2017年1月27日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 27日目


                                                                                                                             
 ミイラ取りがミイラになってはいけない(笑)。

 メタの視点で観察せよ。

 <ひとりごと>



観察者の視点と二重(多重)記述は大事だなぁ

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、27日目の進捗などを書いておきたい。

  今回は、「Transcript of Trance Induction with Commentary」という内容。要は、ミルトン・エリクソンがスーという女性に行った催眠誘導の内容を後日ジェイ・ヘイリー[2]とジョン・ウィークランド[3]とミルトン・エリクソンに解説を求めるというもの。この誘導も解説も録音されている。

   で、昨日のつづき。

 ひたすらトランス誘導のトランスクリプトを読む。人類学者の視点で読む(笑)。

   で、わかるのはここでも書いたが、エリクソンは30分から1時間をかけて、ゆっくり、ゆっくりペーシング&リーディンでトランス誘導していること。

 さて、ここで、なぜヘイリーとウィークランドがこの誘導のディスカッション相手なのか?を考えてみる。ヘイリーは学士はUCLAで演劇を専攻、その後役者を目指すが断念、その後UCバークレーで司書学の学士、スタンフォードでコミュケーション学の修士号を取得というある意味心理療法にはあまり関係ないことを学んでいる変わり種。[4] 

 一方、ウィークランドはと言えば、コーネル大学の化学工学の学士を飛び級で取得するほどの秀才、デュポンに就職するがベイトソンに出会って、コロンビア大学に戻り人類学を研究、後にスタンフォード・メディカル・スクールで行動科学を教えることになるが、これまた心理療法とはあまり関係ないことを学んでいる変わり種ということになる。

 で、すでにベイトソンの配下にはあったわけだけれど、ベイトソンは敢えて、心理学や従来の心理療法の色がついていない人間にエリクソンを会わせて、従来の経験に囚われないやり方で二重記述したかったのではないか?と個人的には推測している。日本語だと「三人寄れば文殊の知恵」的な感じになるだろう。少なくとも考えは深まる。

 もちろん、事実はきちんと観察しなければならない、しかし、催眠、催眠みたいなつまらない現象で盛り上がって「ミイラ取りがミイラになる」というのではまずいのだろう。

 その意味、ベイトソンたちMRIの人たちはこういった現象を観察するために、ワンウェイ・マジックミラーを使いメタの視点から記述することを重視していたようなところがあるところに符号している。[5]

   また、エリクソン自身が心理療法には人類学を、人類学者には心理療法をそれぞれ学ぶように勧めていた話は書いた。[6]  もちろん、これは海の物とも山の物ともつかない現象なり事物を記述するには役に立つだろう。要は「幽霊は居るのか?」を学問の対象にするのは難しいけれど、「幽霊を信じていたその時代の人たちの生活にどのような影響を与えていたのか?」は学問の対象となるという具合だ。もちろん、ここでは「催眠はあるのか?」というより「催眠現象がその人のコミュケーションにどのような影響を与えるのか?」のような観点から観察されることになる。

 何れにしても、たかだがトランス誘導のトランスクリプトを読んでいるだけだけれど、周辺のことを色々考えると、仕事でも日常生活でも現象をメタの視点で眺めてみることの重要さは分かってくる。
 

1月27日の進捗、216 ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 8.2%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Transcript of a Trance Induction With Commentary
Milton H. Erickson, Jay Haley, and John H. Weakland Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1959, 2, 49-84.




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Haley
[3]https://en.wikipedia.org/wiki/John_Weakland
[4]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/07/blog-post_31.html
[5]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/blog-post_11.html
[6]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/blog-post_8.html

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com
https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679

――

0 件のコメント:

コメントを投稿