2016年6月26日日曜日

短期戦略療法の系譜:ハインツ・フォン・フォルスター


                                                                                                                             
     サイバネティクスは不思議な学問だ。

 MITのジェームズ・ウォマックのようにトヨタ生産方式の暗黙知をサイバネティクスをくぐらせて形式知化する。結果、『リーン生産方式』ができる。[0]

 一方、心理療法の研究機関のMRIのように心理療法家のミルトン・エリクソンの暗黙知をサイバネティクスをくぐらせて形式知化する。結果『短期戦略療法、戦略的家族療法』ができる。

 結局、やっていることは同じということになるが、色々な方法論ができる(笑)。

 もちろんすべての暗黙知を形式知化することはできない。職人技は残る。

 しかし、人の認識や振る舞い、そして出現する世界との関わりを、生物と無生物のやりとりと記述すると少なくともわかりやすくはなる。

 
 <ひとりごと>



そうだ、サイバネティクスを学ぼう w

  家族療法、短期療法に大きな影響を及ぼしたサイバネティストのハインツ・フォン・フォルスターが米加州パロアルトのMRI(Mental Research Institute)に姿を表したの2002年のことだ。フォルスターはこの年の10月に亡くなったため、この映像が公に現れた最後の姿となった。[1]




 Youtubeにその時の映像が残っている。この中の質疑応答で、オートポイエーシス論の提唱者であるウンベルト・マトゥラーナとの関係は?と聞かれ、彼との出会いのことが語られている。

 余談だが、2002年あたりのパロアルトを含むシリコンバレーはITバブルが弾けてしまってお通夜状態になっていた時期だ(笑)。

 話を元に戻して、MRIでは心理療法家のミルトン・エリクソンらの研究が行われた。ここでエリクソンの暗黙知の説明原理としてサイバネティクスを持ち込んだのは人類学者のグレゴリー・ベイトソンだ。もちろん、サイバネティクスも進化する。だから現在では短期戦略や家族療法は第二次サイバネティクスやオートポイエーシスの説明原理で語られることになる。

 もちろん、ここでフォルスターは何をやっていたのだろうか?という疑問は残る。もちろん、「人の認識と振る舞いと出現する世界との関わり」ということになる[2]

 それで、Youtubeにこれを簡潔に説明したスチュワート・アンプレビー教授のレクチャーが公開されている。



これを参照すると、トヨタ生産方式から、企業のマネジメント(スタッフォード・ビーア)、心理療法家からジョージ・ソロスの投機の話までは一つの糸でつながってくる。結局、普段当たり前として捉えている現象を形式知として取り出すためにはサイバネティクスは非常に有効な方法だということが分かってくるし、サイバネティクスの視点で世の中の現象を観察することこそ、ベイトソンやフォルスターの視点に他ならないことに気づいてくる。

 余談だが、心理療法を形式知化する時にスピリチュアルやオカルトの気持ちの悪さを払拭するのにも、ブラック企業で強調される意味の無い精神論を払拭するのにもサイバネティクス非常に有効だといういうことだ(笑)。

 そのうち、営業プロセスを自動化するSFA (Sales Force Automation)なんかも、卓越した企業のプロセスをサイバネティクスを使ったモデリングで実装する企業も出てくるだろう。

(つづく)

文献
[0]http://ori-japan.blogspot.jp/2013/10/blog-post_6.html
[1]https://en.wikipedia.org/wiki/Heinz_von_Foerster
[2]http://pespmc1.vub.ac.be/Books/foerster-constructingreality.pdf

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