2017年1月29日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 29日目


                                                                                                                             
    ニコラ・テスラとミルトン・エリクソンを比較して読んで見る(笑)。

 <ひとりごと>



人類学者の視点の重要性

  備忘録として書いておく。


 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1]を読んでいる。読み方のルールはここ。それで、29日目の進捗などを書いておきたい。

  今回は、「Transcript of Trance Induction with Commentary」という内容。要は、ミルトン・エリクソンがスーという女性に行った催眠誘導の内容を後日ジェイ・ヘイリー[2]とジョン・ウィークランド[3]とミルトン・エリクソンに解説を求めるというもの。この誘導も解説も録音されている。

   で、昨日のつづき。

寄り道は楽しい》

 さて、1日に読むペースを抑えるという意味で、ゆっくりと読んでいる。このよいところは、途中寄り道できることだろう。より道として、ニコラ・テスラの自著を読んでみた。[4] 「テスラ」は、現在、イーロン・マスク率いる電気自動車+自動運転の自動車メーカーとしてのほうが有名だ。が、この自動車メーカーの名前がニコラ・テスラから採られているのは周知の事実だ。要は、破壊的発明を指向する現代の起業家にとっても憧れの名前だということだろう。

《エリクソンとテスラの共通点》

 エリクソンとの共通点は、何か新しい気づきがあると体中に電気が走るようなところだ。例えば、エリクソンは数字の3とアルファベットの m の違いが分かった時、突然体中に電気が走ったようになった。また、テスラは発明のインスピレーションがやってくると同じように電気の走ったような状態になる。その意味では経験やアイディアの蓄積がある一定以上に達すると自然に無意識からのメッセージが届くようなところが見受けられる。

《エリクソンとの相違点》

 エリクソンとの相違点は、テスラは人間機械論を採っていたことだろう。要は人間は精密にできた単なる機械である、と考えていたことだ。もちろん、エリクソンは機械だとも言っていないし、生命を持った生き物だとも言っていない。しかし、ベイトソン達が第二次サイバネティクス[5][6]を当ててエリクソンの技法を観察したことを考えると、①クライアント個々人は生き物だ、②セラピストも生き物だ、③クライアントとセラピストの関係も生き物だ、④クライアントの人間関係も生き物だ、と考えていた節があるのは大きな違いだ。要は、システム論としてはオートポイエーシスで形式知化する必要があるという具合。

 また、エリクソンの場合は「海の物とも山の物ともつかない」催眠現象を観察する時に、ベイトソンが人類学的なやり方で観察するという方法を持ち込んだことだろう。だから、怪しい方向に流れずに単なる人類学的なやり方でエリクソンの技法あるいはクライアントの経験を記述することが出来たということになる。

《トランスクリプトも人類学的な手法で観察》

 それで、トランス誘導したエリクソンとクライアントの録音を後日、エリクソン、ヘイリー、ウィークランドの3人で色々議論している格好になっているのだが、3人とも人類学的な観察の手法を理解しているためか、全然怪しくない方法で淡々と進んでいくというのが面白いところだろう。その意味、エリクソンを理解するには人類学者の視点は重用だとことになる。[7] ある意味、不思議なことで盛り上がらずに淡々と進んでいく、エリクソン、ヘイリー、ウィークランドの議論をこれまた淡々と読んでいる自分がいるのもまた興味深いところであるのだろう(笑)。
 

1月29日の進捗、232 ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 8.8%) 

Volume 1  : The Nature of Hypnosis and Suggestion

Transcript of a Trance Induction With Commentary
Milton H. Erickson, Jay Haley, and John H. Weakland Reprinted with permission from The American Journal of Clinical Hypnosis, October, 1959, 2, 49-84.




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html
[2]https://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Haley
[3]https://en.wikipedia.org/wiki/John_Weakland
[4]https://www.amazon.co.jp/dp/4880862975/
[5]http://ori-japan.blogspot.jp/2012/06/blog-post_27.html
[6]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html
[7]http://ori-japan.blogspot.jp/2016/08/blog-post_8.html

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