2017年7月31日月曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 212日目


                                                                                                                            
 
  ダブル・バインドは、

  常識の枠組みを超えた選択をしないと解消されないなぁ。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 212日目について書いておきたい。 
 
催眠の現実

 「Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion(1976)」著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ+シーラ・ロッシ。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotic Realities : 催眠の現実」だ。個人的には英語で何度か読んでいる。また、書店でぱらぱらとしか確認していないが邦訳が出ている。

 そのため、ここの部分の読み方についてはルール変更して興味深いと思ったメモだけ記載しておくことにしたい。

・・・・・・・・・・・
 今日は以下の内容。治療的ダブル・バインド

THERAPEUTIC BINDS AND DOUBLE BINDS 
I. The Bind and Double Bind Question 
2. The Time Bind and Double Bind 
3. The Conscious-Unconscious Double Bind 
4. The Double-Dissociation Double Bind 
5. A General Hypothesis About Evoking Hypnotic Phenomena 
6. The Reverse Set Double Bind
7. The Non Sequitur Double Bind 

 
随考

 ―― エリクソンの禅問答――
   
    個人的に最初にダブル・バインドについての知識を得たのはベイトソンの「精神の生態学」を読んだ時のことだ。この中に「Toward the theory of schizophrenia」の邦訳が掲載されていた。ベイトソンは、統合失調症の原因仮説としてこのダブル・バインドを理論化した。ただ、現在は必ずしもこれだけが原因ではないという意味では随分怪しくなっている。
 
 それで、このもとになっているのは、ミルトン・エリクソンの治療的ダブル・バインドということになる。エリクソンがクライアントの心理療法に使っていた技法としてのダブル・バインドだ。

   この2種類のダブル・バインド、つまりベイトソンの統合失調症的ダブル・バインドとエリクソンの治療的ダブル・バインドについてここで書いた。療法に共通するのは、常識の枠組みを超えて何かしないと、ダブル・バインドが解消されないことだ。ベイトソンの統合失調症的ダブル・バインドは、AをとってもBをとっても罰せられる、ただし、そこから逃げることはできない。エリクソンのダブル・バインドは、AをとってもBをとってもよい結果になる、ただし常識の枠組みを超えないとどちらもとれないとなる。ベイトソンやヘイリーらは、ここに禅との共通点を見たところがある。

 それで、今日書かれているのエリクソンが用いた具体的な言語パターンとしての治療的ダブル・バインドということになる。最初にこれを読んだ時はまったく理解できなかったが、今はこれを使う理由が分かってきた自分が居る。

 もちろん、この発想と技法は日常や仕事の場面でも使うことができる。つまり、二項対立にハマっている人間関係や一般的な問題解決など、今の枠組みを超えた新しい枠組みに基づく解決策を考えたり、実行したりする場合に有効になる。
   

7月31日の進捗、1672ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 63.1%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY


Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion by Milton H. Erickson, Ernest L. Rossi & Sheila I. Rossi With a Foreword by Andre M. Weitzenhoffer



お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


――

2017年7月30日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 211日目


                                                                                                                            
 
  Yes Set は、

  本当は、No Set と Reverse Set の3点セットでやらないとなぁ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 211日目について書いておきたい。 
 
催眠の現実

 「Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion(1976)」著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ+シーラ・ロッシ。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotic Realities : 催眠の現実」だ。個人的には英語で何度か読んでいる。また、書店でぱらぱらとしか確認していないが邦訳が出ている。

 そのため、ここの部分の読み方についてはルール変更して興味深いと思ったメモだけ記載しておくことにしたい。

・・・・・・・・・・・
 今日は以下の内容。

・Subjective Experience of Trance: First Step to Visual Hallucinations 
・Reinforcing the First Stages of Visual Hallucinations 
・Trance Characteristics
・Movements and Identity 
・Spontaneous Finger Signaling
・Open-Ended Suggestions: Unconscious Selection of Hypnotic Experience
・THE "YES SET" 
・Exercises with the "Yes Set" 
・PSYCHOLOGICAL IMPLICATION 
・Exercises in Psychological Implication 
・THERAPEUTIC BINDS AND DOUBLE BINDS 
  I. The Bind and Double Bind Question 
 
随考

 ―― たまには基本中の基本を――

   本文を読んだ後で、 論文のインデクスを眺めてみる。トランスの主観的な経験から始まって、治療的ダブル・バインドが今日の範囲だ。その意味では、今日も盛りだくさんだ。
 
 さて、エリクソンの著作を読む時、個人的に意識しているのは、「事実」なのか「意見」/「推論」なのかの区別をつけて読むことだ。

 例えば、今日は Yes Set が出て来る。 Yes Set を簡単にいうと「自明の理」の質問をして相手に何度か Yes と答えてもらい、心理セッションの冒頭にクライアントとペーシングする技術だ。ここでは、自明の理だから必ず「事実」について尋ねることになる。例えば以下だ、

・今日は火曜日でしたっけ?
・今は午前10時ですか?
・あなたは、◯◯にお住いでしたね?

 逆に言うと、この段階で、相手の「意見」や「主観」について尋ねるのは、好ましくない、ということだ。

・サッカーは好きでしたっけ?
・ラーメン愛好家でしたっけ?
・ここまで大変でしたねぇ?

 相手の反応として「事実」に対する Yes と「意見」に対する Yes はやはりモードが違う。敢えていうと、前者はベタな Yes で、後者はメタな Yes となるだろう。

 それで、 Yes Set を何回か行った後で、相手をリーディンすすることになる。日常や仕事の場面では、ここで「意見」あるいは「主張」を述べると通りやすいということになる。もちろん、これも社会科学的なことなので絶対というわけではない。例えば以下だ、

・これから、お昼をいっしょに食べにいきませんか?
・この商品のカタログをおとどけしたいと思いますがいかがでしょうか?
・その他

 もちろん、エリクソンはこの Yes Set をトランス誘導の前振りに使ったということだ。

・あなたは椅子に座っていますね?(ペーシング)
・あなたは壁のシミに焦点を当てていますね?(ペーシング)
・あなたは、深くゆっくり呼吸をしていますね?(ペーシング)
・あなたは、どんどんリラックスしていくのがわかります。(リーディング)

 もちろん、こういった技法は日常や仕事でも使える。相手と何か議論をするような場合でも、Yes Set を「事実」の合意に使って、そこからはじめたほうがよいという具合だ。 
   

7月30日の進捗、1664ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 62.8%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY


Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion by Milton H. Erickson, Ernest L. Rossi & Sheila I. Rossi With a Foreword by Andre M. Weitzenhoffer



お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
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詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2017年7月29日土曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 210日目


                                                                                                                            
 
  曖昧といっても、音韻論的、統語論的、意味論的、句読的・・、にどうなのか?

  というのはあれど、

  かなり文脈によって決まるところはあるなぁ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 210日目について書いておきたい。 
 
催眠の現実

 「Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion(1976)」著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ+シーラ・ロッシ。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotic Realities : 催眠の現実」だ。個人的には英語で何度か読んでいる。また、書店でぱらぱらとしか確認していないが邦訳が出ている。

 そのため、ここの部分の読み方についてはルール変更して興味深いと思ったメモだけ記載しておくことにしたい。

・・・・・・・・・・・
 今日は以下の内容。

・Amnesia and Dissociation: Losing Abilities 
・Conscious and Unconscious
・Facilitating Latent Potentials by Implication 
・Evoking Early Experience 
・Ratifying Age Regression
・Facilitating Abilities via Dissociation
・Implication Even in Direct Suggestion
・Hallucination Training
・Trance as Common Experience 
・Awakening as a Creative Option
・The Double Dissociation Double Bind: Dissociation Training 
・Possibilities of Posthypnotic Suggestion 
・Exploring Identity Formation 
・Positive Motivation and Reward in Trance: Facilitating the Growth of Identit
・Spontaneous Awakening in a Give-and-Take Relationship 
・Making Trance Safe: Separating Conscious from Unconscious 
・Structuring Frames of Reference for Clinical Inquiry 
・Distraction to Maintain Separation Between Trance and Waking Patterns
・Making Trance Safe 
 
随考

 ―― 微妙なニュアンスを読む ――

 エリクソンとロッシの対話を読んでいると、ほのかな感じが面白い。文脈によってどうにでも取れる許容的なニュアンスのバリエーションを密かに楽しむ感じだ。平易な英単語でこれだけ細かいニュアンスを表現は英語でも日本語でも個人的にも参考にしたいところだ。

 さて、この対話の状況はおそらくこうだ。
 
 エリクソンとロッシがオープンリールのカセットデッキで心理セッションの録音を後日再生している。スピーカーから、エリクソンの抽象的な催眠言語パターンが流れてくる。
そして、テープを止めて、てロッシが質問し、エリクソンの解説が続く、再びテープを聞く、テープを止めて・・・の形式が繰り返される―――おそらくこの対話も録音されて、後にテープ起こしがされている ―――とこんな感じだ。

 セッション中、エリクソンは、あまり瑣末なことは話さない。抽象的で曖昧な感じだ。それだけに、それを聞いているクライアントは、頭の中で想像力をたくましくされるところがある。もちろん、言葉は実態ではないので抽象的だし、曖昧といっても、統語論的(文法)、音韻論的、意味論的、句読的・・・などがあるので本当のところエリクソンのテープを聞かないと分からないところがある。

 それで、クライアントから、ある種の心身状態、アイディア、そして記憶などを引き出す支援をする場合、支援者は、あまり喋りすぎないというのもポイントなのだろう。あくまでも相手の自律性にしたがって抽象的で曖昧な言語パターンを投げ込み、反応を待つ感じで、心身状態などを引き出す支援だけする―――そのために言語パターンの多くは抵抗を回避するために間接暗示のスタイルになる―――。 

ちょっとだけ個人的に気になったことを書いておきたい。

一つは退行。


You can dream of yourself as a small child, wondering who that child is. 

あなたは小さな子供として自分で夢を見ることができます、その子供が誰なのか疑問に思っているでしょう。


 治療の初期でいきなりトラウマ的な経験を思い出して再体験し嫌な気分になってもらっても困る。だから、自分の経験として思い浮かべてもよいし、それが難しいなら、傍観者として他人の様子を思い浮かべてもよいように抽象的で曖昧に話す。抽象的で曖昧だということは、これを文脈によって補完されることになる。さらに、含みとしては、「夢を見ることができる。(ただし、色々な方法でそれができる)」となる。

 さらに、今日のところに、二重解離のダブル・バインドのパターンがある。普通の人が読んだらおそらく、「なんのこっちゃ?」だ(笑)。


You can as a person awaken, but you do not need to awaken as a body. 

人(人格、意識)としてのあなたは目を覚ますことができます、しかし、体としては目を覚ます必要はありません。

   
 ちなみに Wikipediaに解離の説明がある。
 
 解離と聞くと、スタンフォードのアーネスト・ヒルガードが理論化して臨床催眠の理論の一つである新解離理論(Neodissociation Theory) を思い出す。しかし、小難しいことは保留しておこう。ここでは「まるで他人を見るように自分自身を外から眺めているという経験をすることがある」というくらいの意味でゆるく解釈しておくことにしたい。

 エリクソンはこの心身状態、あるいは催眠下で引き出される催眠現象としてこれを利用した。過去や現在の問題の場面を思い描いても視点と体が解離しているのでクライアントは普通は嫌な気持ちになるような場面でも、冷静に観察できるようになるだろう。おそらく、パラドクスに陥っていて自分自身を客観視できないような時にこういうダブル・バインドが有効だ。このあたりで書いたパラドクスだ。

 余談だが、ゴーグル型のディスプレイを着けて、自分の体を後ろから見ているような映像を写すと、まるで幽体離脱しているような感覚を味わえるという実験がサイエンティフィック・アメリカンに掲載されていた。このあたりで書いた。これも解離の定義として「まるで他人を見るように自分自身を外から眺めているという経験をすることがある」という意味ではそうなのだろう。エリクソンの場合は、言葉でこういった状態を誘導したが、視覚や対感覚の錯視が発生するようなデバイスを使うと同じようなことが起こるということだろう。


7月29日の進捗、1656ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 62.5%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY


Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion by Milton H. Erickson, Ernest L. Rossi & Sheila I. Rossi With a Foreword by Andre M. Weitzenhoffer



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(つづく)

文献
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2017年7月28日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 209日目


                                                                                                                            
 
  資源・資質(リソース)という意味で、

  経験のコンテンツを使うのと、

  経験のプロセスを使うのとでは何かモードが違うのだろうなぁ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 209日目について書いておきたい。 
 
催眠の現実

 「Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion(1976)」著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ+シーラ・ロッシ。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotic Realities : 催眠の現実」だ。個人的には英語で何度か読んでいる。また、書店でぱらぱらとしか確認していないが邦訳が出ている。

 そのため、ここの部分の読み方についてはルール変更して興味深いと思ったメモだけ記載しておくことにしたい。

・・・・・・・・・・・
 今日は以下の内容。アーリー・ラーニング・セットなど繰り繰り返し説明されるが、それだけ重要だということなのだろう。

・Early Learning Set
・Limiting Attention and Downgrading Distractions 
・The "Yes Set" 
・Posthypnotic Amnesia 
・Indirect Evocation of Personal Motivation and New Learning by Implication
・Indirect Evocation of New Learning 
・Indirectly Discharging Resistance 
・Engaging Motivation with Patient-Centered Experience 
・Hidden Directives by Implication
・Evoking Courage and Self-Exploration 
・Truisms Evoking Mental Mechanisms: Protection and Flow from the Unconscious 
・Depotentiating Consciousness 
・Facilitating Latent Potentials 
・Allowing Time for Suggestions 
・Patient's Central Role 
・Words Evoking Mental Mechanisms 
・Facilitating Change and Development 
・Indirect Suggestions for Head Ideomotor Signaling 
・Facilitating Individuality 
・Ideomotor Signaling the Acceptance of Suggestions 
・Open-Ended Suggestions: Forgetting and Recall 
・The Apposition of Opposites 
 
随考

 ―― 学習とアンラーニング ――

   論文を読む時、いくつかのパターンを試している。具体的には、 一回目は黙読する。二回目はエリクソンっぽく声に出して読んでみる。三回目はもうすこし全体的な視点を考えて読んでみる。このような感じで、本文は少なくとも3回は読んでいる。さらに、読んだ後に、一歩下がった視点から見出しを眺めてみると、要素と要素の関係性がつながってきて何となくエリクソンっぽい感じというのが見えてくるのが面白い。

 例えば、今日も登場するアーリー・ラーニング・セットから分かるのは、エリクソンは、クライアントに初めて何かを学習した経験を思い出してもらい、知覚やそれを使ったプロセスに焦点を当ててもらっていた、ということだろう。別に難しく考える必要はない。文字の書き取りができるようになったことでも、逆上がりができるようになったことでもよいし、自転車に乗れるようになったことでも、水泳で初めてクロールができるようになったことでも、初めて跳び箱を跳べるようになったことでもなんでもよい。この時の経験を思い出してもらい、知覚の臨場感を伴って思い浮かべてもらうという具合だ。これによって、クライアントは内的経験に焦点を当て、それぞれのクライアントがそれぞれのトランス状態に入る。

  誰でも何かを学んだ経験はあるわけだし、例外なく、知覚を伴ったプロセスが資源・資質(リソース)として利用できるという具合だ。

    そして、 文字を書くのも、最初は難しかったがかけるようになりました。逆上がりをするのも、最初が難しかったけれど、できるようになりました。自転車に乗るのも、最初は難しかったけれど、できるようになりました。水泳でクロールで泳ぐのも、最初は難しかったけれど、できるようになりました。跳び箱を跳ぶのも、最初は難しかったけれど、できるようになりました。

・・・・・だから今かかえている課題も学習なので、そのうちできるようになりますよ。・・・・という含みになっているという具合だ。

 この粒度でやっていくときりがないのだけれど、さらに俯瞰すると、一旦学習したやり方が制限になっていることもあるので、学びのプロセスを手離して、そのプロセス自体も新しくしないといけないというのはあるだろう。この場合、アンラーニング・セットということになるのだろうが。これは、アーリー・ラーニング・セットと反対で、知覚の臨場感を低下させ、ディソシエイションで傍観者として経験を眺めているような感覚を引き出しているようにも思える。


7月28日の進捗、1648ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 62.2%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY


Hypnotic Realities The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion by Milton H. Erickson, Ernest L. Rossi & Sheila I. Rossi With a Foreword by Andre M. Weitzenhoffer



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 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
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(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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