2016年12月5日月曜日

ミルトン・エリクソンのアプローチとは?(その1)


                                                                                                                             
 要素を還元的に比較してもあまり意味がないことかもしれない。

 しかし、要素同士をメタファーとして比較してみると、

 その根底にある物語の違いは見えてくるようにも思うのだ。

 <ひとりごと>



3つ要素をメタファーとして比較する

 備忘録として書いておく。

 少し前に、エリクソニアンのマイケル・ヤプコの比較表を引いて心理療法家ミルトン・エリクソンのアプローチの特徴を書いた。

 今度は、同じエリクソニアンのスティーブン・ギリガンの「Therapeutic Trances」[1]からの比較表を眺めてみた。

 ミルトン・エリクソンは自分自身の技法を体系化しておらず、形式知も残していない、したがってこういった表は後の研究者や弟子筋にあたる人たちによってつくられたものであることは留意しておいたほうがよいだろう。

 また、ここでは、古典催眠、学術検証用の催眠、エリクソン催眠の3つを比較してあるが、それぞれ根底にある思想が異なるために本当は比較しても意味がないものであるようにも思える。しかし、それぞれをメタファーとして見て、その差異からシステム論的な違いを見つけるということでは意味があるのかもしれない。

 昔から、鼎談だとか、「三人寄れば文殊の知恵」とか言われているが、単純な二項対立に陥ることなく3つを比較して問題解決に活かすのは TOC (Theory of Constraints)の 3 Cloud 法[2]などでもお馴染みのことだ。

 「A difference that makes a difference.」でどんな差異が生み出されるのか?あるいはそれぞれにどのようなドミナント・ストーリーがあるのか?を想像しながら以下を眺めてみる。



権威的アプローチ
(古典催眠)
標準的アプローチ
(学術検証の催眠)
協力的アプローチ
(エリクソン催眠)
使用される状況
ナイトクラブ、
治療(麻酔がない時代の外科手術、歯科手術)

学術的かつ実験的研究
心理療法、治療(歯科などで恐怖心を低減)
目的
〈エンターテイメント〉
聴衆を楽しませる、誤解させる、驚かせる
〈学術研究〉
特定の現象を研究する
〈心理療法〉
認識や行動の変化を促す
焦点
催眠術師
被験者
セラピストと被験者の
協力的な関係
施術家のコミュニケーションのスタイル
直接的で威圧的な命令
標準化された変化の示唆(通常は許容的)
極度に柔軟、クライアントのパターンに適応的
被験者の一般的なタスク
異様で普通でないパフォーマンス
実験的な指示に従う
安全な状況の中で建設的な人間関係を構築する
催眠導入の長さ
短い
短い
多様、しかし通常は30分から60分の催眠導入
催眠にかからない場合の反応の解釈
被験者は抵抗するものだ
被験者は催眠感受性が低い
セラピストはクライアントの特定のパターンに順応する必要
施術家の興味の対象
被験者の振る舞い
被験者の振る舞い
被験者の内的経験と結果としての振る舞いの変化

(つづく)

文献
[1]https://books.google.co.jp/books?id=rNe8zXXAqDEC&pg=PA12#v=onepage&q&f=false
[2]https://www.amazon.co.jp/Theory-Constraints-Handbook-James-Cox/dp/0071665544

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