2016年11月10日木曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:エリクソニアン・アプローチ再考(その2)


                                                                                                                             
     社会科学的な理論って自然科学のそれと違ってあまり当てにならないなぁ(笑)。

 結局、一つひとつの現象を帰納的に観察することから始めなさいということなのだろうなぁ。


 <ひとりごと>



ひとり一人は唯一無二の個人である

  備忘録として書いておく。

マスプロか?カスタムメイドか?

  ネットにエリクソニアンのマイケル・ヤプコのドキュメントが落ちていた。タイトルは「What is Ericksonian Hypnosis?」[1]で比較表を含んでいる。さらに、これにちょっと追記して眺めてみた。

 最初の項目は、個別対応だ。これについて、エリクソン財団のサイトに以下の引用がある。[2]



項目
古典(権威的)
標準(学術研究)  
エリクソニアン(利用)
個別対応
催眠状態は日常の延長
自然主義的
セラピストのスタンス
権威主義的
権威主義的/許容的
権威主義的/許容的
指示に従わせる
力関係
セラピストが強い
セラピストが強い
対等
指向
コンテンツ
コンテンツ
コンテンツ/プロセス
催眠導入の成功率
一部
かかる人だけが対象
一部
かからない人も統計を取る
基本的に全員
※催眠の定義の変更
抵抗の源泉
自己のみ
自己のみ
対人/自己
(家族療法への応用可)
抵抗への対処
対立もしくは解釈
対立もしくは解釈
利用
(ユーティライゼーション)
催眠の深さを強調
正規の催眠感受性テスト
治療プロセスの構造
直線的
直線的
モザイク
セラピストの洞察の価値
症状の意図の見方
否定的
否定的
肯定的
症状の原因
自己
自己
対人/自己
(家族療法への応用可)
症状に対処/動態に対処
両方/いずれか
症状に対処
両方/いずれか
二次利得の認識
無意識の性質
否定的
(問題の原因)
否定的
(問題の原因)
中立
(問題の原因、解決の資源)
無意識の役割
受動的
受動的
能動的
暗示の有効性を強調
(経験の再構築をより強調)
介入で示唆される因果
直線的
直線的
円環的
パラドクス介入
利用アプローチはなし
計画されたパラドクス
利用アプローチに加えて
パラドクス介入
カウンターパラドクス介入

 結局、事実やコンテクストを充分観察しないままで理論を演繹的に当てはめるな、ということにつきる。時には理論を無視して帰納的に現実から、その時その場所その人にだけ使える何か理論めいたことを見いだせ、ということなのだろう。これは、ビジネス上でも何らかのフレームワークの適用の場合も同じだ。何らかのフレームワークを演繹的に当てはめようとする、しかし抵抗[3]にあって上手くいかない。どこにでもある話だ。

 そのためには、日本の製造業ではないが、現場に行って、現物を触って、現実を見るということにつきるだろう。相手が人間ならなおさらだ。十把一絡げで見るのではなく、世界で一人しかいないユニークな人間だとして観察してみることだろう。

 だから、エリクソンにならうならコーチングのタイプ分けのようなものはすぐに捨て去るべきだ。もちろん、何々大学卒だからとか、有名企業の何々に勤務しているとか、何々の分野で有名な人だからとか、美人だからとか、不細工だからとか・・・・・・・・そういった偏見は保留してまずは、どのような状況でどう振る舞うのか?を観察してみる必要がある。要はセラピストは何かと比べることなく物事を観察しろ、というだ。

 もちろん、観察といっても「目と目を見つめ合って」ジロジロ観察する、などいった野暮ったいことをしてはいけない。ここで書いたが、相手の振る舞い、状況を周辺視野をつかってマインドフルネスの心持ちで相手にペーシングしながら観察する必要がある。まずはここが出発点となる。

  
(つづく)

文献
[1]https://www.hypnosisalliance.com/articles/What%20Is%20Ericksonian%20Hypnosis%20-%20Michael%20Yapki%20-%20Bernie%20Zilbergeld%20-%20Gerald%20Edelstein%20-%20Daniel%20Araoz.pdf

[2]https://www.erickson-foundation.org/biography/
[3]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_14.html


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