2016年11月24日木曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:エリクソニアン・アプローチ再考(その16)


                                                                                                                             
 問題は、だいたい

 善意で、よかれと思ってやっていることから起きているから面倒なのだ(笑)。

 特に、人間関係の場合は・・・・・


 <ひとりごと>



小さな親切大きなお世話?

  備忘録として書いておく。

  ネットにエリクソニアンのマイケル・ヤプコのドキュメントが落ちていた。タイトルは「What is Ericksonian Hypnosis?」[1]で比較表を含んでいる。さらに、これにちょっと追記して眺めてみた。  

項目
古典(権威的)
標準(学術研究)    
エリクソニアン(利用)
個別対応
催眠状態は日常の延長
自然主義的
セラピストのスタンス
権威主義的
権威主義的/許容的
権威主義的/許容的
指示に従わせる
力関係
セラピストが強い
セラピストが強い
対等
指向
コンテンツ
コンテンツ
コンテンツ/プロセス
催眠導入の成功率
一部
かかる人だけが対象
一部
かからない人も統計を取る
基本的に全員
※催眠の定義の変更
抵抗の源泉
自己のみ
自己のみ
対人/自己
(家族療法への応用可)
抵抗への対処
対立もしくは解釈
対立もしくは解釈
利用
(ユーティライゼーション)
催眠の深さを強調
正規の非暗示性テスト
治療プロセスの構造
直線的
直線的
モザイク
セラピストの洞察の価値
症状の意図の見方
否定的
否定的
肯定的
症状の原因
自己
自己
対人/自己
(家族療法への応用可)
症状に対処/動態に対処
両方/いずれか
症状に対処
両方/いずれか
二次利得の認識
無意識の性質
否定的
(問題の原因)
否定的
(問題の原因)
中立
(問題の原因、解決の資源)
無意識の役割
受動的
受動的
能動的
暗示の有効性を強調
(経験の再構築をより強調)
介入で示唆される因果
直線的
直線的
円環的
パラドクス介入
利用アプローチはなし
計画されたパラドクス
利用アプローチに加えて
パラドクス介入
カウンターパラドクス介入

 15個めは、症状の意図の見方だ。エリクソンは、問題の症状は、何らかの肯定的意図があって起きているとした。例えば、自分の外にある問題としては人間関係、自分の中にある問題としては眠れないとか、食べ過ぎなどを考えるとわかりやすいだろう。

 これら、問題の症状は、善意、つまり「よかれと思って」やっていたり、考えていることから起きているという具合だ。あるいはこの症状自体になんらかのよい意図があるという具合だ。これは後の研究者によって明らかにされたことだ。

 「よかれと思って」やっていることだから、それを止めろと言っても抵抗[2]が大きくなるばかりだ。だからこういった問題にはシステム論的に対処する必要がある。

 ネットにエリクソニアンのスティーブン・ランクトンの奥さんのキャロル・ランクトンのエッセーが落ちていた。[3] もちろん、キャロル・ランクトンもエリクソニアンだ。これにエリクソニアン的な症状に対する対処が書かれていて面白い。
 
 要点をサマリーしておく。このエッセーの場合は睡眠障害の事例だ。この症状を変化させるには以下の3つのステップが必要だと書かれている。

  1. (症状の背景にある)肯定的意図を同定する
  2. (肯定的意図の)代案となる意図をつくりだす
  3. (肯定的意図の)代案となる意図を発展させる
 となる。もちろん、この後、信念を変えて、実際の行動に落とすというところまで行う必要がある。ただし、やはりポイントは現状の問題がよかれという思いやよかれとおもってやっている行動によって起きているということだ。

 逆の言い方をすると、それを変えるということでよかれと思ってやっていることが否定されてしまうことになる。だからそれは維持したままの代案を考えないと大抵の変化は抵抗ばかり多くてどうしようもないことになるというのがこのエッセーの趣旨でもある。

(つづく)

文献
[1]https://www.hypnosisalliance.com/articles/What%20Is%20Ericksonian%20Hypnosis%20-%20Michael%20Yapki%20-%20Bernie%20Zilbergeld%20-%20Gerald%20Edelstein%20-%20Daniel%20Araoz.pdf
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/11/blog-post_18.html
[3]http://www.sleepandhypnosis.org/ing/Pdf/b953f42f72b24a63b46b26c295c4fcb6.pdf

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