2017年1月17日火曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 17日目


                                                                                                                             
 ここで学ぶことは、個々人のニーズを汲み取ること、

 そして、内的世界と外的世界の循環について考えること。

 結構、サイバネティクスの枠組みで観察している(笑)。

 <ひとりごと>



実際にやってみて徹底的に観察するスタイルが読める

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、17日目の進捗などを書いておきたい。

   今日は、「Deep Hypnosis and Its induction」というタイトルで1952年に Experimental Hypnosis に投稿された論文。

 まず、Experimental から分かるように実験を行っていることになる。仮説ー検証の繰り返し。ここでは、催眠現象を対象にエリクソンが色々な実験を行った過程、あるいは一応の結果などが書かれている。もちろん、時代は 1952年と現在から60年以上前に発表されたものであり、その検証はそれ以前から行われてることになる。したがって、現在の理論や仮説とは異なるところもあるのだろう、という感じで読み進めたいところだ。

 《時代背景から》

 ミルトン・エリクソンは1942年に開催された初回の米国サイバネティクス学会に顔を出している。[2] つまり、エリクソンは催眠現象をフロイト流の深層心理のようなことではなく、内的世界(意識ー無意識)外的世界(対人関係、状況)などの相互作用で決まる、また催眠現象は人それぞれ、また状況によって異なるとサイバネティクスな知見を使って考えていた節がある。だから、エリクソンはクライアントの心の中を忖度したり解釈したりしない、外的な振る舞いを観察し、知覚に還元した心の中の経験、そしてこれらの相互作用を徹底的に関するするような形式になる。

 この会議には人類学者のマーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンが参加しているが、このあたりから交流が始まるとともにミルトン・エリクソンが自身の研究にサイバネティクス的な知見を持ち込むようになったとも考えられる。何れにしても第二次大戦最中の出来事である。それから10年ほど経って掲載されたのがこの論文ということになる。

  《催眠現象は個々人で異なる》

 エリクソンは催眠現象は個々人でも状況でも異なるとしている。ここで深い催眠でも軽い催眠でも一定に維持する難しさを提起している。

 薬は個々人の症状をみて処方されなければならない、というメタファーで説明されているが、催眠も個々人の状況にあわせて処方されなければならないとしている。

《実物ではなくイメージを使う》

 また、面白いのはメトロノーム(実物)の音や動き、あるいは水晶球(実物)を使って催眠誘導する方法について述べている。が、エリクソンはこういったデバイスを使用して催眠導入することには否定的である。それは、外的なデバイスに過度に注意が固定されてしまうためだ。逆にエリクソンは被験者の外的な振る舞いと心の中に思い描くイメージなどを上手に発展させることによって催眠誘導を行うべきだと考えている。つまり、仮にメトロノームや水晶球を使うにしても心の中に思い描いたそれを使ったほうがよいと考えている。イメージで思い描いた水晶球中に自分の姿を投影することは自身を客観視することにつながり、主観的な経験と客観的な経験をイメージの中で比較することにつながると書かれている。

《時間に対する考慮》

 同じ被験者でも視覚による幻覚は簡単に開発できても、聴覚による幻聴は時間がかかることがある。一概に2から5分あるいは瞬時に催眠誘導ができるなとということはない。また、容易かつ瞬時に催眠誘導が出来たからといってトランス状態を上手に維持できているとは限らない、と述べている。

《個々人のニーズと時間的要素の重要性》

 個々人のニーズの把握をぜず、トランスを開発する個々人の時間的要素を考慮せずに画一的なやり方を行うことから多くの矛盾が発生している、としている。一般的には被験者が4時間から8時間ほどの訓練を受ければトランス状態を開発するのに十分だとしている。

・・・・・・

《最後の結論にスコープが書かれている》

 エリクソンは神経症からくるなんらかの症状に対して催眠が有効ではないか?と過程して様々な実験を進めているがこれがエリクソンの研究のスコープになっている。



1月17日の進捗、136ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 5.1%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Deep Hypnosis and Its Induction
Milton H. EricksonReprinted with permission from Experimental Hypnosis, Leslie M. LeCron (editor). New York, Macmillan, 1952, pp. 70-114. Copyright 1952 by Leslie M. LeCron.



(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]http://www.asc-cybernetics.org/foundations/history2.htm

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