2017年9月30日土曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 273日目


                                                                                                              
  アウフヘーベンの理屈が分からないとエリクソンの理解は難しい(笑)。

  バームクーヘンじゃないよ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 273日目について書いておきたい。 
 
催眠療法の調査事例

 「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」、著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ。フォワードは「私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー」でおなじみのシドニー・ローゼン。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」だ。ロッシとの共著となる第二弾。ここで特にテーマとなっているのは臨床催眠における「利用(Utilization)アプローチ」ということになる。米国での出版から40年弱の時を経て近々邦訳が出るようだから、興味のある方はそちらを読んで見るとよいだろう。個人的には過去何回が読んでいるが、何度読んでもよい著作だ。

・・・・・・・・・・・
 今日は以下の内容。

Hypnotherapy in Extreme, Sudden, Acute Emotional Disturbances [Previously unpublished paper written by the senior author and edited for publication here by the junior author] 
Decondition a Hysterical Catalepsy: Case Report One 
Deconditioning Hysterical Catalepsy: Case Report Two 


 
随考
 
 今日のところとは直接関係はない。が、ミルトン・エリクソンの興味深い映像が Youtubeにアップロードされていたので視聴してみた。

 ここでは、5年近くを心理療法に費やしたにも関わらず、効果がなく何も達成できなかった、と訴えているクライアントの話から始まる。


 面白い点は、この話を意識ー無意識の治療的ダブル・バインドの形式に仕立てて話していることだろう。

 今、どこかの緑のおばさんが言っている弁証法の本来の意味での「アウフヘーベン」的ではあるが(笑)、クライアントの立場を意識ー無意識にスプリットしてこれが治療的ダブル・バインドになるようにして、現在クライアントはハマっているその枠組みを超えて、新しい枠組みで物事を見ることができるように支援しているところだろう。

 ある意味、これがエリクソン的な禅問答の一つのパターンとなる。少し妙ちきりんではあるが、エリクソンはあくまでも論理的にこういったパターンのコトバを話す。

 もちろん、日本だと鎌倉時代あたりからおなじみの禅問答のバリエーションが少し増えただけのことかもしれないが(笑)・

 
9月30日の進捗、2,160ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 81.3%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2017年9月29日金曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 272日目


                                                                                                              
  エリクソンの催眠はクライアントが学びなおすことを支援しているだけだよなぁ。

  洗脳とか言っているのは単なるバカ(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 272日目について書いておきたい。 
 
催眠療法の調査事例

 「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」、著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ。フォワードは「私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー」でおなじみのシドニー・ローゼン。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」だ。ロッシとの共著となる第二弾。ここで特にテーマとなっているのは臨床催眠における「利用(Utilization)アプローチ」ということになる。米国での出版から40年弱の時を経て近々邦訳が出るようだから、興味のある方はそちらを読んで見るとよいだろう。個人的には過去何回が読んでいるが、何度読んでもよい著作だ。

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 今日は以下の内容。

Confusion and New Learning
Depotentiating Habitual Mental Sets: Facilitating Flexible Frames of Reference
Phobia as a Limited Frame of Reference
Further Illustrations of Growth via New Frames of Reference
Autohypnosis to Facilitate Therapeutic Change: Flexibility in Mental Functioning
Selected Shorter Cases: Exercises for Analysis Uncovering Techniques: Dissociating Intellect and Emotions to Uncover Traumatic Memories

 
随考
 
 エリクソンがなぜ治療にトランス状態を使うのか?

 このあたりは中々深いテーマだ。

 本書を読むとこの答えの一つは、普段の学習によって身につけた物事の見方、枠組み、を緩めて、再度学習し、新しい枠組みを構築し、あたらしい視点で物事を見るのを支援するため、ということになるだろう。

 逆に、枠組みを緩めないと普段の枠組みが幅を利かせて新しいことが学べない状態が続く。あるいは新しい枠組みを再構築できないと言ってもよい。だから、クライアント本人がなんとかしたいと思っていても、その状況になると無意識のレベルで困った反応や困った気持ちになる、ということが繰り返されることになる。

 この枠組み(Frame of reference)は現在の認知心理学でいうヒューリスティクスや認知バイアスと深く関係している言ってもよいだろう。このあたりで書いた話だ。

 ここでエリクソンが扱っている飛行機恐怖症もおそらくヒューリスティクスやバイアスと関係している。例えば、ヒューリスティクスで説明すると、自分が経験したほんのいくつかの入手しやす情報での判断がすべてだと思い。飛行機に乗ればかならず乱気流が起こると考え、それが当たり前で、やはり飛行機に乗るのが怖いと思ってしまうような具合だ。

 ただ、色々な経験から再学習をしようと考えてもこういったヒューリスティクスや認知バイアスが邪魔をする。つまり、いままでの状態に固執することになる。もちろん、これはほとんど無意識で起こっているので本人が意識して努力してもたいして変わることはない。

 そのため、エリクソンは、まずこれをトランス状態によって緩めようというのが本書での催眠のコンセプトでもある。こうすることで、再学習によってヒューリスティクスや認知バイアスをよい具合に修正したり、あるいはもっと新しい枠組みを再構築して再学習することを容易にする試みとなる。

 上手く行けば、これによって物事に対する認識も変われば、意味付けも変われば、反応も変わる。こういうことになる。例えば、どうしようもない飛行機恐怖症がなくなる、ということになる。

 もちろん、個人的には裏にある認識論的な理屈が分かればエリクソン派生のMRIやSFAやミラノ派でも、催眠やトランス状態を使わずに普通のコーチングのようなスタイルで同じようなことは出来るとは思うのだが(笑)。このあたりで書いた話だ。

 そう考えると催眠というは新しいことを学びやすくする心身状態をつくるオマケみたいなもので、人が変化する理屈というかロジックが分かっていないと、単なる催眠状態に誘導しただけで人が変化するなんて都合のよいことはない、と分かってくるところでもある。
 
9月29日の進捗、2,152ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 81.0%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2017年9月28日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 271日目


                                                                                                              
  変化のための資源は色々なところにある、ということで(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 271日目について書いておきたい。 
 
催眠療法の調査事例

 「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」、著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ。フォワードは「私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー」でおなじみのシドニー・ローゼン。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」だ。ロッシとの共著となる第二弾。ここで特にテーマとなっているのは臨床催眠における「利用(Utilization)アプローチ」ということになる。米国での出版から40年弱の時を経て近々邦訳が出るようだから、興味のある方はそちらを読んで見るとよいだろう。個人的には過去何回が読んでいるが、何度読んでもよい著作だ。

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 今日は以下の内容。

Part Three: Facilitating Learning: Developing New Frames of Reference
The Utilization Approach
Generalizing a Learning Frame of Reference to Restructure a Phobic Problem
Illustrating Open and Flexible Frames of Reference
Associating Therapeutic Themes
Restructuring Sensory Experience: Translating Therapist's Words into the Patient's
Patient Feedback and Further Therapeutic Illustrations

 
随考
 
 このあたりは案外エリクソンの目玉かもしれない。

 飛行機恐怖症の心身状態に、子供の頃宿題が上手くできて思わずガッツポーズをしてしまいそうな達成感を伴った心身状態を持ち込む。記憶の中でクライアントがそうできるようにエリクソンが支援する。結果、認識の枠組み(Frame of Reference)が変化していく、そんな感じになっている。

 これを、人類学者のグレゴリー・ベイトソンが説明すると、Abuductive Reasoning と言いそうだが、無意識に、「飛行機恐怖症の心身状態とかけて、宿題が出来た時の達成感と解く、その心は?」とやってない気がしなくもない。ただエリクソンの場合は、間接暗示と利用(Utilization)を使ってかなり巧みにやっている感じだ。
 

9月28日の進捗、2,144ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 80.7%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2017年9月27日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 270日目


                                                                                                              
  慣れた状況に対しても、

  何か新しい気持ちや反応や意味を発見していくのは、ありと言えばあり(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 270日目について書いておきたい。 
 
催眠療法の調査事例

 「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」、著者はミルトン・エリクソンとアーネスト・ロッシ。フォワードは「私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー」でおなじみのシドニー・ローゼン。

    ミルトン・エリクソン論文全集の第四巻を読んでいる。そこに含まれていて、今回からの範囲に収録されているのは、「Hypnotherapy An Exploratory Casebook(1979)」だ。ロッシとの共著となる第二弾。ここで特にテーマとなっているのは臨床催眠における「利用(Utilization)アプローチ」ということになる。米国での出版から40年弱の時を経て近々邦訳が出るようだから、興味のある方はそちらを読んで見るとよいだろう。個人的には過去何回が読んでいるが、何度読んでもよい著作だ。

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 今日は以下の内容。

Reinducing Trance Comfort With Posthypnotic Suggestion for Intellectual Insight: Protecting Patients in Trance: A Feeling Approach
Trance Awakening with Intellectual Insight: The Transformation of Painful Affect: A Genuine Age Regression with Adult Perspective
Trance Reinduction and Comfort
Posthypnotic Suggestion for Integrating Emotions and Intellect, Child and Adult
Integrating Emotional and Intellectual Experience from an Adult's Perspective: Reassociating and Reorganizing Inner Experience

 
随考
 
 エリクソンのコトバは案外深い。

 ある出来事や経験に対する気持ちや反応、それに対する解釈や意味付けは人によっても違うし、同じ人でも状況によって違う。

 例えば、飛行機にのって、どうしようもなく楽しくなる人もいれば、妙に落ち着く人もいれば、恐怖を感じる人もいる。ただ、人はそれしかないと思うとそのことに固執してしまうものだ。飛行機に乗って恐怖を感じるのもそれは一つの可能性でしかないにもかかわらず。

 人間というのは複雑怪奇なところがある。物理学の法則のようにモノを落とせば直線的因果関係でニュートンの法則に従うというようなことはなく、ある出来事とそれに対する反応というのは直線的因果関係が成り立っていないのが面白いところでもあり、難しいところでもある。ここで意味をつくる際にコトバが関係しているので一層ややこしくなる。これは一般意味論でも言われているところだ。このあたりで書いた。もっとも、今なら認知言語学のフレームあたりで説明したほうがしっくりくるのかもしれないが。

 もちろん、飛行機に乗って恐怖を感じる人は、飛行機に乗ったら恐怖を感じる以外になにがあるのか?ということになっているだろう。ある意味、自分の世界観に囚われている状態だ。だから、エリクソンはクライアントにそれ以外の可能性もあることを学習してもらうということになる。


E: We are giving the patient new possibilities and we are taking away the undesirable qualities. Usually it's best to have patients experience the emotion first and later the intellectual, because after they have experienced the emotions so strongly, they have a need to get the intellectual side of it. 

E:私たちは患者に新しい可能性を与えており、望ましくない性質を取り除いています。 通常、感情をあまり強く経験した後、彼らは知的側面を得る必要があるため、患者に感情を最初に、後で知識を経験させるのが最善です。


 もちろん、ここでは病理(もちろんクライアントにはそれを伝えないのはここで書いた話だ。)を扱っているけれども、状況に慣れすぎて、心も動かなければ、何の真新しいさもない、という状況も結構問題ではないか?と考えている今日この頃ではある。そう考えるともう少し建設的に考えて、慣れた状況の中でもエリクソンの技法というのは何か新しいこと、具体的には新しい反応、新しい気持ち、新しい意味・・・を発見していく技法でもあるのだろう。 

9月27日の進捗、2,136ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 80.4%)

Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Hypnotherapy An Exploratory Casebook by 
Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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