2017年5月5日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 125日目


                                                                                                                            
 自由連想のようでもあり、自由連想のようでもなし、

 自由意志のようでもあり、自由意志のようでもなし・・・・・

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 125日目について書いておきたい。

自動描画による強迫性うつの治療

 「The Use of Automatic Drawing in the Interpretation and Relief of a State of Acute Obsessional Depression(1938)」から。著者はミルトン・エリクソン。

 被験者は24歳の女性。子供の頃は一人っ子で両親からお姫様のように育てられる。ここのところ精神分析に興味がある。ただし、ここ数ヶ月、突然、強迫性のうつ病のような様相を呈してやる気にならない。他の女友だちとも疎遠に疎遠になっている。この女性はエリクソンの催眠のクラスにも参加、とだいたいプロットはこんな感じ。

 それで、エリクソンは、催眠と間接暗示による「自動描画」で絵を書いてもらうことにする。要は、精神分析の自由連想というよりも、書かれた絵を通して被験者の無意識からメタファーを引っ張り出している感じになっている。

 このあたりの解説はヘイリーの著作にあった気がしたので、探してみることにする。


・・・・・・・・・

 

随考

 この事例は、強迫性のうつ病の治療に対して「自動描画」が使われた事例だ。ただし、エリクソンも言っているように適応事例が少なく、これを一般化して考えることは危険だ。

 さて、「自動描画」が何か役に立つことはあるのだろう?と即物的なことを考えてみる。

 これについて、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のブログに「Tapping the Subconscious: The Hypnotic Art of Matt Mullican」という記事が見つかる。

 要は、画家が自己催眠でトランス状態になり「自動描画」で作品をつくっている、という試みについての記事だ。描画が即興的で、これ自体がパフォーマンスとなっている。当然表現の手段としてこういった方法があるのは興味深いところだ。

 ニューヨーク近代美術館は随分かっとんだ作品まである。例えば、キャンパスに釘が1本だけ打たれているような作品とか。キャンパスの半分を黒く塗っただけの作品とか・・・・・もっとも個人的にはこの美術館でトイレに行こうと思って、うっかりドアを開け入ったら、反対側からは開けられないドアで、従業員用の通路に迷いこんで20分くらい、出口が分からずに裏路地で迷子になったことがある。幸い、ウロウロしたら部屋に出て、打ち合わせをしていた学芸員たちに事情を話して観賞用の通路に出してもらった。ある意味、泥棒と間違えられないかヒヤヒヤだった(笑)。

 さて、現代美術は作品と鑑賞者の相互作用として成立するものだ、それがいかに人を食ったような馬鹿げた作品であっても、「メタファー」や「シンボル」としての作品が鑑賞者の中でなんらかの「意味」を生み出すなら、それはそれであり、ということなのだろう。

 もちろん、「自動描画」の作家は、これ以外に自分の描画活動としてパフォーマンス自体も「メタファー」や「シンボル」として鑑賞者に伝えているところがあるわけで、この冗長なところもまた面白いところなのだろう。


5月5日の進捗、990ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 37.4%)

Volume III
HYPNOTIC   INVESTIGATION OF   PSYCHODYNAMIC PROCESSES

The Use of Automatic Drawing in the Interpretation and Relief of a State of Acute Obsessional Depression
Milton H. Erickson and Lawrence S. Kubie Reprinted with permission from The Psychoanalytic Quarterly, October, 1938, Vol. VII, No.4.




(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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