2014年8月12日火曜日

コミュニケーションにおけるポジティブ・フィードバック・ループとネガティブ・フィードバック・ループ





  人間のコミュニケーションにおいて「ポジティブ・フィードバック」とか「ネガティブ・フィードバック」と言ったりすることがあります。

 で、通俗的な解釈は、相手を褒めることが「ポジティブ・フィードバック」、耳の痛いことを言うのが「ネガティブ・フィードバック」など・・・・・

 もちろん、別にこれで困っていないのであれば、笑って済ませれば良いのでしょうけれど、この解釈では働きかけをするシステムにまったく変化が起ることはないので、時間の無駄ということにもなってしまいます・・・・・(笑)

 で、MRIの家族療法などで言われているのは、こういったものとはまったく関係ない一般的なサイバネティックスを家族療法や人と人とのコミュニケーションに当てはめた、(情報がどのように行動に影響を与えるのか?という)発想となります。
 
 で、コミュニケーション→行動のプロセスを「ポジティブ・フィードバック(ループ)」で回すのか?「ネガティブ・フィードバック(ループ)」で回すのか?は大きな違いがあるので、このあたりは
 



ポジティブ・フィードバック・ループ vs ネガティブ・フィードバック・ループ

ネットに「Strategic & Systemic [1] というMRI派の短期療法、家族療法のドキュメントが落ちていたわけですが、これが非常に面白いです。

 家族をシステムと見て、そこにサイバネティックス的な考え方を持ち込んだのは人類学者のグレゴリー・ベイトソンですが、以下に1)サイバネティックス、2)ネガティブ・フィードバック・ループ、3)ポジティブ・フィードバック・ループの簡単な定義が書かれています。 (翻訳は適当)



MRI therapists are guided by the principles derived from cybernetics.


MRIの心理療法家は、サイバネティックスから派生した原則によって指導されている。


Cybernetics is the study of how information-processing systems are self-correcting, controlled by feedback loops . Feedback loops are the mechanisms or cycles of interactions through which information is returned to the systems and exerts an influence on it. There are both negative and positive feedback loops.


サイバネティックスは、情報処理システムがフィードバック・ループの制御によってどのように自己修正を行うのかについて研究である。フィードバック・ループは、どの情報がシステムに返され、そしてシステムに影響を与えるのかを通した機構あるいはサイクルのことである。これには、ネガティブ・フィードバック・ループとポジティブ・フィードバック・ループの両方がある。


Negative Feedback Loops are ways that families correct a deviation in family functioning so as to return it to a previous state of homeostasis.


ネガティブ・フィードバック・ループは、恒常性における前の段階に戻すために、家族は、家族の機能において偏差を修正するやり方である。(元の状態に戻ろうとする方向、あるいは元の状態を維持しようとする方向で修正をかける)


Positive Feedback Loops (Deviation Amplification) arise as a family attempts to add new information into the system. This can occur as a part of the growth process of increasing levels of complexity. Positive feedback loops are assumed to be responsible for the development of problems in families as they attempt solutions that worsen or maintain the problem . For example , if a child misbehaves, ie., deviates from the norm (the family problem ) because he is jealous of a new sibling and the father responds with harsh or punishing behavior (an attempted solution), it confirms the child's belief that he is loved less , and his behavior worsens (the deviation is amplified). MRI interventions would be aimed at changing the pattern of interaction so that the father could help the child calm his behavior and show him that he is not loved less.


ポジティブ・フィードバック・ループ(偏差の拡大)は、家族がシステムに新しい情報を追加しようと試みた時に起こります。これは、複雑性のレベルを引き上げる成長のプロセスの一部として起こりえます。ポジティブ・フィードバック・ループは家族が試みた解決策が問題を悪化させる、あるいは問題を継続させる時、家族の中で問題を発展させる責任があることを仮定しています。例えば、子供が駄々をこねるとき、偏差は(家族の問題の)基準を形作っています、この子のは兄弟に嫉妬しており、父親が駄々をこねる子供に対して叱ること(解決策)が、さらにこの子に愛されていないと感じさせ、さらに駄々ををこねるという具合に問題を悪化させます(偏差を拡大)。MRIの介入は、父親が子供を静かにさせようとする時、子供が愛されていないと感じるこのやりとりのパターンを変えることをねらっています。





 このあたりは会社でも言えることなのでしょうけれど、会社が経営危機にでもならないかぎりは、以前からやっているやり方を守ろうとする。→ 恒常性とネガティブ・フィードバック・ループ。

 そうしているうちににっちもさっちももいかなくなって、会社が経営危機になる。

 経営陣を入れ替え、会社が大改革をしようとする。この場合、経営者が現場がポジティブ・フィードバック・ループで、思考や行動を変えて、過去にとらわれない新しいやり方を試すような方向でやらないと結局過去のやり方から変わらないということになるわけです。もちろん、ポジティブ・フィードバック・ループで思考、行動することに成功するとやり方自体は変わっていくわけですけれども・・・・・・経営的にV字回復するのか?ということとはまた次元の違う問題です。でも、やり方をポジティブ・フィードバック・ループで回るようにしないと、何も変わらないということになっていくわけですねぇ。

 また、MRIの場合は、人と人との関係性が1)対称、2)相補、3)互換のどれでポジティブ・フィードバック・ループがエスカレーションしているのか?にも関わってきますからねぇ(笑)。


 そんなわけで、このあたりは結構、深い、深い話になってくるわけです・・・・・
 
 (つづく)
文献

[1]http://www.mftlicense.com/pdf/sg_chpt4.pdf

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