2017年1月28日土曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 28日目


                                                                                                                             
 一回目は、被験者の視点で、
 二回目は、エリクソンの視点で、
 三回目は、メタの視点で読む。

 一つのトランスクリプトは何回読んでもおいしい(笑)。

 <ひとりごと>



多重の視点から観察してみる

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、28日目の進捗などを書いておきたい。

  今回は、「Transcript of Trance Induction with Commentary」という内容。要は、ミルトン・エリクソンがスーという女性に行った催眠誘導の内容を後日ジェイ・ヘイリー[2]とジョン・ウィークランド[3]とミルトン・エリクソンに解説を求めるというもの。この誘導も解説も録音されている。

   で、昨日のつづき。で、ちょっと気づいたことをメモしておく。もう一回この論文の最初から今日の分まで何回か読んでみた。で、以下。

《スケーリング・クエスチョンの原型》
 
  トランス誘導の途中で1から20までを順に、あるいは逆から、あるいは途中のいくつかをとばしてカウントしているところがある。ただ、よく読むと、単に数字を数えているというだけではなく、数字を心身状態の(デジタルな)インデックスとしてマッピングしていることに気づく。例えば、1は覚醒状態で、20は一番深いトランス状態といった感じ。スケーリング・クエスチョンの理屈については、このあたりで書いた。

《学習というキーワード》

 エリクソンの発した意味を持った言葉というのはこのあたりで書いたが、トランス誘導の途中で学習(learning)というのが頻繁に登場する。

《眠るという言葉のユーティライゼーション》

 そもそも、コンテンポラリーな催眠の理論では睡眠と催眠は違う概念ということになっているのはギリガンかザイクの著作で読んだ記憶がある。それで、その違いは明らかなのだがエリクソンは敢えて眠る(Sleeping)という言葉をユーティライゼーションとして使ってトランス誘導を行っている。

《様相演算子の使用》

 このあたりは、このへんで書いたけれど、エリクソンの言語パターンとして様相演算子が使われている。

《エリクソンは戦略的》

 戦略とは何か?についてはこのへんで書いたけれど、エリクソンはやはり今どうで、将来どうなりたいのか?を示唆するような感じでセッションを進めているのが分かる。

《状況に応じて声のトーンを変える》

 これはペーシング&リーディングの一貫でもあるのだろうが、エリクソンは状況に応じて声のトーンを変えている。

《付加疑問文を使う》

これは、抵抗を押さえたり、物事の両面に焦点を当てる意味があるのだろうが、言語パターンとして付加疑問文を使っている。これは、このあたりで書いた

《ダブルバインドに言及》

誘導部分でウィークランドがダブルバインドの言語パターンを指摘。エリクソンもこれに同意している。つまり、エリクソンもベイトソンのダブルバインドの論文には目を通している。たしか、この後のほうに統合失調症的ダブルバインドと治療的ダブルバインドについて書いた論文があったはず。これはこのあたりで書いた

《埋め込み命令を使用》

 誘導部分で埋め込み命令を使用。これは、このあたりで書いた

《後催眠暗示を確かめる質問》

 覚醒後、後催眠暗示を確かめる質問をしている。

読むと、何かしらアイディアが出てきて止まらなくなるので今日はこのへんまで(笑)。

1月28日の進捗、224 ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 8.5%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Transcript of a Trance Induction With Commentary
Milton H. Erickson, Jay Haley, and John H. Weakland Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1959, 2, 49-84.




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Haley
[3]https://en.wikipedia.org/wiki/John_Weakland


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