2015年10月30日金曜日

システム手帳を使わなくなった理由



 結局、自分が何をやりたいのか?をある程度意識して、日々の行動の中で<わらしべ長者>みたいに創発的に夢を膨らませて、<使える資源はなんでも使って>実現していくのに邪魔にならない道具が重要ではないかと・・・(笑)。


 昔は、システム手帳のかなりヘビーな愛好者。Filofax にリファイルをてんこ盛りに入れて持ち歩いていた。


 また、仕事がら電子機器もかなりのアーリーアダプター。会社のアワードでもらった HP 200 LX 、HP PDA などの情報機器をかなり使い込んでいた時期もある。


 それで、こういった時代を経て<現在>のところは、以下の感じに落ち着いている。


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  • <アナログ>100円くらいのメモ帳を<肌身離さず>持ち歩いている。
    • 思いついたアイディアはこのメモ帳
    • 形式はリスト、もしくは Mindmap
  • <デジタル>清書メモは Google Keep /画像などはプライベートな共有ディスク
    • アイディアメモ帳から清書
    • 画像や書類はスキャン
  • <デジタル>本格的な管理はEvernote で GTD (Getting Things Done)を組んでいる。[1]
    • 端末は、Android と Chromebook
    • 情報収集:Evernote にクリップ
    • 情報分類:Evernote でGTD
    • スケジュール管理: Google Calender →リマインドメール
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 で、理由は、


  • 情報システムがクラウド化されてどの端末でも同じ環境がすぐに使えること。
    • 昔のようにスケジュールをPIMで同期する必要がなくなったこと。
  • 情報機器の使い勝手が上がったこと。
    • 軽量化、電池が長時間持つ、操作性の向上、バックアップの簡易化
    • どこでもつながるネットワーク
  • 方法論の確立
    • GTD など


 もちろん、こういった方法論は、最終的に<自分のやりたいこと>を明確にし、それを実現するために、情報を収集したり、日々の行動をマネジメントしていく方向で活用していくことになると思います。


 余談ですが、このような道具のおかげか、年末を迎え、最近ではすっかりアナログのシステム手帳とマイクロソフト製品を使わなくなってしまったという生活に落ち着いています(笑)。

 もちろん、「システム」手帳を使わなくなったからシステム思考を諦めたわけではなく、デジタル機器を活用することでより精緻なシステム思考をしているようになっているわけでもあります(笑)。


文献


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。またの内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想、執筆、講演のご依頼はこちらまで tritune'`@''gmail.com




2015年10月29日木曜日

リーン生産方式とサイバネティクス



 無生物で物理的な問題解決にはTOCを、生き物の論理的な問題解決にはサイバネティクスをベースとした方法論を、それぞれ組み合わせるのもまた一興(笑)。



  なぜその仕事が上手くいったのか?

  普段は暗黙知として実行していることを形式知化しようとするとその人の教養の課題にぶつかります。

  つまり、それを<物語>として語り始めると、赤ちょうちんの下で語られる、再現性のない単なる<武勇伝>となってしまうわけです。

  しかし、人の思考や行動を形式知化するのは結構難しいことです。反対に<物語>として記述しないのであれば、どのような方法があるのでしょうか?

  一つは、TOC (Theory of Constraints)のように、日本の製造業の生産プロセスの卓越性に対して、主にニュートン系のモノの動きを観察し<物理学>の知見でもって、普段なんとなくやっている暗黙知的なところを形式知化するということが考えられるでしょう。

 しかし、TOCの場合は、人の思考や行動に焦点があたった場合に、ニュートン系なやり方を直接当てはめるにはなんとなく違和感がある。また、人や組織の認識の変化というところに使うにはちょっと抵抗がある、ということになるように想います。

  一方、リーン生産方式はどうなのか?

 こちらは同じ日本の製造業、特にトヨタ自動車の生産プロセスの卓越性に対して、MITのノーバート・ウィナーが体系化したサイバネティクス、この発展形である第二次サイバネティクスをマネジメントに応用し、マネジメント・コンサルタントである英国人のスタッフォード・ビーアの体系化した<マネジメント・サイバネティクス>で取り出しているのが<リーン生産方式>となっているわけです。[1]

 第二次サイバネティクスについては、心理療法家のミルトン・エリクソンの暗黙知的な技法を短期療法として形式知化する際に、人類学者のグレゴリー・ベイトソンらが持ち込んだ手法でもあり、実はリーン生産方式と人や組織の認識に変化をもたらす短期療法は方法論にはオーバーラップしているところが多い、と個人的には考えています。

 それで、会社で上手くいった人や組織の認識や振る舞いを形式知化する際に使うのがサイバネティクスといことになるわけですが、せっかくの成功事例を単なる赤ちょうちんの下で語る<武勇伝>にしないという意味でも、学んでみる価値はあるのだと思うわけです。

 もちろん、暗黙知的に実験的な試みをやっていって、小さな失敗を何度もやってその中から、将来、形式知化される成功の種を見つけることがこの前提とはなるのでしょうが・・・・


文献


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。またの内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想、執筆、講演のご依頼はこちらまで tritune'`@''gmail.com





2015年10月27日火曜日

プロジェクトの遅延と方法論が気になる今日このごろ




 コンテンツとしての<テクノロジー>も大事だけれど、製品やサービスを完成させるプロジェクトの<プロセス>も大事なんだろうなぁと・・・(笑)。


個人的に、プロジェクトマネジメントのコンサルティングを仕事の生業の一つとしています。


 それで、一般的には、プロジェクトの成功は、1)品質、スコープ 2)納期 3)コスト のクライテリアを厳守して集結させることをゴールとしています。


 このクライテリアで見ると、三菱のMRJ、やATD-X、あるいは米国JSF F-35のプロジェクトの遅延は、1)品質低下、スコープ縮小、3)コスト増招きプロジェクトを失敗させる要因ともなり得るために他人事ではないところがあります。


 もちろん、こういったことは企業や国家機密に関わることですから、その事情というのが外部に出ることはあまりないようにも思えます。


  • F-22開発プロジェクトを成功に導いた TOC-CCPM


 もっとも、米国も F-22 Raptor のプロジェクトになると話は別で、その技術的な軍事機密は依然ベールに包まれているものの、プロジェクトマネジメントに関しては、どのようなプロセスで機体自体の研究開発を行ったのか?についてp.400 弱の論文で報告されているところがあります。[1]


 このレポートを読んでいくと面白いのは F-22 の開発には、TOC CCPM (Critical Chain Project Management)が使用されていること。


 TOC CCPM は元々、「ザ・ゴール」でおなじみのエリアフ・ゴールドラット博士によって提唱された TOC (Theory of Constraints) をプロジェクトマネジメントに応用した方法論で、プロジェクト期間を短縮する目的で使用されます。元々、TOCはボーイング社の十八番で、2001年まで本社のあったシアトルの近くにあるワシントン州立大学ではTOCの講座が提供されており地域ぐるみで取り組んでいることが分かります。[2]


 この手法は、ITプロジェクトなどのプロジェクトで使用することが可能で、個人的にはERPの導入プロジェクトでこの方法論の導入支援を行い本来12ヶ月の予定を10ヶ月に短縮したことがあります。もちろん、それが有効に機能するための条件が整う必要はあります。


  • F-35開発プロジェクトを監査するために導入された EVMS


 また、度重なる遅延となっている F-35 のプロジェクトについては米国会計検査院の監査のために EVMS(Earned Value Management System: 工事進行基準)を導入し、進捗と投入資金を<見える化>している形式になっています。[3]


 もちろん、こちらは本来3機別の目的で作成すれば良かったものを1機にまとめてしまったことや、単発のためエンジン開発の難易度が上がっているなど、所々の事情で<金食い虫>プロジェクトになっているのはご存知の通りです。


 さて、こういうところを見ていくと、プロジェクト・マネジメントのような<プロセス>の公開については米国はかなり大らかだなぁという感想を持つとともに、ある意味、<プロセス>だけ公開してもそれをマネジメントするにはそれなりの人材と組織の成熟度が必要であり誰にも真似できるわけではないという自信の現れでもあるのでしょう。

 そのようなわけで、三菱航空機がどのようなプロジェクト・マネジメントの<プロセス>を使っているのかは現在のところ分からないのですが、プロジェクト完了の暁には是非公開していたいただきたいと思っています。



文献

[1]http://scholar.lib.vt.edu/theses/available/etd-05202005-143545/unrestricted/01casey-Phd-Dissertation-final.pdf
[2]http://public.wsu.edu/~engrmgmt/holt/WSU-TOC-Flyer-Web.htm
[3]http://www.gao.gov/assets/660/652948.pdf

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。またの内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想、執筆、講演のご依頼はこちらまで tritune'`@''gmail.com




2015年10月22日木曜日

ブリーフ・セラピーとポジティブ・フィードバック




 結局は、プロセスを(サイバネティクス的に)ポジティブフィードバックループできちんと回せるかどうかが認識や行動が変化する鍵なわけであって、ポジティブフィードバックを単に「褒める」とか行っている人たちじゃ、人や組織の認識や行動は100万年は変化しないでしょうねぇ(笑)。
 


コンサルティングやプロジェクト・マネジメントの分野でも人や組織の課題、もっと正確にいうと、人や組織の「認識( Epistemology)」や「振る舞い」に起因する課題を扱うのは結構骨の折れる仕事です。

 もちろん、人や組織といった<生き物>が絡むと<無生物>の機械を扱うようなわけにはいかず、必然的に<生き物>の認識や行動を扱う方法論が必要となってきます。

 それで、今日は、<生き物>を扱う方法論の一つと成り得るブリーフ・セラピーの原則について書いておきましょう。もっとも、ブリーフ・セラピーといっても各流派があるわけで、ここではMRI (Mental Resarch Institute)版とSFBT(Solution Focused Brief Therapy)版の両方について考えてみましょう。

  • 対象が無生物の場合は問題に焦点を当てる

 それで、まずは機械の故障のような無生物系に関する問題解決に関する原則から考えてみましょう。

 パソコンが壊れた、自転車が壊れた、プリンターが壊れた・・・といった場合にこの問題に取り組むプロセスは、一般的には以下のようになるでしょう。

1.壊れているところを見つける。
2.壊れている部分を修理・交換して直す。
3.元通りに動くことを確認する。
(再発防止のために、頻度が高い問題、インパクトが大きな問題については原因を究明して防止策を講じる)

 もちろん、ここで行間を読むと、1)うまく行っていない問題に焦点を当てる。2)問題の相互作用の度合いが少ない。3)現状回復がゴールで現状の枠組みを超えたブレイクスルーは期待されていない。プロセスは必然的にネガティブ・フィードバックで回されるという前提が見えてきます。

 また、こういった方法論を人や組織に適用しても上手くいかないというのは、なんとなく想像できるところでもあります。

  • 対象が人や組織の場合は(現状の枠組みを超えた)解決に焦点を当てる
 
 それで、人類学者のグレゴリー・ベイトソンや家族療法家のヴァージニア・サティアの在籍したことのあるカリフォルニア州パロアルトにある心理療法の研究機関であるMRIの前提と、シェザーらの流派であるミルウォーキー流のSFBTの前提を少し見てみましょう。[1]

 で、MRIはベイトソン言う<統合失調症的ダブルバインド>にはまっていてかなりどん詰まりな状態(ロゴ・セラピーのヴィクトル・フランクルの収容所のような世界)を想定しているように思えてきて、SFBTはそこまでひどくない状態を想定しているようにも思ってきます。

 もちろん、2つの違いは前提の<順番>の違いですが、案外これが深い哲学の違いのようにも思ってきます。
 
従来のブリーフセラピー(MRI)
ソリューション・フォーカスト・ブリーフセラピー(SFBT)
1. 壊れていなければ直すな
           ↓
2. 上手く行かなければ二度と繰り返すな、何か違うことをやれ
      ↓
3. 上手くいくことが分かったら、それをもっとやれ(ポジティブ・フィードバックで)
1. 壊れていなければ直すな
             ↓
2. 上手くいくことが分かったら、それを上手くやれ、もっとやれ(ポジティブ・フィードバックで)
     ↓
3.上手く行かなければ二度と繰り返すな、何か違うことをやれ

それで、この前提について考えてみると、心理療法家のミルトン・エリクソンの考え方や技法が反映されているように思うわけですが、

1)相手に壊れているとかダメというメタメッセージを送らない。2)現状上手く行っていることに焦点を当てる(それがなければ、現状の枠組みを超えるために何か突拍子のないことやって認識ー行動のパターンを変える)。3)問題は状況や人の相互作用で起きていると考える。4)創発的な変化による現状の枠組みを超えた認識や行動が最終的に期待される。

 もちろん、前提にあるようなプロセスをサイバネティクス的なポジティブ・フィードバックループで回し、対象となる人や組織の認識や行動の根本的変化を狙っているということになります。逆に言うと認識や行動の変化をポジティブフィードバックで回せるかどうかが鍵ということになってきます。

http://ori-japan.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html



文献



記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。またの内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想、執筆、講演のご依頼はこちらまで tritune'`@''gmail.com