定について少し復習するのと、いままで書いた記事を少し統合してコーチングでも、プロジェクトマネジメントのコンテクストでもよいのですが、「ゴール設定のガイドライン」について考えてみましょう。

 ゴール設定についてざっくり考えると大体以下のような感じのガイドラインが存在しています。



  1. 適当に難易度のあるゴールを設定する必要がある。
  2. 具体的に設定されたゴールのほうが、単に「ベストを尽くす」と設定されたゴールより有効である。
  3. ゴール設定には(何の結果をどのように達成するのか?について)行動結果のフィード・バックが重要である。
  4. 時間・距離的に遠くより近くのゴールを設定するほうがモチベーションはあがる。


 もちろん、SMARTなどのフレームワークが存在しているのも当然知っていますけれど、もう少し本質的なところから考えたいところです。[1]

ゴール設定は矛盾に満ちている

 ゴール設定の本質的に考えると、それ自体が矛盾と対立に満ちた行為でもあり、実はそれほど簡単でもないなと、個人的には思っています。ですから、ゴール設定自体が通過するべき第一関門であることには間違いないでしょう。この理由は、以下のリンクで書いていますが、


ゴール設定にはいつも以下の3つの対立構造が潜んでいます。

  1. 具体的⇔抽象的:ゴールが達成された時の状況を出来るだけ具体的かつ詳細に思い描きたい。しかし、将来のゴールは不確実性を含むものであるため、その手段やプロセスについて冗長性を確保しておくために、ある程度曖昧もしくは抽象的な表現にしておきたい。
  2. 過去の枠組み⇔未来の枠組:未来のゴールを考える時に基本的には過去の経験を元に考えたい。しかし、それではゴールが過去の延長になってしまうために、理想の未来から逆算していままで枠組にとらわれないやり方も検討したい。
  3. コントロール⇔アンコントロール:ゴール達成については自分のコントロール出来る行動や資源を使うことのみ考えた計画を立てたい。しかし、実行する場面では、自分のコントロール出来ない状況も想定し、その出来事への対処、あるいは当初計画になかった偶発的に得られたその他資源を使うことも考えたい。(このあたりは、複雑系とかオープンシステムの話になってきます。)
  http://ori-japan.blogspot.jp/2014/08/blog-post_15.html(コントロールについて)

 もちろん、クライアントの視点からすると、こういったことを理解した上「規制概念を超えるような」でゴール設定を支援してくれるのが良いコーチで、反対に、理解していないと、単なる「茶飲み話」で終わるという意味では良い踏み絵になってくるように思ってくるわけです。

それで上の対立構造からゴール設定の方向性を考えると、

  1. 抽象度:ゴールの抽象度は冗長性を確保して適度に具体的、ただし、どんな行動をするかについては行動が起こせるまで具体的になっていなければならない。
  2. 枠組み:ゴールは、過去の枠組みに囚われてもいけないが、かといって出来もしないような非現実的なものであってもいけない。
  3. 資源・資質:ゴール達成の途中において、偶発的に発生した障害は学びとして取り入れ、偶発的に得たアイディアや資源を「わらしべ長者」的に取り入れる。(心理療法家のミルトン・エリクソンのユーティライゼーション・アプローチが参考になる。)

という感じになってきます。

これがまず話の大前提となります。

(つづく) 
文献




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2014年5月28日水曜日

プロジェクトにおける意思決定



 あっちを立てれば、こっちが立たずという矛盾した状況の中から、絶えず変化する状況も加味しながら、最適だと思われる行動を選択するというのは非常に難しいことになってきますねぇ。リアルタイム多変量解析みたいなことをやってないといけませんからねぇ(笑)。

 もちろん、直感を働かせるというのも非常に重要だし、関係者の意見を聞くというのも重要なのだけれど、これだけだとヒューリスティクスや認知バイアスがかかったままの状態ですから、それを補正して考えることのできる方法論は持っておきたいわけですよねぇ・・・・
 

プロジェクトにおける意思決定

 今日は、プロジェクト・マネジメントにおける意思決定お話を少々。

 世の中複雑になってきて、思わぬ相互作用が原因となってリクスが発生することを考えると、プロジェクトにおけるリスク・マネジメントというのはプロジェクトを成功させるためには非常に重要です。それでJISQ31000によればリスクは「目的に対する不確かさの影響」と定義されています。つまり、プロジェクトを進めて行く上での好ましくない影響、好ましい影響を考慮しながら意思決定を行っていく必要があります。

 それで、JISQ31000とは直接関係はないのですが、「Project Decision : Art and Science[1]を読んでいたわけです。もちろん、ここではリスク・マネジメントにも関連してきますが、ここでのテーマは。

 「どのようにすれば、具体的にプロジェクト上のよい意思決定ができるのか?」です。

それで、この本に着目したのは、本書で、プロジェクトにおけるヒューリスティクスと認知バイアスの影響について言及されていた点です。[2]これについては、以下のリンクでも書いていますが、


 意思決定はあくまでも人が行うものですが、ヒューリスティクスと認知バイアスの影響については考えておく必要があるのでしょう。

 それで、話を元に戻すと、意思決定のやり方を大まかに分類すると1)直感による、2)アドボカシー(メンバーの意見を調整する)による、3)意思決定分析による、アプローチの三種類があると言及されています。

 それで、ここでは意思決定の分析によるアプローチ、つまり

1.意思決定のフレーミング、課題の構造化
2.代案のモデリング
3.定量分析
4.実装とモニタリング、意思決定のレビュー

 というプロセスが示されています。

 で、目次だけ翻訳して載せておくと、以下の感じになります。



はじめに
謝辞
あなたの意思決定をテストするクイズ

第一部:プロジェクト意思決定分析入門
1. プロジェクト意思決定分析とは何か?
2. 直感によるガッツ・フィーリング対意思決定分析:プロジェクト意思決定分析の心理学
3. 意思決定分析のプロセスを理解する
4. 合理的選択とは何か? 意思決定理論の簡単な説明
5. プロジェクト・マネジメントにおける創造性
6. グループによる判断と意思決定
7. 意思決定の覚悟はできているか? フラストレーションのたまった開発者症候群

第二部:意思決定ーフレーミング
8. 問題の同定と状況のアセスメント
9. プロジェクトの目的の定義
10. 代案の構築とリスクの同定

第三部:状況のモデリング
11. 推定の心理学と政治学
12. プロジェクトを評価するモデル
第四部:定量分析
14. 最重要項目の選択:感性分析と相互関係
15. ディシジョン・ツリーと新しい情報の価値
16. プロジェクトリスクとは? PERT 法とモンテカルロ法
17. 不幸が連鎖するイベンとイベント・チェイン法
18. 意思決定分析レポートの技法
19.. 多目的下における意思決定
第五部:実装、モニタリング、レビュー
20. (状況に)適応するプロジェクト・マネジメント
21. 正しい決断が行われたか? プロジェクト意思決定のレビュー

結論:意思決定分析は解決策を与えたのか?
付録:
a. リクスと意思決定のソフトウェア
b. プロジェクト・マネジメントにおけるヒューリスティクスと認知バイアス
c. リスクテンプレート
d. 多次元クライテリアにおける意思決定方法論

索引
推奨図書


 余談ですが、モンテカルロ法のシミュレーション・ソフトウェア Crystall Ball っていつの間にか オラクルに買収されていて、今オラクルから販売されていのですよねぇ・・・・

文献

[2]http://www.dia.fi.upm.es/~concha/heuristics-biases.pdf

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2014年5月27日火曜日

悪役レスラーとしてのNLP(神経言語プログラミング)



 日常生活にSNS などのソーシャル・ネットワークが空気や水のように浸透しています。

 つまり、個人の情報にこれほど容易にアクセスできる時代はかつでないと言ってもよいでしょう。

 ソーシャル・ネットワークの時代に気をつけなければいけないのは、スバリ「ソーシャル・エンジニアリング」です。

 自分に実害はなくても、友人や友人の家族の情報をついうっかり第三者に提供してしまっている、ということは誰にでも起こりえることです。また、人の良心を逆手に取られて根拠のないデマを拡散したり、良かれと思って犯罪的行為の片棒を担いてしてしまっているなんてことも・・・

 そのようなわけで今ほど個々人に「ソーシャル・エンジニアリング」に対するリテラシーの向上が求められている時代はないのでしょう。

 しかし、これだけではテーマの設定が漠然とし過ぎています。

 その意味では心理的操作を使った「ソーシャル・エンジニアリング」について、NLP(神経言語プログラミング)に悪役レスラーになってもらって、この悪役レスラーにどのように打ち勝つのか?と考えて対策を考えると非常に具体的になるので、これはこれで一つのやり方だと思えるのですよねぇ(笑)。
 

悪役レスラーとしてのNLP(神経言語プログラミング)

 情報システムの仕事に携わっていらっしゃる方は「ソーシャル・エンジニアリング」というコトバを耳にしたことがあるでしょう。もちろん、そうでない方も、この定義を聞けばひとつや2つはぴんとくることがあるでしょう。

それで、今日は、この「ソーシャル・エンジニアリング」がテーマです。

 NPO日本ネットワークセキュリティ協会によれば「ソーシャル・エンジニアリング」が以下のように定義されています。[1]



 ネットワークシステムへの不正侵入を達成するために、コンピュータの技術やネットワークの技術を利用するのではなく、侵入に必要なID、パスワードや、企業の機密情報などを、物理的手段(あるいは心理的な手段)によって獲得する行為



 それで、普通に生活していれば、「自分にはソーシャル・エンジニアリングなんて関係がない」・・・・と思いたいわけですが・・・・

 しかし、個人情報やクレジット・カード番号などが入った情報機器が普及し、ソーシャル・ネットワークのシステムを普通に活用している状況を考えると、個人であれ、企業であれ、「ソーシャル・エンジニアリング」に対する「リテラシーの向上」という名前の「対策」の必要性がこれほど高まっている時代はないと考えてよいのでしょう。

 自分自身に実害はなくても、友人やその家族の情報を第三者にうっかり提供していたり、あるいは、メディアの情報操作やステマにうっかり騙されたり・・・・と上げていけばそれこそきりがなくなってしまいます。

 もちろん、必要以上に人を疑って懐疑的な生活をしても、人生あまり楽しくないものになってしまうということにはなるのでしょう・・・・

 それで、「ソーシャル・エンジニアリング」とは何ぞや?また典型的な手口に引っかからないようにするには具体的にどうしたらよいのか?という問いを立ててみるわけですが。

 この問の答えとなる「ソーシャル・エンジニアリング」を学習するためにお勧めなのがサイト「www.social-engineering.org[1]とこのサイトを編集した翻訳本「ソーシャル・エンジニアリング」[2]です。もっとも、日本語版は翻訳に多少難ありなので英語が読めるのだったら英語で読むことをお勧めします・・・・



 それで、この本で面白いなと思ったのはNLP(神経言語プログラミング)の話題が心理的なソーシャル・エンジニアリングの技法として取り上げられて、きっちり悪役レスラーを演じていることです。NLPは明示的な理論は存在しないのですが、卓越性を発揮している人の認知モデルとしては体系立てられているところがあるので、ある意味、騙しのテクニックを説明するフレームワークや技法としても機能するといったところなのでしょう。(笑)

 確かに、NLPと聞くと、創始者のバンドラーがあちこちでやらかしているので[3]欧米人からすると、「ちょっと強くて悪そう」というイメージで使われているように思うわけですが・・・・認知心理学でも一般意味論でも説明できる「ソーシャル・エンジニアリング」を敢えてNLPで説明しているこの微妙な行間を楽しむというのも面白いところなのでしょう。

 それで、上の本とは関係ないのですが Youtubeに「The Science of Social Engineering: NLP, Hypnosis and the science of persuasion(ソーシャル・エンジニアリングの科学:NLP、催眠と説得の科学)」という映像がアップロードされているのですが、Ph.Dを持った人が認知科学の知見でもって面白おかしく解説しているのでそれなりに楽しめると思います。



 それで、「ソーシャル・エンジニアリング」は、人の認知の隙間をつくようなある意味建設的に騙しのテクニックを見つけ、さらにその上を行く対策を考えというようなある意味際限がないようなところがあります。

 しかし、認識論に還元して考えると「ソーシャル・エンジニアリング」の道具は単なる道具であり、使う状況と目的によって毒にも薬にもなるところが難しいのでしょう。


 例えば、営業が顧客の情報をあれこれ聞き出して自社の製品やサービスを販売するために使うのはどの程度までだったら許されるのか?

 みたいな非常に微妙な問題にもなってくるわけですが、顧客がシラフの状態で顧客の同意をとって「ソーシャル・エンジニアリング」でも使われる道具を顧客の真のニーズを知ってよい提案して顧客をよい意味でびっくりさせるために公明正大に使うのであれば何ら問題ないようにも思えてくるわけですけれども・・・・・・このあたりの話題は、中々、興味が尽きないところではあるわけです。

 それで、個人的には「ソーシャル・エンジニアリング」の研究はある意味「ダマされないための、元詐欺師が教える詐欺のテクニック」的なある意味一歩間違うと暗黒面に落ちてしまうようなところがあるわけですが、このあたりはやはり認知科学なりの科学的知見を命綱としてこういったところを冷静に眺めるようにしないと危険なのだろうなぁ・・・とも思っていたわけです。
 
文献

[3]http://www.american-buddha.com/bandler.method.htm

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2014年5月26日月曜日

オートポイエーシスと社会システム論



 ネットの面白さは提供者ができるだけ多くのユーザのニーズに合わせるマスというところではなく、ユーザがコンテンツをプルで選ぶパーソナルというところの面白さなのでしょうねぇ。つまり、どれだけマニアックなものでも英語で流せば、ユーザが自分で見つけて、視聴し評価してくれる番組が出来るという具合ですねぇ・・・(笑)。そこがテレビとの違いで面白いところでもあるのでしょう。



オートポイエーシスと社会システム論

 Youtube に「Critical Autopoiesis and the Infinity of Paradox 」と題された非常にマニアックな映像がアップロードされているわけですが、個人的にはこの映像を興味深く視聴していたというわけです。



 ウンベルト・マトゥラーナとフランシスコ・ヴァレラによって提唱された「オートポイエーシス論」ですが、現在となっていは色々なところに応用されていて(例えば、家族療法の理論とか・・・、人の認識とか・・・・)で、、ここで述べられているのはニクラス・ルーマンによって提唱されたコミュニケーションを構成素とする社会システムをオートポイエーシスとして見るオートポイエーシス論だというわけです。

 個人的にはこんなマニアックな映像を誰が見るのだろうか?

 とちょっと疑問もあるわけですが、それなりに視聴されていて、かつ、結構、面白いなと思うところが、さらに面白いのでしょうねぇ。やっぱりネットはどんどんマニアックな方向に行ってしまうというなんらかのパターンを持っているということなのでしょう。 

 
文献

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2014年5月25日日曜日

ビル・エヴァンスに学ぶ、創造のプロセスと独学



 絵の具は、原色を用意して、その混ぜ方さえ分かっていれば、色々な色が創り出せるということなのでしょうねぇ・・・・・・・・



ビル・エヴァンスに学ぶ、創造のプロセスと独学

 「好きな ピアニストは誰?」

まず、最初に名前をあげたくなるのがビル・エヴァンス。[1]

 「それは、なぜ?」

 ピアノトリオのフォーマットを前提にして、それまでは、「ピアノが主役でベースとドラムスは単なる伴奏」しかし、エバンスが始めたやり方は、「ピアノとベースとドラムスは対等」またそれぞれの立場が主役ー脇役がダイナミックに入れ替わりながら、相互作用の中で音楽が創られる『インタープレイ』という手法。

 即興演奏と『インタープレイ』の中で、「メロディ」、「リズム」、「ハーモニー」それぞれが結ばれあい、生きた音楽を創発させるようなス革命的なタイルを確立したから、というような教科書的な解答をしたくなります。その意味では、ビル・エヴァンスの発明したのは、円環的因果関係を重視するサイバネティックなJazz。


 しかし、エヴァンスが最初に出会った不世出の天才ベーシスト、スコット・ラファローが『ワルツ・フォー・ディビー』などを録音した直後の1961年に25歳にして交通事故のため夭折。この事件をきっかけにエバンスはドラッグにのめり込むようになったと言われています。この事件の後、数ヶ月の引きこもりの期間を経て、エバンスは理想のインタプレイを求めてラファローに変わるベーシストを探し続けることになります。

 さて、Youtubeにエヴァンスへのインタビュー「The Creative Process and Self-Teaching(創造のプロセスと独学)」(日本語字幕つき)が公開されていますが、これが中々深いことを言っているように思ってきます。





 エヴァンスは、母親がロシア系ユダヤ人だと言われていますが、普通のユダヤ系(ラヴィの家系を除く)は母子継承なので、この定義でいくとエヴァンスのユダヤ系なのでしょう。そのためか、話している内容もまるで哲学者の語りのようになっています。それにしても自分に影響を与えたユダヤ系の人は多いわけですが、これはまた別の機会に譲りましょう。


 エバンスの髪型や黒縁メガネの出で立ちから、インタビューの時期を推測すると、スコット・ラファロー亡き後の1960年台前半だと思われるわけですが、既にビル・エバンスの歯がボロボロなのを見ると、このころからドラッグの悪癖に染まっていたのでしょう。

 ビル・エバンスはこの後20年ほど活動してドラッグと飲酒が原因とみられる疾患で1980915日に亡くなるまで創造の旅を続けることになります。
 
文献

[1]http://ja.wikipedia.org/wiki/ビル・エヴァンス


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