2016年12月23日金曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:お悩みの構図はパラドクス(その5)


                                                                                                                             
 ベイトソンはラッセルの型理論でこころの理論を構築した。

 もちろんエリクソンの技法を集合論に説明したに過ぎない。

 だが、オカルトチックな話をする必要はなくなったので案外ご利益は大きい(笑)。

 <ひとりごと>



自己参照のパラドクスは結局ダブル・バインドで解く

  備忘録として書いておく。

   この記事で「いい大人がなぜ悩むのか?」について書いた。答えは、そこにパラドクスがあるからだ、というのがここでの答えだった。また、ここでのパラドクスを正しそうに見える前提と、妥当に見える推論から、実際に行動し、受け入れがたい結論が得られる」と定義した。

《パラドクスの類型と一般解は?》

  さて、ネットに落ちていた「Dilemmas and Tensions and Binds, Oh My!」[1] を読むと面白い。この中に典型的なパラドクスが9つ記載されているからだ。

 ここで、パラドクスを解決する方法はあるのか?

 もちろん、ここではパラドクスの類型と一般解としての方向性を考えている。

《9つのパラドクスの類型》

 さて、パラドクスの類型について書かれた表を上からひとつづつ見ていくことにしたい。もちろん、これが漏れなくダブリなく網羅しているのかは分からないが、日常生活や仕事の場面のパラドクスはある程度カバーしているように思われる。で、ここでは当然、人の認識ー行動を扱う、第二次サイバネティクスのレベルでの話になる。[2]

パラドクスの
類型
パラドクスの
要素
説明
両極性
両極端
《帯に短し襷に長し》
両極性は特定の状況でパラドクスを生む。例:意識か無意識か、敵か味方か、生か死か、理想か現実か、認知か行動か、個人か集団か、計画か実行か、理論か実践か、現状維持か変化か、分散か集中か、既製かオーダーメイドか、自由か責任か、短期か長期か、論理か直観か、一般か個別か、など。
ダブルバインド
分断
どっちかをやっても罰を受ける、やらなくても罰を受ける。
ジレンマ
分断
二つの選択肢、あるいは立場の対立、緊張が意思決定を難しくしていること
自己参照
一連のループ
自己をその原因として参照する円環的因果関係。トートロジー
好循環、悪循環
一連のループ

自己成就予言
一連のループ

もつれ
ひっくり返す

予期せぬ結果
ひっくり返す

論理的パラドクス
ひっくり返す、一連のループ


 4つ目は自己参照のパラドクスということになる。このドキュメントでは自己参照は「堂々巡り」のパターンに分類されている。

 さて、有名なところでは自己参照は「ラッセルのパラドクス」[3]があげられる。バートランド・ラッセルとアルフレッド・ノース・ホワイトヘッドはこの問題を解決するために型理論(Theory of Types)をつくった。

 また、グレゴリー・ベイトソンはラッセルらの型理論をつかって、精神の理論(Theory of Mind)[4] をつくり、これに基づいて ダブル・バインドの仮説を構築した。だから、自己参照のパラドクスは案外重要だ。

 自己参照のパラドクスを解決するやり方はオンラインのスタンフォード哲学辞典の自己参照の項目が一番詳しい。[5]しかし、ミルトン・エリクソンに限っていうと、結局ダブル・バインドということになるので、ベイトソン的な統合失調症的ダブル・バインドにエリクソン的なダブル・バインドを合わせるという前々日の話に帰着することになる。

 もっとも、このあたりの話をすると、ベイトソン達はこころの問題を集合論なパラドクスに見立てたことになるが、ここで面白いのは精神論的な話に入らずに淡々とパラドクスを解決するようなプロセスの話と技法の話をすればよい、ということになったのは面白いところなのだろう(笑)。


(つづく)

文献
[1]http://www.gwiznlp.com/wp-content/uploads/2014/08/Dilemmas-Tensions-and-Binds-Oh-My.pdf
[2]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/12/blog-post_14.html
[3]https://ja.wikipedia.org/wiki/ラッセルのパラドクス
[4]http://www.narberthpa.com/Bale/lsbale_dop/gbtom_patp.pdf
[5]https://plato.stanford.edu/entries/self-reference/

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