2014年7月25日金曜日

NLPがショボイのには訳がある



 そのあたりのカルチャー・スクールでやっている心理療法(もどき)の技法としてNLP(Neuro-Linguisitic Programming:神経言語プログラミング)というのがあります。で、初心者はこれがゲシュタルト療法のフレデリック・パールズや家族療法のバージニア・サティアや催眠療法のミルトン・エリクソンの言語のメタ・モデリングから始まったと理解しています。

 それで、面白いことにこの手法にとんでもない欠陥が隠されています(笑)。
 もちろん、これは私が言っているのではなく、創始者のバンドラー&グリンダーを指導していた人類学者のグレゴリー・ベイトソンが言っている話です・・・・

 要は、ベイトソンは物事を理解する時に「円環的因果関係」を志向した人物ですが、NLPの背景に「直線的因果関係」を見ており、これが色々な問題を引き起こしているというわけです。

 もちろん、技法的にはベイトソンの教えを忠実に再現したミラノ派の心理療法が「円環的質問」や「パラドクス介入」をやっていて、特に家族療法などの組織への介入を上手くやっている対して、なぜNLPの言語メタモデルやミルトン・モデルが特に組織への介入にほとんど効果がないのか?の答えがここにあるというわけです。まぁ、個人で使う分にはまだよいのでしょうけれど・・・・・

 で、本当のことなのであまり大きな声では言えませんけども(笑)。

 逆に言うと、家族療法家でも組織開発のコンサルタントでもよいのですけれど、特に組織への介入に関してはやっぱりミラノ派を学ぶべきだなぁ・・・・と個人的には考えているわけです。

 もちろん、この話は結構深い話なのですけれどねぇ・・・・・・・・・
 
 

直線的因果関係 vs. 円環的因果関係

 ネットに面白い記事が転がっていたのでご紹介しておきましょう。[1]
以下の記事でも書いたわけですが、短期療法ベースの心理療法やコーチングというのはあくまでも心理療法家とクライアントを一つの「セラピーシステム」と考えるようなところがあります。つまり、セラピストとクライアントが場を形成し、その相互のやりとりの中でクライアントのリソースが引き出されるのが「セラピーシステム」というわけです。


 もっと砕けた言い方をすると、よく自己啓発本などでありがちですが「人を動かしてやる」の表現のようにセラピストが「クライアントを治してやる」というような考え方自体がそもそも傲慢であるというわけであり、そもそもそういう考え方自体どうなのよ?というわけです。

 それで以下の記事。
It was Bateson who encouraged them to model Milton Erickson. In the 50s and 60s, Bateson had run a Communications Research Group and had introduced two of his group, Jay Haley and John Weakland, to Milton Erickson. Through them Erickson's work came to be more widely known. However, Bateson felt important aspects of Erickson's work were yet to be discovered and, impressed with Bandler and Grinder's modeling abilities, suggested they go to Phoenix and study him.


 バンドラー&グリンダーにミルトン・エリクソンをモデリングするように奨励したのはベイトソンだった。1950年代と60年代に、ベイトソンはコミュニケーション研究グループを運営しており、エリクソンを紹介したジェイ・ヘイリーやジョン・ウィークランドにバンドラー&グリンダーを紹介したのもベイトソンだった。ヘイリー(著作、アンコモンセラピー)やウィークランドを通してエリクソンの心理療法のやり方が知られるようになっていた時期だった。しかし、ベイトソンはエリクソンの心理療法にはまだ発見されていない重要な様相があると感じており、かつバンドラー&グリンダーのモデリング能力には感銘をうけており、彼らにフェニックスにいってエリクソンを研究するように示唆したのだった。


However, the magisterial Bateson was disappointed with the result, feeling that Bandler and Grinder's study of Erickson exhibited "shoddy epistemology," that is, that its descriptions implied linear rather than circular causality and (he may have considered it a consequence of that epistemology) that they had fallen into an obsession with power that he had seen all too often among those who studied Erickson.


 しかしながら、尊大なベイトソンはその結果(著作「ミルトン・エリクソンの催眠テクニックⅠ、Ⅱ、春秋社))にはがっかりしたのだった、それはバンドラー&グリンダーがエリクソンの研究において『しょぼい認識論』を露わにしており、ここで使われているのが(ベイトソンが認識論の結果として考慮してきた)円環的因果関係ではなく、直線的因果関係だったことである。ベイトソンはバンドラー&グリンダーによるエリクソンの研究が力の妄想(セラピストがクライアントに命令する支配するというような考え方)に取り憑かれており、ここに陥っていると考えていたのだった・・・


 このあたりの指摘は非常に面白いところなのですが、中々深い話になってくるのですよねぇ。
 
 もっとも、グリンダーはこの指摘を受けて、後に New Code NLPを開発するわけですが、今度は自己啓発だと難しすぎるという課題に直面することになるわけですねぇ・・・・(笑)。

(参考)

 (つづく)
文献

[1]http://www.expandyourworld.net/i+i-nlp.php

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