2017年1月25日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 25日目


                                                                                                                             
     エリクソンの研究が飛躍的に進んだのはサイバネティクスを補助線にしたから。

 <ひとりごと>



トランス誘導はコミュケーションの形態のひとつ

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、25日目の進捗などを書いておきたい。

  今回は、「Transcript of Trance Induction with Commentary」という内容。要は、ミルトン・エリクソンがスーという女性に行った催眠誘導の内容を後日ジェイ・ヘイリー[2]とジョン・ウィークランド[3]とミルトン・エリクソンに解説を求めるというもの。この誘導も解説も録音されている。

   さて、この前に少し時系列的なマイルストーンを整理しておきたい。


1941年    メーシー会議がはじめて開催される(1960年代まで続く)[4]
1942年5月 米国サイバネティクス学会にてエリクソンが講演を行う
1945年8月 第二次大戦、ポツダム宣言受け入れ
1950年    朝鮮戦争勃発
1956年     ベイトソン、ダブルバインド仮説「Toward the theory of schizophrenia」
                        ●当該論文の実験が実施される、後日解説を録音
1957年        The American Society of Clinical Hypnosis 設立
1959年           カリフォルニア州パロアルトにMRI (Mental Research Institute)が設立
                        ●当該論文がThe American Journal of Clinical Hypnosis へ掲載

 
   まず、個人的に気になるのは、この実証実験に誰がお金を出しているか?

 お財布はメーシー財団が持っていて、スタンフォード大が運営事務局、実際に検証の主体はパロアルトの退役軍人病院となっている。MRIが設立されるのが1959年となるので、それ以降はMRIに引き継がれる形式になる。

 また、誰がかかわったのか?

 エリクソン、ヘイリー、ウィークランドの3人。エリクソンは医学博士、精神科医だが、ヘイリーは学士で演劇、修士で司書学とコミュケーションを治めたある意味心理療法家としては素人の状態でこの検証に参加。ウィークランドは後にスティーブ・ド・シェーザ−と交流しソリューション・フォーカスト・アプローチの成立に影響を与えることになるが元々の専攻は人類学である意味ウィークランドも心理療法家としては素人だ。もちろん、米国なので心理学と言えばまずはウィリアム・ジェームズの影響が大きいのだろうが、全世界的に見ると、フロイトだのユングだのという時代なのだろうから、ある意味そういった先入観なしに研究を始めたというのが一つのポイントであるとも言えるのだろう。

 また、ヘイリーとウィークランドは共にベイトソン・グループのメンバーであり、この時の研究の道具立ては「第二次サイバネティクス」を使ってコミュケーションを観察する格好になっている。繰り返しになるが、精神分析のようなことをやっていないことが一つのポイントということになるのだろう。

    やっていることは、腕浮遊のトランス誘導で、言語的に難しいことは一切やっていないので非常に単純だ。ただ、ここにサイバネティクスを補助線として当て、トランス誘導をコミュケーションの形態の一つとして研究を始めたことがまずは大きな一歩であったのは間違いないのだろう。


1月25日の進捗、200 ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 7.6%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Transcript of a Trance Induction With Commentary
Milton H. Erickson, Jay Haley, and John H. Weakland Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1959, 2, 49-84.




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Haley
[3]https://en.wikipedia.org/wiki/John_Weakland
[4]https://en.wikipedia.org/wiki/Macy_conferences

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